Voigtlander COLOR-SKOPAR 20mm F3.5 SL II N ASPHERICAL

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

マニュアルフォーカスとなりますが、フォクトレンダーが提供してくれる嬉しい選択肢である超広角単焦点。クッキリ・ハッキリといった全方位に優等生なレンズとは一線を画した趣のあるレンズで、開放で撮影すれば周辺光量不足からストンと落ち込み、「このトンネル効果をどう活かして撮影するか」なんてことを考えつつ、楽しみながら撮影するレンズでしょう。描写傾向は開放からシャープであり、単焦点らしいキレを感じます。色のりが濃厚ということもあり、わりとアンダー目に撮影するとシリアスな面白い画を描いてくれます。日頃の撮影とは少し違う趣を求めたり、いままでにないアプローチを探す人に、こんなレンズに目を向けると新たな世界がそこに拡がったりするかもしれませんね。

( Photography : A.Inden / Text : K )

しっとりとした雨上がりの雰囲気をよく再現できています。雨に濡れた葉の質感表現などは見事。周辺落ちをうまく活用したフレームで、優等生的なレンズであればちょっとアプローチも変わってきます。これを面白いと感じるかどうか、といったところでしょうか。

像のキレはなかなかで、十二分にシャープ。非球面レンズをエレメントの中に入れ込んでいるようですが、これはおそらくレンズのダウンサイジングを目的の中心にチョイスされたのではないでしょうか。実際このコンパクトな鏡銅はありがたいですよね。

姉妹サイト「rangefinder.yodobashi.com」でライカ用のフォクトレンダーレンズ作例を多数掲載していますが、フォクトレンダー・レンズの特長の一つに、この深い青空の再現があげられるでしょう。舞い落ちる落ち葉1枚1枚を捉える解像力も見事です。このあたりのレンズが気になり出すと、その向こう側の世界は広く・深く・魅力もたっぷり。お財布の心配もつきませんが…。