PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Panasonic DMC-GX7, LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S., 1/40, F1.7, ISO 200, Photo by T.Nakanishi

Panasonic LUMIX G 42.5mm F1.7 ASPH. POWER O.I.S.

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

パナソニック製ボディを使っている人には待望の、LUMIXブランドの大口径中望遠レンズがラインナップに加わりました。ボディ側との機能連携を考えれば、純正レンズが望ましいですからね。もちろんLEICAブランドという選択もありますが、焦点距離が同じ「NOCTICRON」はそれなりに値も張ることから、ちょっと二の足を踏んでいたという人もかなりいらっしゃったことだと思います。そこにきて本レンズの登場です。大型センサーと比べると被写界深度が深くなってしまうマイクロフォーサーズ規格ですが、こちらは大口径のF1.7。ボケを添えるにはもってこいのスペックです。ズームレンズだとF値は2.8あるいは4あたりから。それとはちょっと違う雰囲気の写真が撮りたくなったら、比較的リーズナブルに手にすることができる単焦点中望遠レンズは嬉しい存在。35mm判換算で85mmの画角はポートレートにうってつけ。寄ることもできるので日頃のテーブルフォトにもマル。はたまた街撮りスナップから室内での撮影にと幅広く活用できる1本。これは期待できます。

( Photography : T.Nakanishi / Text : KIMURAX )

Panasonic DMC-GX7, LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S., 1/500, F1.7, ISO 200, Photo by T.Nakanishi

こういったあまり引きの無い空間での撮影には、もうちょっと標準あるいは広角寄りの焦点距離をチョイスするのが一般的でしょうか。一見規則正しく並んでいるようでいて、そうではない机と椅子。そこを中望遠の画角で切り取ると、程よい圧縮感も手伝って面白い画になるかなと思いシャッターを切りました。仕上がりを見て感じたのは描写に癖がなく、目の前の被写体を素直に捉えてくれるレンズだということです。しかも開放での柔らかなボケを伴った撮像は、静寂に包まれた教室の雰囲気までも表現してくれているようにも感じます。

Panasonic DMC-GX7, LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S., 1/100, F1.7, ISO 200, Photo by T.Nakanishi

絞りを開くとボケが得られやすいとはいえ、とろけきってしまうことはなさそうです。被写体がどのようなものであるか、そのフォルムを感じ取ることができるボリュームのあるボケ味といったところでしょうか。ピントピークは至ってシャープでクリア。名札の文字が樹脂系の塗料で丁寧に書かれていることが判るほどです。

Panasonic DMC-GX7, LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S., 1/500, F1.7, ISO 200, Photo by T.Nakanishi

ガラス越しの柔らかい光がつくりだしたハイライトからシャドーまで、トーンたっぷりに描いています。なんてことのない古めかしい日本家屋の廊下ですが、明るい外とは異なる、ひんやりとした乾いた空気までもが伝わってくるようです。

Panasonic DMC-GX7, LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S., 1/640, F1.7, ISO 200, Photo by T.Nakanishi

フォーカスエリアのシャープな撮像と柔らかなデフォーカス部分との共存。それによって大口径レンズならではの、空気までをも写し込んでしまうような表現が可能となります。とはいえやはり、フォーカスエリアにキレがあることは絶対条件となるでしょう。いかがでしょうか?よくもここまで開放からキレのある描写を見せてくれるものです。また、その空気づくりに一役買っているのが、趣きのある陰影の表現ではないでしょうか。もちろんカメラの性能に負う部分もあるものの、レンズ自体のダイナミックレンジの広さ、この粘り強さがあればこそです。

Panasonic DMC-GX7, LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S., 1/60, F1.7, ISO 200, Photo by T.Nakanishi

フォーカスエリアは収差を感じさせず、極めてシャープ。編み込まれた藁の質感に至るまで、とても緻密にしっかりとした解像感で描き込んでいます。

Panasonic DMC-GX7, LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S., 1/400, F2.2, ISO 200, Photo by T.Nakanishi

室内での撮影カットが続きましたが、これも明るいレンズのおかげです。そこでさらに絞り込む余裕があるというのは頼もしいばかりです。


Panasonic DMC-GX7, LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S., 1/5000, F1.7, ISO 200, Photo by T.Nakanishi

マクロレンズではありませんが最短撮影距離は31cmとかなり寄れるので、接写の世界も楽しむことができます。開放ながらフォーカスエリアのしっかり整った撮像と、前後の柔らかなボケは大変気持ちがよいものです。玉ボケにはその存在を主張するような強い輪郭もなく、主役をさりげなく盛り立てながら、画全体として印象的なものに仕立ててくれています。手ブレ補正の効きもなかなかのもので、安心して撮影することができました。

Panasonic DMC-GX7, LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S., 1/125, F2.8, ISO 200, Photo by T.Nakanishi

絞りはF2.8。夕景から浮かび上がる白樺の細やかな枝ぶり。その1本1本の先までしっかりとトレースしています。レンズが明るいと、シャッタースピードも稼げるので何かと重宝します。

Panasonic DMC-GX7, LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S., 1/1000, F1.7, ISO 200, Photo by T.Nakanishi

程よい圧縮感と共に立体感のある描写を楽しめる焦点距離。シャープさと柔らかなボケが共存しているこの描写力。これが1本あるだけで、表現の幅がきっと大きく広がりますよ。


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開放の画を中心に、いえいえ開放ばっかりでしたね(笑)そんな画ばかりをずらっと並べてみましたが、いかがでしょうか。いずれも柔らかなボケと開放からのシャープな描写力。たくさんの作例カットを撮ってきたことで、レンズの素性の良さをうかがい知ることができました。LUMIXブランドとしては初めての単焦点中望遠レンズ。35mm判換算で85mmという画角は、標準や広角レンズのように漠然と眼前の景色を写し込むのではなく、撮影者が見せたいという意思で明確に切り取ることができます。写り方もその場で見た感覚に近いので、扱いやすいレンズといえます。加えて、明るい開放F値の恩恵は作例カットですでにお分かりいただけたと思います。ズームレンズではちょっと物足りなくなってきたなと感じている人や、単焦点レンズのクリアな写りに興味が出てきたという人にこそ、ぜひ使ってみてもらいたい1本です。

( 2015.04.21 )

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基本はブラック、という方はこちらを。

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ボディがシルバーなら、シルバーのレンズも似合いますよね。

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保護フィルターもご一緒に。パナソニック純正です。

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明るいレンズですから、NDフィルターのご用意も。

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