PHOTO YODOBASHI

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Nikon D810, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035N

TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

タムロンの 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD(Model A035)。昨年の11月に発売されたレンズですが、遅ればせながらのレビューです。この焦点域を持つフルサイズ対応のズームレンズはまずソニーとキヤノンにありますが、それらよりもぐっと買い求めやすい価格でありながら性能も妥協していないことが、この商品の武器。そして同じ価格帯にはシグマがありますが、ワイド端の開放F値が0.5明るい、というのが後発としての矜持でしょう。レンズの性格や使い方を考えれば、この0.5は決して小さくはありません。

タムロンの強みと言えば、その写りもさることながら、強力な手ブレ補正機構が挙げられます。手ブレ補正処理専用のMPUを独立させ、制御アルゴリズムも一新したことにより、CIPA規格準拠4段分の補正効果を実現しているとのこと。それを実証するために、というかそれに安心して、このレビューはすべて手持ちによるもの。室内・屋内での撮影ではISO感度を上げたものもありますが、それも640どまり。今のカメラの性能から言えばもっと高感度でも画質への影響は「ほぼない」というレベルにとどめられるでしょうが、そこはぎりぎりのところで性能を確かめています。

そのほかのアウトラインを記しておくと、1,115gという重さはクラス最軽量とのこと。これは一部にマグネシウムのパーツを採用したことが奏功しています。肝心の写りも3枚のLD(異常低分散)レンズとタムロン独自のeBAND コーティングを採用して万全。フィルター径67mm、長さ196.5mmとサイズも手頃。


Nikon D810, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035N

望遠ズームを手にフィールドへ

Nikon D810, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035N

Nikon D810, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035N

Nikon D810, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035N

Nikon D810, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035N

Nikon D810, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035N

Nikon D810, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035N

Nikon D810, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035N

Nikon D810, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035N

ほかに何が必要?

望遠から超望遠をカバーするズームレンズというのは各社から出ていますが、本レンズは400mmまでの焦点距離をカバーしながらも持ち出しやすいサイズや質量に抑えられていることが最大の魅力であると思います。専用の三脚座が別売りになっていますが、これを用意したことが、逆説的に手ぶれ補正に対するタムロンの自信の現れのような気がしてなりません。その心意気(?)を買って、今回はすべて手持ちで撮影してみました。もちろんISO感度をあまり上げてはその性能が証明できないので、そこは最小限(最大に上げたカットでもISO 640)に。そんなこともあり、取り回しの良さは同クラスレンズ群の中で頭一つ抜けているかもしれません。

遠くのものを手繰り寄せるもよし、テレマクロ的な使い方をするもよし、圧縮効果を利用した画作りもよしと、再現に幅を与えてくれるのも魅力です。ワイド端とテレ端では富士山の印象もここまで違うのです。見慣れた街も望遠域で切り取ることによって、「何気ないシーンが物語のように」。そんな演出も可能としてくれます。また、撮影最短距離が1.5mなのでテレマクロ的な撮影も可能です。接写ではAFからMFに切り替えて撮影しました。望遠はこういった使い方ができるのも面白いですね。タムロンの描写性能の良さは地道にファンを集め、ユーザーからの信頼を得てきたように感じます。

このように100-400mmの表現の幅、使い方の自由さを実感するシーンに多く出会いました。あえて荷物は増やさず、本レンズ1本で臨むという選択も大いに「アリ」ですね。(TA)


  • PHOTO YODOBASHIどうも立ち枯れた、、が好きなようです。私の年齢も確かに枯れつつありますが。。。各収差が良好に補正されている本レンズに感心いたしました。使用していて特に感心したことがもう一つ。タムロンのコーティング技術が非常に優れているのだろうなという点です。近年、各メーカーから発売されているレンズは往々にして、その技術に驚かされます。(TA)
  • PHOTO YODOBASHIワンちゃんの表情は隠れていてみえませんが、きっとこんな表情をしているのだろうな、と感じられる一枚です。日常のシーンでも、どんどん使っていただきたいレンズです。(TA)

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PHOTO YODOBASHI

すべての人にお勧めできる100-400mm

被写体と、それをどう撮りたいかという二つの要素の掛け合わせで使うレンズが決まるわけですが、焦点距離だけに限って言うなら、広角から望遠まで、出来るだけ広い焦点域をカバーするズームレンズが、一本でもっともたくさん働いてくれるわけです。

しかし、そういうズームレンズを実際に使ってみると、その「とりとめの無さ」に戸惑ってしまうことがあります。もちろん、何をどう撮りたいかが自分の中でハッキリしていればそこで悩む必要もないのでしょうが、例えるなら、「今日何が食べたい?」と訊いたら、「なんでもいいよ」という答えが返ってきた時のような。もう一つ。何を撮るにせよ、自分が一番しっくりくる焦点距離というものがあります。「やっぱり広角が好き」とか「標準が性に合ってる」、みたいな。

そんなことを考え合わせると、100-400mmというズームは”望遠しっくり派”の人にとっては一番使えるレンズなのだと思います。この焦点距離でよく言われるのは、「風景写真には必携」、あるいは「子供の運動会で大活躍」みたいなシチュエーションですが、それだけじゃつまらない。望遠しっくり派の人はみんな知っていることですが、このあたりの焦点距離で撮るスナップというのが実にいい。ともすると散漫になりがちな”スナップに於ける主題”が自ずと明確になるし、広角ではしばしば敵に回る背景の問題も、たいていの場合は味方になってくれる。

そんな100-400mmが、この写りでこのお値段。望遠に慣れ親しんでいる人はもちろん、望遠をあまり使って来なかった人が「とりあえず一本持っておく」という場合においても、自信を持っておすすめできるレンズであります。

( 2018.02.21 )

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小型軽量、速いAF、強力な手ブレ補正、お求め安い価格、そして期待を裏切らない写りで、もはや必携と言ってもいいんじゃないでしょうか。

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別売りの三脚座です。アルカスイス互換のクイックシューに対応。高性能な手ブレ補正機構があるとは言え、これがないと困るシーンは必ずあるわけで。

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