Canon EF70-200mm F4L IS USM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

同じキヤノン純正でF2.8と比べられることが多いこのレンズ、よく言われるのは「開放をF4に落としたことで小さく、軽くなったが、その分の画質も落ちているかというと、まったく遜色が無い」といったところですが、まさにその通り。解像力も十分、収差もきちんと補正されています。また、前機種に手ぶれ補正機構を搭載したことで、一段と使い勝手も良くなっている上に、画質の低下も見られないという、文句の付けどころが無い本レンズ。4段分の補正と謳っていますが、伊達ではありません。通常の手ぶれ補正に加え、縦または横方向を選んで流し取りなどにも使えるモードも搭載。ついつい出番の多くなるズームレンズとなること必至です。

( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )

路面のウエット感、跳ね返る細やかなしぶきの表情をしっかりと捉えています。絞り開放から使っていきたくなる、いい描写です。

ランチタイムが終わってほっと一息ついているところでしょうか。テレ端で、わずかにぼかした背景から、おり皺がかすかに残る白衣をキリリと浮かび上がらせてみました。隆々とした腕から指先の質感まで、目の前に立っているかのようなリアルな撮像です。

ずいぶん低くなった太陽が、土や砂のシルエットを浮かび上がらせました。山それぞれの表情を実にシャープに捉えています。深みを感じさせる発色も印象的です。

日が落ちだすと、急に視界が悪くなったように感じるものです。そんな感覚を表現してみようと露出を切り詰めてみました。ただ黒く落ちるのではなく、壁面や路面の質感のようなものが「はっきりとはしないけれど、確かに見える」という粘り腰の描写によって、ほとんど違和感がないのでしょう。しっかりと解像する力がないと、このようにはいきませんよね。