PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Nikon D850, ZEISS Milvus 2.8/21, Photo by TA

Carl Zeiss Milvus 2.8/21

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

レンズ形式はディスタゴン。その系譜を受け継ぎ、デジタルカメラ向けの設計デザインが施された「Milvus 2.8/21」(ニコンFマウント用)のレビューをお届けします。先代モデルに当るのは言わずと知れた「Distagon T* 2.8/21」ですが、絞り開放から大変素晴しい描写を叩き出し、多くのファンを魅了してきました。さて、21mmと言えば、広角の中でも超広角への入り口ともいえる焦点距離。ぼんやりと眺める自分の視界に入っている光景を丸呑みする感じでしょうか。気をてらうことなく真っ直ぐレンズを向ければ、目の前に広がる風景のスケール感をそのままにピタッと写し止められます。はたまた、えいっ!やっ!と大胆にレンズを振り回すように縦横無尽にシャッターを切れば、勢いそのままの大胆な画を描くこともできてしまうという、楽しくて痛快な一本なのであります。では、被写体とじっくりマニュアルフォーカスで対峙してきたカメラマンの撮影カットを、ゆっくりとご覧頂きましょう。

( Photography : TA / Text : TA & KIMURAX )

Nikon D850, ZEISS Milvus 2.8/21, Photo by TA

Nikon D850, ZEISS Milvus 2.8/21, Photo by TA

Nikon D850, ZEISS Milvus 2.8/21, Photo by TA

Nikon D850, ZEISS Milvus 2.8/21, Photo by TA

Nikon D850, ZEISS Milvus 2.8/21, Photo by TA

Nikon D850, ZEISS Milvus 2.8/21, Photo by TA

Nikon D850, ZEISS Milvus 2.8/21, Photo by TA


Nikon D850, ZEISS Milvus 2.8/21, Photo by TA

Nikon D850, ZEISS Milvus 2.8/21, Photo by TA

常用したいZEISSの広角レンズ

個人的にも20mm近辺の単焦点レンズを3本ほど所有しておりますが、その中でも21mmは群を抜いて扱いやすい画角だと感じています。パースを利用した大胆な切り取り方もでき、かといって超広角のようなデフォルメ感はない。日常的なシーンでも使いやすいのですよね。開放F値2.8から、周辺までビシッと解像し、歪曲もほとんど気にせず使えます。もちろんT*コーティングですので、深い海の色や澄み渡った空の色。そしてマジックタイムの紫陽花のような濃厚な色も、見たままの美しい情景や景色をそっくりそのまま持ち帰るかのように再現してくれました。マイクロコントラストに優れた描写は本レンズでも健在で、立体感と艶かしい描写が手に入ります。特にデフォーカスになった部分からも、その場の空気や湿度といったものが感じられるのですね。このツァイスの描写は、やはり実際に撮影して味わっていただくのが一番ですし、もし一眼レフカメラをお使いでしたらmilvusシリーズからが入りやすいと思います。重さも735gと、実際に手にしてみて思わず「軽い」と呟いてしまったほどにコンパクト。このへんの感覚は個人差がありますし、私は麻痺しているのかもしれませんがね(笑)。しっとりと手になじむ金属製の鏡胴の感触もツァイスならでは。全方位でザ・ツァイスな一本です。


  • PHOTO YODOBASHIこのインプレッションでは、ソフトでの歪曲補正は行っておりませんが歪曲は周辺でごくわずかですが見られます。ソフト側で簡単に補正出来るレベルのもので、地平線や水平線といった広大な景色を、どこまでも忠実に再現してくれます。
  • PHOTO YODOBASHI最短撮影距離は22㎝。被写体のどこにピークを持ってくるかによって、フードの先端やレンズにぶつかってしまいそうなほどに寄れます。ミニカーや時計といった小さな被写体を、寄りで撮影したい時などに便利かもしれません。

PHOTO YODOBASHI

クリアな光をクリアなままに。超広角の手始めには刺激的な一本。

高コントラストなのに階調がこんなにも豊かなのですから、相変わらずの流石な写りだなと感じ入ってしまいました。しかも開放からキリッとシャープに被写体をトレースするものですから。基本的に色乗りはしっかりですがコッテリ系ではない印象。ハイキー気味に振ってやればニュートラルな発色に近づけることもできます。とはいえノンフィルターでこのブルーは、嗚呼ツァイスのレンズだなとしみじみ。見る限り逆光時でも破綻するようなこともなさそうですね。光をクリアなままに捉えているとでも申しましょうか、ヌケのよさ気持ちがよいものです。本レンズにリニューアルしてからT*マークはその名に刻まれてはいませんが、もちろんT*コーティング仕様ですから抜かりはありません。開放時の周辺減光も絞れば後退。レンズ構成など先代モデルを踏襲しているようで、描写傾向そのものに大きな変化は見受けられないようです。すでに完成されていたというか、そもそもいい描写を見せてくれていたレンズをそのままに、金属製の花形フードと一体化しているかのような流麗なデザインフォルムを取り入れたデジタル時代のDistagon 21mm。そのデザインは高級レンズOtusシリーズさながらですが、価格的にはそこまでビックリするようなことはないのでご安心を。広角系レンズの中でも比較的に扱いやすい21mmという焦点距離は自ずと出番も多くなるはず。広角好きな方はもちろん、これから足を踏み入れてみようかなとお考えの方にもきっと刺激的なレンズとなることと思います。ファインダーを覗いている段階から、たちまちその画に魅せられてしまうでしょうから。ためらうことなく存分に心ゆくまでお楽しみください。


( 2019.05.30 )

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この透明感、発色、解像感。ツァイスな一本を手に入れるならいい選択肢です。

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コーティングはツァイス仕様。紫外線をカットしつつ、保護してあげましょう。

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連綿と続くツァイスの歴史を、名レンズで撮影したたっぷりの写真と共にこの一冊で振り返ることができます。この本を読めば、現行品のツァイスの描写の中に、しっかりとツァイスの伝統が生きていることを感じていただけるはずです。

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電子書籍版なら、いつでもどこにでも携行できますから、現行品のツァイスレンズを携えての撮影時にぜひお供にしていただきたい! お好きなタイミングで、スマートフォンやタブレットから気軽に読んでいただくことができます。

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