PHOTO YODOBASHI

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Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by TA

Nikon Z 7 / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2 vol.3

“ニコン史上最高画質”と謳われる待望のフルサイズミラーレス機「Nikon Z 7」が、ついに登場します。新しいものに対するワクワク感はなんともいえない明るく前向きな力がありますよね。すでにフルサイズミラーレス機は、そのシーンをソニーが大きくリードしていることは周知の事実であり、"ついに"というよりも"やっと"という気持ちの方も少なくないはずです。しかし、そこはニコン。数値やスペックだけでは分からない、"カメラ"としての魅力を手に取った瞬間に感じることができる製品となっています。Nikon Z 7は、新マウントである「ニコンZマウント」を採用。ニコンFXフォーマットセンサーでは初となる像面位相差AFにも対応し、4575万画素の緻密で精彩な画を実現するため、画像処理エンジンは最新のEXPEED 6を搭載。低感度性能(ISO 64)にもこだわったモデルに仕上がっています。画面の隅々まで493点、水平・垂直90%もの広い範囲をカバーするフォーカスポイントを備え、像面位相差AFとコントラストAFを状況に合わせて自動切り換え。素速く、快適なAFで動きのある被写体にも正確なピント合わせが可能です。さらに、ニコンFXフォーマット初のボディ内手ブレ補正も搭載。ジャイロセンサーに画像解析での補正も加わり、非常に高い精度での補正を実現しています。ここでピックアップしたい性能はたくさんあるのですが、本モデルが発表されてから、そのスペックや機能面についてはさまざまなメディアで目にする機会も多かったと思いますし、ファンミーティングでいち早く製品をご覧になった方もいると思いますので、私たちはまず実際にNikon Z 7を手に街に繰り出すことにしました。このカメラを手にすることでどんな画を写しとることができるのか、まずは作例からじっくりとご覧ください。


Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by TA

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by TA

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by TA


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「デジタルカメラ2.0」新たな時代が、ついに始まる。

日本が誇るカメラメーカー、ニコン。現在でも語り継がれる伝説の一眼レフ「Nikon F」が発売されたのは1959年のことでした。コンパクトかつ、速写性に優れ、かつ使いやすいカメラをというコンセプトから設計されたNikon Fは、互換性だけでなく、大口径レンズにも対応できるよう、マウント内径をそれまでのレンジファインダー機から10mmアップした44mmとするFマウントとして誕生。それから間もなく60年が経とうとしている現在でも“不変のFマウント”と呼ばれるニコンFマウントは健在。豊富なレンズラインナップでたくさんの人々を魅了し続けています。ニコンのデジタル一眼レフ最新モデルであるD850は一時期、購入からデリバリーまでに数ヶ月を要するなど大変な人気を博し、数々の賞を受賞しました。一眼レフでのレンズの資産はニコンの宝であり、Dシリーズの各種一眼レフカメラは今後も継続。ZとDの両輪で進んでいくということをニコンのプレゼンテーション時にも明言しています。

デジタルカメラ、とりわけ、レンズの交換できるデジタル一眼レフカメラは、基本的にフィルムという感材をセンサーに置き換え、そのボディや機構は概ねフィルム一眼レフカメラを踏襲したものです。デジタルカメラのセンサーには光をまっすぐに届ける必要があり、フィルムのような寛容さはありません。センサーに求められる要求が高くなり、本来であればフィルムに適したボディに、電気的な情報通信、Wi-Fiから手ブレ補正までを収めていけば、消費電力はケタ違いに大きくなって、ボディ、レンズも大きくならざるを得ませんでした。

2018年。ニコンがついにフルサイズミラーレス機を発表。不変のニコンFマウントではなく、マウント内径を55mmとしたニコンZマウントを新たに採用し、フランジバックは16mm。これらの数字から読み取れることは一体何でしょう?発表されているレンズロードマップには「58mm f/0.95 Noct」もラインナップされています。現代のニッコールレンズに求められるハイスペックな光学性能をもって、開放値F0.95を実現するために、そして、コンパクトになったボディのメリットをスポイルせず、小さく高性能なレンズを生み出すために、55mmというマウント内径、16mmのフランジバックが必要だったのであり、Fマウントでのレンズ開発の苦労のみならず、ニコンがこのZマウントに賭ける思いの強さが伝わってくるはずです。

ミラーレス機のメリット、それは小さく、軽い。ただそれだけで十分に素晴らしいことです。システムが小さく、軽くなれば、これまでなら諦めたはずのレンズをもう一本持って出かけることが可能になります。ですが、それだけではありません。ミラーレス機は、新しい撮影領域へ撮り手を連れていってくれる、至極正統なカメラの進化形態です。フィルムがセンサーに代わり20年あまり。それは“カメラ”というスタイルからカメラを解き放つには必要な時間でした。デジタルである以上、必要かそうでないかと聞かれればミラーは必要ないでしょう。電子ビューファインダーなら拡大表示も可能でピント精度をより高められ、撮影時にほぼ完成した画を見ながらシャッターを切ることができ、ブラックアウトに悩まされることもなく、画面の隅にも配置された測距点でピントを合わせたいと思ったところに合わせることが可能になるのです。

ニコンが一眼レフ製品のDシリーズとミラーレスのZシリーズを並行して続けていくというのは当然のことでしょう。これまで研鑽を重ね、一眼レフは機能的にも画的にもかなりの高みにあります。新しいミラーレス機ではレンズ開発にも時間が必要ですから、レンズラインナップが揃っていないことが唯一といえるウィークポイントです。しかし、Fマウントには膨大なレンズ資産があります。Nikon Z 7の発売と同時にFマウントレンズを装着できるマウントアダプターFTZが発売されますから、まずは、お持ちのFマウントレンズを装着してみませんか? Z 7のEVFを通して数々の名玉の素晴らしさを体感し、その描写性能を生かし切った画を撮る。それだけでも十分にインパクトがあり、エキサイティングな体験ができると思います。

“フルサイズ”のミラーレスシーンに、日本が誇る光学メーカーであるニコンが続き、キヤノンも追随する今年、デジタルカメラはついに「デジタルカメラ2.0」と呼ぶべきネイティブな“デジタル”カメラとして同じフィールドを構成することになります。Nikon Z 7は、一眼レフではたどり着けなかった領域へ、必ずや撮り手のあなたを導いてくれる一台となるでしょう。そして、Dだけでなく、Zという新たな推進力を自ら生み出したニコンの、今後の展開にも期待してください。(Rica)

  • PHOTO YODOBASHIレンズ内径55mm、フランジバックは16mm。大きなマウント径ながら非常に薄く、軽量なボディ。ニコンが生み出したフルサイズミラーレス機は、すべてがデジタルになったZ 7でも"カメラ然"とした風格があります。
  • PHOTO YODOBASHIチルト式の液晶モニターは3.2型。上方向に90度、下に45度可動します。タッチ操作が可能となっていますから、可動式の液晶モニターと併せ、さまざまなアングルからの撮影ができます。
  • PHOTO YODOBASHIボディ上部の右側には有機ELパネルの情報表示と大きめのダイヤルが配置されています。EVFにも396万ドットの有機ELパネルを採用し、0.8倍と大きく美しい表示に感動するはずです。
  • PHOTO YODOBASHIカードスロットはシングルでXQDカードを採用。高画素モデルであるZ 7では高速な読み書きが可能なXQDカードが最適解であることは間違いないでしょう。

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Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by TA

信頼の操作性、感動の豊麗画質

手渡されたのはニコンのフルサイズミラーレス「Nikon Z 7」。気になっている機材を手にしたらそれはそれは嬉しいものです。撮影可能な時間はわずか1日。限られた時間の中で可能な限りZ 7を触ってきました。まず感動したのが操作系です。右手にカメラをホールドしファインダーを覗きます。ファインダーを覗きながら右手の人差し指と親指だけで露出を詰めることができ、AFフォーカスのポイントもダイレクトに素早く意図した場所に動かせる。このダイレクトで時短な操作が何よりも嬉しい。背面液晶で撮影しているときは、タッチパネルでの操作が便利です。露出が表示されているポイントを指でタップするだけで露出やフォーカスといった主な設定が完了してしまいます。ダイレクトに、かつ時短に、という点においてかなり練り込まれているなと思いました。

像面位相差とコントラストをかけあわせたAFも素速く確実。ここまでAFに信頼をおけるなら、EVFでピントを追い込む必要はもはやなさそうです。そしてファインダーを覗きながら仕上がりの画が見え、大口径レンズの薄いピントを容易に追い込めるのもEVFならでは。私はFマウントレンズを何本も所有しているので、アダプター経由で手持ちのレンズをZ 7にマウントさせて撮影に出てみたくなりました。これらのレンズをEVFで覗くことができれば、それだけで素晴らしい。以前D850に対して満点、いやそれ以上のものを感じた私ですが、Z 7もそれは同じで、しっかり作りこまれてるなという印象を持ちました。EVFのタイムラグもほとんどないと言っていいと思います。

より多くの光を取り込めるマウント径に高画素がのった裏面照射CMOSセンサー、そしてローパスフィルターレス。気持ち悪いくらい写ります。高画素で当然色数も多くなりますから、透明のアクリル板に描いた絵を何枚も重ねたようなぎゅっと詰まった感じがたまりません。たとえば風景を撮影した画を見れば、隅々まで解像するその描写力にゾクゾクくるでしょう。また、画像処理エンジンはニュートラルに振れている印象を受けました。ようはピクチャーコントロールや細かな設定で、ユーザー側でどこまでも作り込んでいけるということです。たとえば人を撮影したとすると、しっかりと芯を残しつつも柔らかな印象を与える画作りも可能でした。作り込むという過程において必要な操作も何ひとつ難しいことはありません。時間をかけて画を作り込んでいける楽しみもありそうです。高画素機ということもあって、ブレにはシビアです。ボディーに搭載されている手ブレ補正をノーマルで使ってみた感じは、結構効くな、という印象です。そしてフォーカルプレーンシャッターに加えて電子シャッターも載っているので、レリーズをタイマー設定して電子シャッターを利用すればレリーズ時のブレや機構ブレもない。また電子シャッターのゆがみが気になるときはフォーカルプレーンシャッターにと切り替えも可能。これらのような本当に欲しかった大小さまざまな機能が搭載されていて、“何年もカメラを作ってきたニコンだからこそ”と納得できるフルサイズミラーレス機に仕上がっていると思います。(TA)

( 2018.09.15 )

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ニコンが満を持して発表したファン待望のフルサイズミラーレス「Z7」。ニコン初のカメラ内センサーシフト式VR搭載。こちらは、Zレンズの真価を実感できる、4575万画素の高画素モデル。ニコンが培ってきた技術を新しいシステムに結実させた、珠玉の一台です。

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こちらは、ニコンユーザーの皆さんがすでにお持ちのFマウントレンズを装着可能にするマウントアダプター「FTZ」が付属するキット。まずはボディを手に入れて、Zマウントレンズはじっくり選びたいという方はまずこちらをどうぞ。

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「Z7」にマウントアダプター「FTZ」、さらに「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」が付属する全部盛りキットがこちらです。既存のFマウントレンズも楽しみつつ、新レンズも楽しめる、ファン垂涎のキットとなっております。

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ミラーレスで初めてのニコン!という方もいらっしゃるでしょう。こちらはボディとNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sのキットとなっています。買ったその日から、すぐに撮影を始められますよ!

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高画素モデルは画像のサイズも大きくなりますから、高速書き込み、読み出しが可能なXQDカードの採用は必須。ニコンからもついに純正のXQDカードが発売となります。こちらは大容量120GBタイプです。

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連写をしても書き込みが速いので、高画素機でもストレスなくガンガンシャッターを切り続けることが可能です。こちらは64GBタイプ。XQDカードは堅牢性も高く、安心感があります。

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SDXC UHS-IIメモリーカードにも対応したXQDカードリーダー。USB 3.1 Gen 1対応の高速データ転送が可能ですから、パソコンへの取り込みも素速く、快適です。

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こちらもUSB3.1(Gen 1)対応で、XQDメモリーカードに保存したデータをパソコンに高速転送可能なカードリーダーです。ソニーXQDメモリーカードGシリーズとMシリーズに対応しています。

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