PHOTO YODOBASHI

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Nikon D5, ZEISS Milvus 2/100M, Photo by Naz

Carl Zeiss Milvus 2/100M

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

Carl Zeissの一眼レフ用中望遠マクロの歴史は、銀塩C/Yマウントの「Makro-Planar T* 100mm F2.8」に始まります。無双とも言える立体感とボケが織り成す世界は多くのカメラマンを虜にし、ベルビアなどの高彩度フィルムと組み合わせた時のインパクトのある画作りは、今でも脳裏に焼き付いています。その後デジタル化が進む中で待望のFマウント化がなされたものが二代目の「Makro-Planar T* 2/100」です。等倍からハーフマクロへとしながらF2にまで大口径化。これまた名声を博しました。本レンズはその二代目の光学系を引き継ぎながら、デクリック機構を新装し動画撮影にも最適化した三代目となります。コーティングやレンズの間隔などを最適化することにより、高画素にも対応しているとのこと。解像力などの更なる向上も期待できます。

( Photography : Naz / Text : TAK & Naz )

Nikon D5, ZEISS Milvus 2/100M, Photo by Naz

ピントのキレは目を見張るものがあります。背景となる後ろボケは溶けてしまうものの、少し形状を残しています。油絵のような特徴のあるボケ方をしますね。

Nikon D5, ZEISS Milvus 2/100M, Photo by Naz

F8まで絞っても、フルサイズ中望遠レンズでの近接では被写界深度は浅く感じます。画面整理のしやすい100mmという画角は、こうして植物を図案化して切り取るのにも使いやすいですね。

Nikon D5, ZEISS Milvus 2/100M, Photo by Naz

軒先でよく手入れされたバラの花を。もう終わりの時期を迎えていましたが、アンダー気味に撮ると気配すら写るといいますか、目に見える以上の雰囲気を写し込んでくれる印象です。

Nikon D5, ZEISS Milvus 2/100M, Photo by Naz

最短まで繰り出した状態でカメラを前後し、ピントの位置を決めました。開放では紙のようにピントが薄く、前後が大きくボケますから、実際に撮る時は適度に絞ってディテールを残してあげましょう。

Nikon D5, ZEISS Milvus 2/100M, Photo by Naz

こちらも最短での撮影。最短での倍率は1/2相当となりますから、48×72mmの範囲を写し取ることができます。日常使用するならば十分な倍率ではないでしょうか。イヤホンの透明度の表現など、質感描写にも唸らされるものがありますね。


Nikon D5, ZEISS Milvus 2/100M, Photo by Naz

ガラス越しの点光源を撮ったため、ガラスの汚れがボケ玉に写り込んでしまいました。実際のボケ玉はもっと滑らかな印象です。

Nikon D5, ZEISS Milvus 2/100M, Photo by Naz

Nikon D5, ZEISS Milvus 2/100M, Photo by Naz

Nikon D5, ZEISS Milvus 2/100M, Photo by Naz

前後の立体感、ピントの浮き上がり方、マクロ域だけなんてもったいないですね。様々な撮影距離で被写体と向き合うスナップでこそ、活きるレンズではないでしょうか。

Nikon D5, ZEISS Milvus 2/100M, Photo by Naz

100mmともなると、圧縮効果も演出に使えますね。こういった雑然とした光景を切り取るのに重宝する画角です。

Nikon D5, ZEISS Milvus 2/100M, Photo by Naz

Nikon D5, ZEISS Milvus 2/100M, Photo by Naz

着陸態勢の飛行機を真下から写しました。数十メートル上空の旅客機。ピントをしっかりと合わせましたが、機体と空との分離を含め、開放から素晴らしい写りです。

Nikon D5, ZEISS Milvus 2/100M, Photo by Naz


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記録を超えた、表現の領域へ。

やはりツァイス。どこをとってもツァイスなんですね。数値を超えた情感が絵に備わり、ダイレクトに心を揺さぶってくる描写です。マクロレンズとはいえ、その描写力は単なる記録を超え、アーティスティックな表現の領域に達しています。中望遠のハーフマクロなので、テーブルフォトなどには少し手間がかかることもありますが、「寄れる中望遠」としてマクロ以外でも積極的に使うと、本レンズは俄然その力を発揮するでしょう。凝縮効果を生かしたスナップにも最適な焦点距離ですし、F2という大口径ですから中距離でも主題のみを浮き上がらせる芸当も楽しめます。

余談ですが、フィルム全盛期の「Makro-Planar T* 100mm F2.8」は憧れのレンズでした。そのこってりした官能の写りが帰ってきた印象で嬉しくなります。もちろん高画素対応ですからスッキリ感は段違いに向上しているのですが、ポジフィルムで撮ったらどうなるかな?と妄想を膨らませております。


( 2019.08.22 )

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100mm。F2。ハーフマクロ。いや、スペックなどどうでも良くなるほど、「連れて行ってくれる」レンズです。それがツァイスなんです。

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貯まったポイントで純正品はいかがでしょうか。

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