PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Nikon D850 / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2
Vol.1で「カンペキ」という太鼓判が押されて、バトンを受けVol.2のテスト撮影に出かけました。通常のテスト撮影に加えて、D810との比較が今回のミッション。この比較を通じて、D850の進化を定量的/定性的にどこまでお見せできるか。とはいえ許された時間は4日間。そのカンペキを確信するべく、D850の実力を時間の許す限り引き出してみたいと思います。天気やバリエーション、締め切りなどを考えて遠出はあきらめ、今回は東京近辺での撮影。
実際に手に取ると、もはや不満や気になるところは微塵もありません。重さや質感、デザイン、感触。操作系で一点、D810と比べるとMODEボタンとISOボタンが入れ替わっていてISOボタンが右手側になっていました。高感度が良くなったことでシチュエーションに合わせてISO感度を積極的に切り替えて使ってください、というメッセージと受け取りました。それでは写りを見てみましょう。
( Photography & Text : Z II )
期待を超える。
Vol.2ではスペックにはもう触れませんが、やっぱりこういう画を見ると(美しいかどうかは別として)4575万画素すげえ、と思ってしまいます。立体感や湿度、匂いまで感じられそうな、良い意味で気持ちわるいほどの写りです。
ライブビュー時のサイレントモードも試してみました。まったく静かです。どのぐらい静かかというと、この距離で撮っても猫が気づかないぐらい静か。私には分かるんです。これは絶対に気づいてない顔です。この後、ほらちゃんと撮れてるよと画面を見せようとしたら、びっくりして逃げて行きました。ここでやっとカメラの存在に気づいたようです。
連写は秒間7コマ。爆速とまではいきませんがD810より少し増しました。秒間7コマでもじゅうぶん動体の瞬間は狙えますし、書き込みスピードも早いので、撮影リズムが乱されることはありません。
こちらはISO 1600での撮影。拡大してみても粒子感はほとんどなく、滑らかなグラデーションを再現できています。
今回は比較用に編集部員の私物のD810を拝借しました。上がD810、下がD850です。いっせーのせ!で撮ったわけではありませんが、タイムラグはレンズ交換に要する時間+αなので、ほぼ同じ条件と考えてもらっていいと思います。見ての通り色味とクリア感が確実に目で見てわかるレベルで向上しています。
こちらはISO感度の撮り比べ。いずれもISO 12800で上がD810、下がD850です。明らかに画質が上がっていることがわかります。
(サムネイル画像のクリックで大きな画像をご覧いただけます)
ちなみにこちらはD850最高感度のISO 25600です。さすがにノイズ感はありますが、本当にうまく処理されています。「実用」という意味では全くじゅうぶんでしょう。ほぼ暗闇という条件でしたが、F5.6でシャッタースピード1/60秒が切れます。もちろんここに載せたものは三脚を使って撮影していますが、絞り開放なら手持ちでも余裕で撮れちゃいますね。
そして確信へ。
天気がめまぐるしく変わる4日間でしたが、おかげでいろんなシュチュエーションを試せました。画に関してはまさに渋皮が剥けたという印象。発色の幅が広がって同じ色の中に濃淡違いの何種類もの色を描写できているような、つまり深みが出たように感じました。これこそがD850最大の強みで、それを支えているのが裏面照射型CMOSセンサーだということを確信しました。この先、「D810以前」「D850以後」という言い方がされるようになるかもしれない、そんな風に思えるほどの変化だと思います。機能面でもタッチパネルやチルト式液晶、サイレントモードシャッターなど間違いなく現場で役に立つ機能が盛り込まれていて、痒いところに手が届くというより、嬉しいところをくすぐってくれるような、そんな出来ばえに感じました。
今、フルサイズ一眼レフの購入・買い替えを現実的に考えているニコンユーザーが一番気になるのが、このD850でしょう。つまり国内のみならず世界のニコンファンがいっせいに注目していると言ってもよく、その期待度はかなり高いはずですが、その期待を裏切らない、どころか期待を超えてきたD850の完成度を、是非とも実感してもらいたいと思います。
( 2017.09.11 )
待望の高画素機D800シリーズに最新モデルが登場しました。「D850」は、新開発の裏面照射型ニコンFXフォーマットCMOSセンサー、画像処理エンジン「EXPEED 5」を搭載し、前モデルから1000万画素以上アップした有効画素数4575万画素という高画素モデルです。ISO 64~25600の幅広い常用感度域を実現し、最大約9コマ/秒の高速連続撮影も可能。AFはD5と同等の153点のフォーカスポイントを持ち、動体もより正確に捕捉できます。
専用のバッテリーチャージャーを使用し、繰り返し充電して使用できます。Nikonの一眼レフカメラはバッテリーの持ちがよいのですが、スペアのバッテリーはいくつあっても安心です。1回フル充電してしまえばかなり長時間の使用が可能です。
最高約9コマ/秒の高速連続撮影を可能にする、D850対応のマルチパワーバッテリーパックです。マグネシウム合金ボディで、防塵防滴性能を有しています。縦位置にカメラを構える際の操作性の高さはもちろん、カメラ本体の連続撮影速度を向上させてくれますので、動体を撮影される方はぜひどうぞ。
D850では、SDカードだけでなく、XQDカードを使用することが可能です。バッファメモリ解放までの待ち時間が非常に短く、高速な書き込みによってカメラの連写能力を最大限に引き出してくれますから、ストレスなくシャッターを切り続けることができます。お値段は張りますがその価値はありますよ。
58mmという焦点距離と、豊潤なボケ味で独創的に空間を描写する名レンズと呼びたい一本。点像再現性が高く、開放での点光源の描写も独特です。もちろん、ポートレートや風景撮影でも、その個性的な描写が写真をさらに楽しくしてくれるはずです。
ワイド端14mm、テレ端24mmの広角ズームです。開放値はズーム全域F2.8。ワイドレンズながらボケも十分に堪能でき、単焦点と違わぬ高額性能を持つ一本です。スケール感あふれるランドスケープ撮影にぜひどうぞ。