PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/1000, F8, ISO 200, Photo by TAK

LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0 ASPH.

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

パナソニックからマイクロフォーサーズシステム用の広角ズームが新登場。しかも「ライカブランド」です。 開放F値はF2.8-4の可変タイプで、35mm判換算で16-36mm相当の画角をカバーしています。非球面EDレンズや超高屈折率UHRレンズなどを用いた贅沢な光学系に先進のナノサーフェスコーティング。ローパスフィルターの無いカメラにも合わせた最新の設計でもありますから、これは期待してよいでしょう。金属筐体のソリッドでひんやりした感触、控えめな光沢の仕上げはまさに「ライカ」ですね。ドーム状の吸い込まれそうな前玉(フィルター装着可能)を眺めていても「写りそうな予感」がプンプン。サイズや重量もこのスペックのレンズとしては非常にコンパクトですし、焦点域による全長の変化もありませんから、最新のGH5ボディに付けてもバランスが良いですね。今年4月の発表以来、リリースの待ち遠しかった本レンズがどんな撮影を可能にしてくれるのか。試してまいりましたのでご覧ください。

( Photography & Text : TAK )

Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/3200, F2.8, ISO 200, Photo by TAK

16mm相当の広角端ともなれば、さほど引かずとも主題を容易に入れこむことができるばかりか、その周辺環境さえも付加するマージンさえ生まれます。描写性能でまず気になるのは歪みですが、視認できるような歪みは見当たりません。カメラを上に向けても、直線が直線のままに写っていて気持ちが良いですね。

Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/5000, F2.8, ISO 200, Photo by TAK

365日、どこまでもダイナミックでパワフルな大阪道頓堀。この濃縮された空間に相対するにはそれなりのレンズと気合いが必要です(笑)。フレームから飛び出すようなパワーを広角端で表現しましたが、アングルが水平でなくても「いかにも超広角で撮りました」的な嫌味は感じられません。やはり歪みがキチッと抑えられているのが効いているのでしょうね。開放でのショットですが、周辺に至るまで実にシャープ。高解像センサーのポテンシャルをしっかりと引き出してくれます。

Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/800, F4, ISO 200, Photo by TAK

次は自然のダイナミズムを広角端で。遠近感が強調され、潮汐がもたらす造形が一層印象的になりました。フォーサーズのアスペクト比は4:3ですが、2:3よりも縦方向への広がりがある分、 広さも高さもある被写体に向いていると思うのです。一段絞っていますが極めてシャープな結像で、隅々に至るまで流れも感じさせません。防塵防滴耐低温設計で、条件を問わず安心して撮影に集中できるのも良いですね。

Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/5000, F2.8, ISO 200, Photo by TAK

望遠レンズでマクロ的に撮れば「花の写真」になるところですが、広角ならこんな表現もできます。広角端、F2.8の開放でミヤコグサが生きる舞台の中で描いてみましたが、主題を浮き立たせながらも背景が分かる程度の好ましいボケ方です。


Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/13, F8, ISO 200, Photo by TAK

現場がどういう所かを一枚で物語りたい。そんな時も超広角の出番です。こちらは京阪本線萱島駅のホームですが、クスノキが突き抜けております。神社の大切な御神木ということで駅建設時も伐採されなかった結果、この絶景が生まれたのです。 逆光気味でのショットですがコントラストもしっかりしていますね。

Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/30, F5.6, ISO 200, Photo by TAK

超広角で撮るぞと思っている時に限って画角を狭めたい場面に出くわすもの。ズームって何て便利なんでしょう。こちらは望遠端36mm相当ですが、ほどよくワイドでパースペクティブも控えめなので実に使いやすい。そしてそこから非日常的ですらある16mm相当までの範囲で空間を自在にデザインできる。これが本レンズのアドバンテージなのです。望遠端での歪曲もありませんし、四隅でも解像力の低下は認められません。トーンもハイライトからミッド、そしてシャドウに至るまで表情豊かに描いてくれました。

Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/1000, F4, ISO 200, Photo by TAK

Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/160, F4, ISO 200, Photo by TAK

Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/1600, F4, ISO 200, Photo by TAK

こちらは画角を20mm相当にして、ピントは固定、少し絞って深度を稼ぎつつ、歩きながらノーファインダーで撮影しています。状況を外から冷静に狙い澄ますというよりは、状況の中に自分自身を投じて流されながら撮る感覚でしょうか。ちなみにフォーカスリング、ズームリングともに、ネチッとした高級感のある回転フィールです。AF、MFの切り替えもレンズ横のスイッチでワンタッチ。電源OFF時でもセッテイングが一目瞭然です。カメラ側で操作できても、どっちの状態だったか覚えていないこともよくありますから、直感的に操作できることが大切なのです。


Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/3200, F2.8, ISO 200, Photo by TAK

Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/500, F4, ISO 200, Photo by TAK

Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/200, F2.8, ISO 200, Photo by TAK

Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/10, F2.8, ISO 200, Photo by TAK

Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/500, F2.8, ISO 200, Photo by TAK


Panasonic DMC-GH5, LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH., 1/500, F2.8, ISO 200, Photo by TAK

写りも使い勝手も絶妙。広角ズームの決定打。

カメラ好きとしてはライカのフォントを見ただけで神通力さえ感じてしまうのですが、現代風に言えばまさに「神レンズ」とでも言いたくなるような実写結果となりました。描写はズーム全域にわたって画面の隅々までシャープで、微妙なトーンもしっかりと拾ってくれます。あえてF2.8-4の可変タイプとしたことで、高い描写力を維持しながらもハンドリングの良い筐体を実現しているのです。また、滑らかな絞り制御やズーム時の高いAF追従性能など、高画質動画撮影のための細かいケアがなされているのも心強いですね。 描写力以外で驚いたのはレンズフード脱着時の操作感。そう、ロックされるまで回す時の感触が、まるでグリスアップしたばかりのヘリコイドのような感覚で良い意味で期待を裏切られました。デジタルの世で描写力とは直接関係のないところまで手を入れてくることは稀ですが、「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH.」とはそういう意気込みで作られているのでしょう。標準ズームや高倍率ズームはもちろん、明るい標準単焦点と組んでも面白いでしょうね。パナソニックのレンズラインナップもこれでいよいよ面白くなってきました。広角域の悩みを一発解決してくれるこの一本は、皆さんをどこへ導いてくれるでしょうか。

( 2017.07.25 )

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広角で撮ったものをトリミングすればある意味望遠の絵も得られますが、その逆はありません。とにかく全方面で隙のないレンズ。大活躍間違いなしです。

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あの「cokin」のフィルターです。写真にエスプリが宿るかも?

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