PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
FUJIFILM GF23mmF4 R LM WR
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
フィルムカメラが主流の時代からプロフェッショナルシーンに向けたカメラシステムを提供してきたFUJIFILM。デジタル時代になって同社が満を持して投入してきたのがGFX50S。そこでリリースしてくる交換レンズは、文句の付けようのない描写であることは想像に難くありません。なにやらスペックを聞くだけでも凄い。レンズエレメントは贅沢三昧で、非球面レンズ2枚、スーパーEDレンズ1枚、EDレンズ3枚。なにせ5000万画素を超えるボディです。倍率色収差を徹底的に封じ込め、ボディ+レンズで圧倒的な高解像力を実現するのが狙いでしょう。18mm相当の画角のため、風景撮影などでも重宝されそうなレンズ。防塵防滴構造とし、低温下での動作を担保している模様です(-10度)。買って間違いのないレンズでしょうし、またそうでなければラインアップに並べてはならないレンズなのだろうと思います。やれやれ、気が重い。ともかくフィールドに持ち出してみましょう。
( Photography & Text : K )
曇り空、そして冬へ
秋も深まれば曇り空そして雨、幾度かそれを繰り返すうちに景色は徐々に色を失い、冬へと季節は流れていきます。写真を撮るには光がない日が多く撮りづらい季節。さて大きなセンサーとその力を使い切るレンズの組み合わせは、どんな画を見せてくれるのだろう。
目が痛いほど写るのは機材を握る前にわかりきったことで、正直なところそこまで写ってくれる必要がないのです。但し書きがつきますが。「一定のレベルならば」と。ダイナミックレンジが細く結果として階調再現も粗いのならば、ぱっと見の映えだけを追ったものであると、眠い景色にはレンズを向けたくないものです。さすがな結果でした。高密度で色数も多く、かつ1画素あたりの物理面積の大きなセンサーと、それに見合うレンズ。現場で見た景色をそっくり持ち帰ったかのような現実感。しかし四隅までまったくといっていいほど破綻がなく、可愛げがないほどに写るレンズです。次は少し街中に持ち出してみましょう。
焦点距離とF値を考えれば、寄らない限りさほどボケ量はありません。ただこれぐらいの画素数と解像力を持つボディで、曖昧さの感じられないレンズを組み合わせると、ピントは1点しかないわけで、それがはっきり明瞭に描かれます。そんなわけでこの奥行き感が表現されるのでしょう。
描写から伝わる躍動感。こちらも開放で撮影。
そして質感。
階調再現力が乏しいと、低照度下のコントラストというものは表現できません。
歪曲がまったくといっていいほどありません。キレも抜群。
腕のリトマス試験紙
なにせよく写るレンズです。当たり前の定義はなんだという話を先にしなければならないのですが、当たり前を当たり前に。先にも記しましたが、目の前の光景をそっくり切り取って帰る、そんな描写力であり、ボディになんとなくレンズをマウントし、ふらふらと撮り歩いて偶然よい画が撮れたなんて、そんな類いのレンズではありません。つまるところ、目的がハッキリした撮影にきっちり結果を出してくれるレンズです。引きの利かないシーンでの撮影、建築撮影、風景撮影などで、佳い仕事をしてくれるレンズであり、その作品に高い品位を与えてくれることでしょう。言うまでもないことですが腕前もきっちり写ります。テストをやるにはしんどいレンズでした。メーカーとしては、思惑通りに仕上がったレンズではないかなと思います。
( 2017.12.08 )
妥協というものが一切感じられない、アルティメイトな1本。必要な方は即決を。
前玉の保護にぜひ。レンズの値段はそれ相応ですから。
バックアップに、レンズ交換の手間を省くために、という方はお早めにもう一台。つ、使ってみたいという方もお早めに!この世界ならではのものがありますよ。