Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

50mmという焦点距離・開放F2という明るさの使い勝手がよく、接写のためにというよりも日常的に使いたい標準単焦点レンズです。描写は開放からキレ味鋭く、極めて緻密。ボケも美しく、クリアで品の良い画はファインダーを覗くだけでも伝わるはず。マニュアルフォーカスレンズですから軽やかにスナップを決めるには修練が必要でしょう。しかしその金属の鏡胴の感触といい、ヘリコイドの心地よいトルクといい、操作していることそのもので充足感を得られる極上の逸品です。カメラを持って外に出て、1枚1枚の写真にじっくりと向きあってみてください。よいレンズを手にした時の高揚感は、きっと写真の出来にも表れるはずです。

( Photography : K & M.Ishizuka / Text : M.Ishizuka )

寄りたいだけ寄れるということが、ストレスなく気持ちよい撮影を可能にします。広く撮りたければ引き、大きく撮りたければ寄る。画角は足で稼ぐという撮影の基本を教えてくれるレンズです。

煩雑な被写体に溢れた漁港のひとコマですが、立体感あふれる描写は見事。金属・ロープ・浮き・網、それぞれの質感もしっかり伝わります。背景が美しくボケているのもよくわかりますね。

マクロレンズだからといって、遠景を撮影していけないということはないのです。日中の撮影は絞るのが基本。優秀なレンズですからご安心を。

開放で近距離の描写。街角スナップではこのあたりの距離を一番使うかもしれません。錆びた金属の質感や、ボケ味がよくわかる一枚です。