PHOTO YODOBASHI

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Canon EOS 70D, TAMRON 18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD Model B028, 1/640, F11, ISO 100, Photo by Naz

TAMRON 18-400mm F3.5-6.3 Di II VC HLD Model B028

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

高倍率ズームレンズのパイオニアともいうべきタムロンから、世界初18-400mm (35mm判換算27-600mm相当)の焦点距離域を網羅するAPS-C用高倍率ズームレンズ「18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD (Model B028) 」が発売となりました。光学22.2倍という幅広い撮影領域を持ち、1本で広角から超望遠までをカバーしながらも、レンズ長121.4mm、質量705gと軽量・コンパクト。トレッキングや旅行など荷物を少しでも軽くしたい場面でとても重宝しますし、お子さまのいるお父さん、お母さんにもおすすめです。高倍率ズームレンズは開放値も控えめで、単焦点レンズに比べ、利便性と画質がトレードオフとなってしまう部分もなきにしもあらずですが、本レンズは11群16枚、最新の光学設計に基づいて異常低分散LD (Low Dispersion)レンズや、非球面レンズなどを効果的に配置。色収差や歪曲収差を抑制し、高い描写性能を実現。近年のデジタルカメラでは高感度性能も上がっていますから、1本でさまざまなシーンを撮影でき、携行性が高いというメリットを最大限に生かし、撮影を楽しんで頂きたいと思います。超望遠域を有していますから、被写体を大きく引き寄せ、圧縮効果を利用できるのも大きな魅力。キヤノンEFマウント用の今回のレビューでは、「アーバンな雰囲気のスナップ」をお題にNaz、「夏の日常的な風景、夏の風物詩」をお題にZ IIが撮影を行いました。さっそく作例をご覧になって頂きましょう。


Canon EOS 70D, TAMRON 18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD Model B028, 1/5000, F8, ISO 100, Photo by Naz

梅雨晴れの光を探して

Canon EOS 70D, TAMRON 18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD Model B028, 1/1600, F4.5, ISO 100, Photo by Naz

Canon EOS 70D, TAMRON 18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD Model B028, 1/250, F5.6, ISO 100, Photo by Naz

Canon EOS 70D, TAMRON 18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD Model B028, 1/200, F5, ISO 100, Photo by Naz

Canon EOS 70D, TAMRON 18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD Model B028, 1/4000, F8, ISO 400, Photo by Naz

テレ端がぐーんと伸びる標準ズームと思えばいい

今回は「都会的なスナップ」というお題でしたので、梅雨明け間近の東京、主に千代田区、中央区、港区あたりを撮り歩いてみました。フルサイズ換算28.8〜640mm相当という、一眼レフ用交換レンズとしてはこれまでにないズーム倍率。実際のところは、ストリートスナップでテレ端付近の超望遠域を使うシーンは限られ、使えたとしても気をつけないとほとんど盗撮になってしまいそうなところではありますが、ワイド端は標準ズームと同じ28mmスタートですから、いざとなればテレ端がぐーんと伸びる(やや大柄な)標準ズームレンズと考えればいいわけです。

よくある組み合わせでは、標準ズームの24-70mmと望遠ズームの70-300mmあたりを使い分けるところですが、このレンズならばそれが1本。しかもテレ端は更に欲張れるわけです。日常を切り取る1枚から、望遠や超望遠レンズが求められる飛行機、野鳥撮影までもレンズ交換なしにシームレスに切り替えて楽しめる。そう捉えてみると、使いでのあるなかなか面白いレンズではないでしょうか。しかも本レンズは、超望遠としては軽量かつコンパクト。タムロン自慢の強力な手ブレ補正もありますから、まさに超望遠の入り口を存分に楽しませてくれる1本に仕上がっていると思います。(Naz)


Canon EOS 70D, TAMRON 18-400mm F3.5-6.3 Di II VC HLD Model B028, 1/1600, F5.6, ISO 100, Photo by Z II

パパ! ちゃんと撮れてる?

Canon EOS 70D, TAMRON 18-400mm F3.5-6.3 Di II VC HLD Model B028, 1/1000, F6.3, ISO 320, Photo by Z II

Canon EOS 70D, TAMRON 18-400mm F3.5-6.3 Di II VC HLD Model B028, 1/1250, F7.1, ISO 800, Photo by Z II

Canon EOS 70D, TAMRON 18-400mm F3.5-6.3 Di II VC HLD Model B028, 1/1000, F7.1, ISO 320, Photo by Z II

Canon EOS 70D, TAMRON 18-400mm F3.5-6.3 Di II VC HLD Model B028, 1/2000, F5.6, ISO 1000, Photo by Z II

究極の“パパレンズ”

日頃パパが活躍する場といえば、固いビンのふたを開けるだとか、高いところの電球を取り替えるくらいなものですが、唯一とまでは言わないまでもパパが大活躍できる機会といえば家族の記録写真を一眼レフカメラで撮るときではないでしょうか。今回紹介するTAMRON 18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD Model B028は、世の一眼レフパパが少し頑張れば買える価格でありながら、35mm換算で28.8mmから640mmという世界初の圧倒的なズーム域、手ブレ補正機能も盛り込んだ、まさに究極のパパレンズと呼ぶにふさわしい1本です。このレンズをつけて撮影すれば、ママも子どもたちもきっと笑顔になることでしょう。

今回は、パパが家族や友人たちに「ほら! ちゃんと写ってるでしょ!」と得意げになれることを想像しながら撮りました。特に気を使ったのはやはり手ブレです。いかに強力な手ブレ補正が搭載されていても、テレ端は換算640mmですので限度がありますし、被写体が動いていたら結局ブレてしまいます。いろいろ試した結果、カメラ側の撮影モードをシャッタースピード優先にし、感度はISOオート、AFはAI SERVOに設定して、被写体の動き、シーンに応じてシャッタースピードは1/200〜1/2000秒の間を行き来しながら撮影することにしました。このやり方なら動いている被写体でもかなりの確率でブレなく撮れます。とにかく写っていることが最優先ですので、キレがどうだボケがどうのとかは成り行きに任せました。そんなこと言ってるうちにチャンスを逃してしまっては、パパ! ちゃんと撮ってよ!と叱られてしまいますのでね。(Z II)


  • PHOTO YODOBASHI画角に関していえば恐ろしく欲張ったレンズですから、倍率の低いズームレンズや単焦点レンズに比べれば、光学的に多少のゆるさを感じてしまうこともあるでしょう。こちらはワイド端で撮影したものですが、湿度を感じるなかなか艶のある写りをするなあと感心した1枚。
  • PHOTO YODOBASHI超望遠らしい世界を試してみたくて東京ゲートブリッジの橋上から羽田空港へランディングする飛行機を狙ってみました。湿度の高い夏の日ですから、飛行機を含め遠くの景色はご覧の通り霞んでいます。撮影場所から羽田空港までは直線にして約6km、飛行機はもう少し手前にいますが、ズームリングをテレ端までぐるっと回せばそんな遥か遠くの光景をも撮影できる(しかも気軽に!)楽しさは、こういう手ブレ補正がついた高倍率ズームレンズだからこそ味わえるもの。
  • PHOTO YODOBASHI話題のスポットに家族で行ってきました。家族を写しこむ写真ももちろん撮りますが、こういったイキイキとした写真は後で見返したときに、飛ぶように泳ぐペンギンの動く様子やそのときの音、真夏の暑さなども蘇ってくるのではないでしょうか。
  • PHOTO YODOBASHIうだるような暑さの中、動物園のシロクマが水浴びをしているシーンに遭遇しました。お客さんはみんな喜んで水中のシーンを見に移動しましたが、筆者はこのあと必ず水飛ばしをするだろうと炎天下の中じっと待ちました。そしてついに来ました。シロクマの水飛ばしは大迫力。焦点域はおよそズームの中間ほどで、もっとズームアップもできるのですが、背景の男の子の表情を写し込むようズームリングを回し、フレーミングしました。これこそがズームレンズのメリットですね。

※橋の上から撮影したため、映像に揺れがあります


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18mmから400mmまでを無段階にコントロールできる快感

本レンズはAF駆動に「HLD (High/Low torque-modulated Drive)」が採用されています。このHLDによりスムーズな駆動だけでなく省電力も実現。静粛、正確なピント合わせが可能です。また、モーターが小型化できるため、レンズの小型化にも貢献しているんです。現在ではボディ、レンズともに手ブレ補正機構を内蔵するモデルが増えていますが、タムロンの手ブレ補正機構「VC」は“止まります”。ファインダーを覗き、ピントを合わせればピタっと像が止まっていることに驚きすら感じるでしょう。特に超望遠域での撮影や、暗いところでの撮影にはファインダー像が安定するVCの高い補正効果がフレーミングのしやすさ、シャープな描写に貢献してくれます。1992年のModel71Dから始まるタムロン高倍率ズームレンズは、ただ倍率を上げるだけでなく、描写性能を高め、最短撮影距離もより短く、新しいレンズを発表するごとに性能を高めています。本レンズも例外ではなく、最短撮影距離はズーム全域で0.45m。最大撮影倍率も1:2.9とテレマクロ的な使い方も可能です。広角から超望遠まで幅広い焦点距離域を使用できるというだけでなく、寄っても、引いても撮影でき、画質も十分。そして、ズームレンズすべてに当てはまる大事なポイントは、18-400mmという焦点距離域を“無段階”に往来できること。目の前にある広々とした景色、そして遠くにあって手の届かない被写体も、その場に立ってズームリングを回すことで自在にフレーミングでき、ほんの1mm、2mmという微妙な画角のコントロールが手元でできてしまうのです。この自由度には快感すら覚えます。フレームに収めたくないものを避けるという使い方だけでなく、ほんの数ミリのコントロールで画作りは変わります。そこがズームレンズの使いこなしの肝となるわけです。さぁ、どうぞ遠慮なくズームリングを回し、その魅力をご堪能ください。

( 2017.07.20 )

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35mm判換算で600mm相当の画角となる超望遠撮影を可能とする18-400mm、光学22.2倍のズーム倍率を持つ超望遠高倍率ズームレンズです。レンズ交換なしで広角から超望遠までを1本で撮影でき、スケール感あるランドスケープから、人物、動物、さらに超望遠ならではの圧縮効果も堪能できる、まさにオールラウンダーと呼びたいレンズです。

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PCから専用のソフトウェアTAMRON TAP-in Utilityを操作し、対応レンズのファームウェアアップデートや各種のカスタマイズが行えます。対応するタムロンレンズのピント調整ほか、諸設定を変更できるので、各ユーザーごとに使いやすいレンズとなるよう使い方に合わせたカスタマイズをすることができます。

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