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Nikon D800, AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED, 1/50, F2.8, ISO200, Photo by M.Ito

Nikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

近年50mm・85mm・28mmとリリースされてきたフルサイズ・FXフォーマット対応の開放F1.8の単焦点レンズ。もはやシリーズになりつつありますが、今度はそこへ35mmが加わりました。これまでニコン純正の35mmレンズといえば、超ハイエンドな AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G かロングセラーの Ai AF NIKKOR 35mm f/2D の二択でした。今度のレンズはスペックも含めてそのちょうど間のポジション。しかもf/2Dに迫るコンパクトさでリーズナブルなプライス。少しでも明るいレンズを、と欲張りたい方には気になるところですよね。では早速、気になるその写りについて見ていきましょう。

( Photography : M.Ito / Text : Naz )

Nikon D800, AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED, 1/100, F2.2, ISO100, Photo by M.Ito

ピントを置いた学生さんを中心とした前後の立体感が素晴らしいですね。適度なコントラストを持ちながらも、シャドウは簡単に潰れることなく、ハイライトも簡単に飛んでしまうことなく、しっかりと情報が残っています。この豊かなトーンこそ立体感ある画に大きく寄与していると思います。

Nikon D800, AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED, 1/1250, F1.8, ISO100, Photo by M.Ito

Nikon D800, AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED, 1/5000, F1.8, ISO100, Photo by M.Ito

ワイドレンズとはいえ、大口径35mmレンズの被写界深度はかなり浅くなります。ご覧の通り前後のボケには癖がなく非常に美しいです。ピントピークの前後がなだらかにボケていく様は、砂浜に2本並んだ轍のそれぞれ異なるタイヤの模様の変化からお確かめいただけると思います。35mmレンズはスナップに扱いやすい焦点距離ですが、ポートレートなど人を中心とした写真でも大いに活躍してくれそうです。

Nikon D800, AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED, 1/30, F2.8, ISO100, Photo by M.Ito

Nikon D800, AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED, 1/200, F1.8, ISO100, Photo by M.Ito

開放F1.8は暗所や夜も大活躍。このレンズでは先に発売された AF-S NIKKOR 58mm F1.4G と同様に「サジタルコマフレア」の発生を抑える光学設計が行われているそうです。「点光源を点として写す」というのは当たり前のようでとても難しいこと。このレンズでは、江ノ島の左下のあたりの点光源がやや変形していますが、開放でこれですから、全体的に見れば優秀なレベルと言えるのではないかと思います。また、モニターでの等倍表示では島の輪郭となっている木々の枝まで克明に描かれているシャープさも特筆すべきレベルです。


Nikon D800, AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED, 1/30, F2, ISO640, Photo by M.Ito

Nikon D800, AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED, 1/50, F4, ISO100, Photo by M.Ito

リアリティある質感描写は湿度や肌触りの違いもしっかりと繊細に描いてくれます。色再現も実にニュートラル。派手過ぎず地味過ぎることもなく、レタッチのしやすい素材性の高い画を紡ぎ出してくれます。最短撮影距離は0.25m、フード先端のわずか数センチ先まで寄れますので、テーブルフォトにもよいですね。

Nikon D800, AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED, 1/40, F4.5, ISO100, Photo by M.Ito

直線の柱をやや見上げるように撮ると、歪曲も多少強調された写りになってしまいますが、歪み方に癖はありませんので気になる場面でも後処理で解決できるレベルではないかと思います。

Nikon D800, AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED, 1/2500, F2.8, ISO100, Photo by M.Ito


写真の幅をぐっと広げてくれる、よき相棒となるレンズです。

多くの方が最初の1本目として手にする標準域のズームレンズ。これだけ良質なズームレンズが揃っている時代に、重複する焦点距離域の単焦点レンズを買い足す意味があるのか…と考えてしまう方も多いと思います。でも、そんな方にこそ「次の1本」として選んで欲しいのが単焦点レンズです。同じ焦点距離でも、ズームレンズと単焦点レンズではそれぞれのレンズが持つ得意な場面や描写は異なるもの。街中でのスナップで被写体との距離感や画角が「ちょうどよい」と思わせてくれる35mmレンズですから、自分の足を使って被写体へ寄ったり離れたりしながら生み出していく写真には、撮る者の意思がしっかりと写り込みます。また、単焦点レンズの端正な描写がそこへ組み合わされ、写真の幅もぐっと広がっていくのが体感できると思います。

エンジニアリングプラスチック製の鏡胴はしっかりと造られ、超音波モーターを使ったオートフォーカスは静かで高速。指2本分ある幅広のピントリングは縦位置でも横位置でも安定した操作が行いやすく、そのままマニュアルフォーカスへもスムーズに移行できます。DXフォーマットではフルサイズ換算52.5mm相当になり標準レンズのような使い心地ですから、入門機を手にした方の「はじめての単焦点レンズ」としてもおすすめ。ボディをFXフォーマットにアップグレードしてもずっと使い続けられる、お気に入りの1本になるはずです。

写り・造り・操作性どれも高いレベルの完成度を持ったこのレンズ、ニコンの良心を感じずにはいられません。どうぞお見逃しなく。

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新しい機材を入手する言い訳を思いついたら、あとはカートに入れるだけですね。

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積極的に寄れるレンズ。フィルターでの保護もお忘れなく。

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