いいカメラが欲しい。コンパクトでも妥協せず、画質にこだわりたい方へ。

各メーカーがそれぞれに技術の粋を集め、市場に送り出した画質や性能に優れたカメラ。「ハイエンド」と称したこのカテゴリは、各メーカーの方向性や個性も顕著で、刺激的なモデルが並びます。カメラに慣れた人や一眼レフ等をお持ちの方なら、欲しくなるコンパクトカメラはおそらくこのカテゴリにあるでしょう。レンズ固定式であることは設計や品質管理においてメリットが多く、同様のスペックであればレンズ交換式を凌駕する描写を得られることもしばしば。レンズ交換式カメラにレンズがつけっぱなしならば、むしろ積極的にハイエンドコンパクトを選ぶのも良い選択です。上位モデルほど「カメラまかせでよく写る」ものですから、これからカメラをはじめる方でも「上級者向けかな?」なんて恐れる必要はありません。とはいえ、性能を優先するために単焦点レンズを搭載する(ズームしない)カメラなども多くありますから、ご自分の使い方に応じたモデルを選ぶことがポイントです。

SONY RX100M4前回のこのコラムでお勧めしていたSONY RX1SONY RX1R。替わらずプッシュしたいところですが、こちらもぜひお勧めしたく今回は人気のSONY RX100M4をご紹介します。RX1同様、SONYの一眼「αシリーズ」で培った高い技術をギュッとコンパクトなボディに詰め込んだカメラです。RX100シリーズ4世代目の本機は、フルサイズ換算24-70mm相当の画角と明るい開放値(F1.8-2.8)という使い勝手の良い標準ズームレンズを搭載。ズーム倍率が控えめだからこそ得られるキリッとした描写を、1インチの大きなセンサーが見事に捉えてくれます。ポップアップ式のEVFなのでボディラインもスッキリ。「日々持ち歩けるサイズ」でありながら「画質面でも、撮る楽しみにおいても妥協したくない」という矛盾した要求を見事に満たしてくれるカメラです。

FUJIFILM X30X100シリーズのポテンシャルをコンパクトにまとめ、2/3インチセンサーとズームレンズを搭載した欲張りなカメラ。フルサイズ換算28-112mm相当のレンズはF2.0-2.8という明るさ。

FUJIFILM X30しっかりとしたリングでマニュアル操作となるズームは快適そのもの。またファインダーに定評のあるXシリーズらしく、EVFは見えの良さに加え的確な情報表示と俊敏な応答性を備え「光学ファインダーを凌ぐ」という謳い文句通りの印象です。そしてコンパクト機であることを忘れてしまうくらいの起動からシャッターを切るまでのキビキビした動作には驚くばかり。"富士フイルム"らしい「フィルムシミュレーション」の充実振りも撮影の楽しみを広げてくれます。

SIGMA dp1 Quattroさて、他とは一線を画すSIGMA dp1 Quattroもご紹介したい逸品です。これまでのフォビオンセンサーからさらに高画素化とレスポンスのバランスを得るためにシグマが出した答えが「Foveon X3 Quattroセンサー」。単純に3層のまま画素数を増やすのではなく、解像感と色情報の取得を分散させることで、データ量の低減を図っています。それでも、3層のレイヤー構造のセンサーから出力される情報量は膨大で、それを処理するためのプロセッサー類は「ハイエンド一眼レフ並み」のスペックが要求されるとか。基板もバッテリーも刷新することで、できるだけ小さなボディにまとめ上げたのがこのカタチ。

カバンに入れっぱなしにするのは難しいかもしれませんが、一台は所有して、いつもとは違う時間の流れを写真に収めたいときに持ち出したい、そう思わせてくれるのがシグマのカメラです。

そしてコンパクトカメラにおいてもハイエンド機と言えばLeicaですよね。いくつも紹介したいとことですが今回はX (Typ 113) を選びました。フルサイズ換算35mm相当の画角にF1.7という明るさのレンズ<SUMMILUX 1:1.7/23 ASPH.>と、APS-Cサイズのセンサーとの組み合わせが生み出す画にはウットリと見入ってしまう魅力があります。そして手に持っているだけでもワクワクさせられるのがLeicaのカメラ。「撮る」ということだけにフォーカスしたシンプルな造りや、ダイヤル類のしっかりとしたフィーリングなど、「持つ悦び」を深く満たしてくれるのです。コンパクトから中判まで、どのサイズを手にしても「Leica」のブランド力とそれを支える技術力、画の素晴らしさは一度味わうと虜になってしまいます。
Leica X

販売終了の機種はこちらをご覧ください »