PHOTO YODOBASHI

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Nikon Z 50, NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, Photo by K

Nikon NIKKOR Z DX 24mm f/1.7

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

APS-Cセンサーを搭載するカメラ用の「DXフォーマット」レンズに、35mmフルサイズ換算で36mm相当の本レンズが仲間入りしました。DXフォーマットとしては初の単焦点レンズです。かなり小さく軽いレンズであり、カメラとともに小さくまとまるため、なかなかありがたいパッケージ。レンズフードも愛らしいドーム型のものが付属するあたりが、なんともくすぐってくれます。単焦点レンズは、明るく大きなボケ味が得られることが大きな特長だと思いますが、反面、画角が固定されてしまうために自分の足でいろいろと解決しなければなりません。この一連のプロセスも含めて楽しむのが単焦点レンズの面白さなのですが、サイズ感や最短撮影距離が0.18mとかなり寄れる設計、意匠も含めて、本レンズをつけっぱなしにして楽しんで欲しい、そんな思いが感じられるレンズに仕上がっています。早速、テストを楽しんでみましょう。

( Photography & Text : K )

Nikon Z 50, NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, Photo by K

初見でインプレッシブなレンズ

最初に撮ったのが上のカットです。お、いいじゃん。その一言でした。朝早くのアングルの寝た光を斜に構えて撮るわけで、輪郭に光が載り立体的に写りやすいわけです。初見で良い印象を持ちやすいとも言えますが、しかしバイアスの掛かっていない直感的な印象です。初見でインプレッシブなレンズは大抵2つのパターンに分かれます。1つは、写りを構成する特定の要素が突出したレンズ。もう1つは、すべてが高い次元でバランスされたレンズ。本レンズは後者なんだろうと思います。念のため記しますが、構成要素それぞれの力が高いことが必須要件ではありません。昔の緩い写りのレンズでも、インプレッシブなものはインプレッシブですから。高い次元でバランスされた・・なんて書くと偶発的に感じられますが、違うでしょう。明確な意志を持って「整えられている」。本レンズは、そんな印象を受けます。

Nikon Z 50, NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, Photo by K

写りを構成する要素それぞれを紐解くと、そのどれもが高いのですが、印象的なのがボケ味。全弾絞り開放で撮影していますので、前後のボケやいろんな距離でのボケ味をご覧いただけると思います。たとえば1つ前のプラットホームでの前ボケと、本カットの前ボケは、距離が違います。前に置くものの距離が近いと量感がありながらもフワッと滲む量も増えます。このあたりの趣きがよい塩梅というか・・個人の好みの話ではありますが。

Nikon Z 50, NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, Photo by K

かなり寄ることのできるレンズですが、最短からは少し離れての撮影です。APS-CサイズのセンサーとはいえどもF1.7ですから、大きなボケが得られます。大変整ったボケ味なのですが、輪郭が緻密にそして柔らかく溶け込んでいくのが美しい。

Nikon Z 50, NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, Photo by K

バックの距離をいろいろ変えてみたり、いろいろと試してみるわけですが、どの距離でも丸みの感じられるボケ味。扱いやすいし、ニンマリする写りですよ。


Nikon Z 50, NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, Photo by K

「楽しい」は、勘違いから始まる?

寄っても引いても、あらゆる光の回り方でも、そつなくまとまるレンズ。まるで自分が上手くなったような錯覚に陥りそうです。こんな勘違いの積み重ねが次のシャッターを誘うわけで、結果として写真が毎日楽しくなりますよね。

Nikon Z 50, NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, Photo by K

「ド」のつくような逆光に、最短より少しだけ向こうにピントを置いて。

Nikon Z 50, NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, Photo by K

ほぼ最短での撮影。距離に応じてボケ量やボケ具合がわかりやすいように被写体を選びましたが、いかがでしょうか。

Nikon Z 50, NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, Photo by K

実に艶めかしく、生っぽさを感じる写りです。かなり寄ることができるのと、35mmフルサイズ換算で36mm相当の画角というのが相まって、普段使いに本当によいレンズです。これ1本で潰しがきくというか。我が家の観葉植物を適当に撮ってみたわけですが、撮ろうという気にさせてくれます。これが50mmあたりの画角になると、どうしても撮影者の目線みたいなものがクローズアップされやすいため、撮るのが億劫になることもあるかもしれませんし、35mmあたりの画角であれば50mmらしい使い方もできます。かといって、28mmだと記録じみた画になりやすく、難しい。本当にちょうどよいですね。

Nikon Z 50, NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, Photo by K

スケジュールの関係上、短期間に作例を撮りためることが多いわけですが、トップライト気味の時間帯はあまり撮ることがありません。それは難しいからです。もう少しベタッと写りそうなもので、大したものです。


Nikon Z 50, NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, Photo by K

日頃フルサイズセンサーを搭載するZシリーズを使っています。画的に本レンズとZ 50のマッチングが素晴らしくよい気がするのですが、どうなんだろう。フルサイズ機にマウントしてみると、いろいろと分かるような気がしますが時間切れで試せず。いずれにせよ、相性抜群だと感じました。おそらく同じセンサーを搭載する他のAPS-Cセンサー搭載機でも同じ印象を受けると思われます。写真は、ランチア・デルタという車なのですが独特な赤色で、少しドスの効いた色が本当によく再現されています。

Nikon Z 50, NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, Photo by K

光の乏しい環境で2カット。メリハリのある描写。

Nikon Z 50, NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, Photo by K

Nikon Z 50, NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, Photo by K

コントラストあるシーンでも、本当にソツのない写り。

Nikon Z 50, NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, Photo by K


  • PHOTO YODOBASHI最後にボケ味のよく分かる2カットを。物の輪郭がよく分かるボケ味で、どこかクラシカル。
  • PHOTO YODOBASHIクラシカルでも、ガサつくと面倒なこともあるのですが、絶妙。品のある写りだと思います。

PHOTO YODOBASHI

シリーズ化して欲しい、日々の相棒候補の登場

PHOTO YODOBASHI毎日持ち歩くとなるとこのサイズ感は最高で、歳をとったせいか機材はとにかく小さく軽いのがありがたい。今回、わりとゆっくりと何日か持ち歩けたのですが、品位のある写りに、ソツのないオールマイティさ、結果として勘違いな喜びをもたらしてくれて、小さく軽い。気負わずパシャパシャと撮らされたレンズでした。なんだか交通事故的に(?)Zfc が欲しくなってしまいました。軍艦にダイヤルが載ったカメラに、このレンズの組み合わせは、日々の手遊びで楽しませてくれそうです。35mm相当だけでなく、50mm相当、その他の画角の単焦点レンズも、是非このコンパクトさでシリーズ化して欲しい。そう思わされるテストでした。

( 2023.06.28 )

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Z 50と合わせて585g、Z 30なら540g。これだけ軽量なシステムで得られるこの画力、いかがでしょうか。

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DXフォーマットならではの軽快で高画質なシステムを作れる絶好のボディです。

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