PHOTO YODOBASHI

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SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by TA

SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

シグマからまた面白い製品が登場しました。SIGMA 40mm F1.4 DG HSMはその名の示すとおり焦点距離40mmの単焦点レンズで、開放F値はF1.4という大口径。どうして40mmなのかと言えば、本レンズがそもそもシネ用レンズとして設計されたからです。映像の世界では定番である40mmの焦点距離、同社のSIGMA CINE LENS 40mm T1.5 FFをスチル用に、Artラインへ転用したのが本レンズというわけ。転用と書きましたが、最初からシネ・スチル双方で使う意図で生まれてきたものでしょう。今や6K〜8Kという高解像度撮影を要求され、画面の隅々まで高画質を期待されるのがデジタル映像の世界です。映画館の大きなスクリーンに投影するというようなシーンを思い浮かべるなら、求められる基準がどれほど高いかもご想像いただけるはず。それを満たそうとするレンズが "写らないわけがない" のです。ワクワクしますよね。さあその写りがいかなるものか、確かめに行きましょう。


SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by TA

陰影と戯れる

SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by TA

SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by TA

SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by TA

SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by TA

F1.4の瞳を持った驚愕のレンズ

はじめて手にした時の印象は、40mmとは思えない立派な姿。レフ機にマウントさせ試しに数カット撮影すると、その解像力に舌を巻きました。軽い気持ちで付き合うと火傷するタイプのレンズかもしれない。けれども、人生の節目や、大切なシーンにおいて、なくてはならないレンズになりそうだと感じました。そして、このレンズを日常のシーンに持ち出してみたらどんな描写になるのだろう。という好奇心から、今回は身近なものを拾い集めてみました。

これだけの解像力を有しているレンズですので、ボケの描写は前後どちらかが犠牲になることも少なくないのですが、作例カットをご覧いただいた通り、こちらのレンズは前ボケ・後ろボケともに美しいもので量感たっぷり。シーンを選ばず安心して使えるのも嬉しいです。流石に新しい試みで設計されたレンズだけあり、その性能は目を見張るものがあります。ほんの少しピークを外して甘さを演出したりといった使い方も、この性能があるからこそ出来る遊びなのです。何をさておいても光学性能だけは譲れないというシグマのこだわり。やはりここでも感じました。キレとシャープさにかけては他の追従を許さないシグマ。それだけにとどまらず淀みなくリアルを写しとめる力をも兼ね備えたレンズに仕上がっていました。※2枚目の写真(公園のミスト)をクリックすると原寸大の画像をご覧いただけます。

使って行くうちにボディーバランスやハンドリングの良さからか、重さなど全く気にならなくなっていたのは不思議ですが、ここぞという時に持ち出したくなる。そんなレンズだと思います。(TA)


SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

はれのひ

SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

とっておきの40mm

シグマのArtラインレンズはクオリティ重視ゆえに少々の大きさは致し方なく、むしろ手にした塊の重みに「これはよく写りそうだ」と想像してしまう昨今であります。さてその大吟醸の写りがほしいとすれば、やはり記念写真。運良く娘の七五三の予定が入っていましたので、よしこれだ!とばかりにこの40mm F1.4 DG HSM一本で撮影をしました。ワイドレンズではないけれど標準より少し広い画角で、家族の集合写真には十分でしょうし、明るさを利用して大切な一瞬を印象的に切り抜くこともできそうだ、と思ったわけです。

さてその写りはご覧の通り。想像以上の猛烈なキレと色乗り、ボケの美しさでした。40mmという焦点距離には馴染みがなかったのですが、これがなかなか使い勝手がいい。例えばメイクシーンなどスペースが限られた場所で、近くから撮っても圧迫感が感じられません。集合写真も、このぐらいの人数にはちょうど良い距離で撮影ができました。集合写真だけは少し絞ったF4で撮影していますが、上等な描写性能が見て取れると思います。人生の中で何度かある「とっておきの日」には、やはりこうした「とっておきのレンズ」で写しておきたいものです。 それはきっと家族や友人の「とっておきの写真」になると思います。(Z II)


  • PHOTO YODOBASHIいかがですか。この量感たっぷりのボケ味。アウトフォーカスは美しく滲み被写体のピークを浮き上がらせます。ほんの少しピークを外して甘さを演出したりといった使い方も、性能があるからこそ出来る遊びです。(TA)
  • PHOTO YODOBASHI静かで奥まった部屋に、長くなった光が差し込み陰影が美しい時間でした。そのときの情景、そっくりそのまま切り取ったかのようなリアルな描写に心が踊ります。編み込まれたストールの手触りが伝わってくるかのようです。(TA)
  • PHOTO YODOBASHI集合写真のバリエーション。はい!笑顔で〜!なんて言っても笑ってくれません。いくつか方法はありますが今回は得意の象の鳴き声を披露しました。大成功。(Z II)
  • PHOTO YODOBASHIもともと豪快な女の子ですが、象徴的な一枚が撮れました。それにしても綺麗なボケです。背景の点光源がレモン型になっていますが嫌な感じはありませんね。(Z II)

(サムネイル画像のクリックで大きな画像をご覧いただけます)


SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art

現代レンズの、新たな基準。

デジタルカメラの性能向上が進むとともにレンズもまた進化を求められます。その最先端に目を向けるなら、そこにはやはり実を結んだ結果があります。シネレンズの世界自体を刷新していこうというシグマの意欲的なレンズ、その1本がスチルでも使えるというのだから、私たちは幸福な時代に生きています。現代のレンズ設計者が追求した世界とはどんなものでしょう。「写りすぎても面白くないんだよ」なんていう言葉は、本レンズを使った上で言ってみたい。本当にそういう感想になるのか確かめてみたい。確かめるのは私たちです。もう十分に良く写るレンズを持っているというのにレンズをとっかえひっかえしている私たちです。身銭を切ってレンズを手にして、日々使うからこそ見えてくるものがあると、身をもって知っている私たち。結局レンズを手にするということは、得られる写りや機能の話だけではないのですよね。大切なのは、それが撮影者自身をアップデートさせてくれる体験となるかどうか。本レンズはきっと多くの方にとって新しい基準を見せてくれる1本になります。レンズグルメの御大なら、そもそも無視することは難しい。知らずにはレンズを語れなくなるからです。

( 2018.11.22 )

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もっと高額になるかと思っていました。このぐらいなら欲しい・・・40mmのレンズなら、防湿庫にも空きはありますよね。

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これだけのレンズですから、フィルターも少し奮発して。

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