PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035

TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

キヤノンEFマウント対応の望遠ズームレンズ「TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035」をご紹介します。フルサイズ対応でズーム倍率が4倍となる、使い勝手のいい焦点距離域をカバーした望遠ズームレンズです。しかもテレ端が400mmまで伸びるレンズとしては軽量かつコンパクト。取り回しのいいレンズに仕上がっています。価格も非常にリーズナブルですから、初めての望遠ズームレンズとしておすすめ。もちろん飛行機や鉄道などの趣味の撮影から、お子さんの運動会や旅先等でのスナップ撮影まで様々なシーンで活躍してくれる1本となるでしょう。

簡単にスペックについて頭に入れておきましょう。異常低分散レンズを3枚使用した11群17枚という複雑な構成ながらも、独自のeBANDコーティングを採用しヌケの良さが自慢です。また、4段分にもなる手ブレ補正機構を搭載し、AF駆動には静かかつ高トルクなリングタイプの超音波モーターを採用。制御システムと手ブレ補正の処理を分けた「デュアルMPUシステム」を搭載するなど、ハイエンドレンズに迫る贅沢さを誇ります。最前面には防汚コートが施され、簡易防滴構造も採用するなど、写りのよさだけでなく使い勝手にも拘りが感じられます。

今回のレビューでは、担当カメラマンに動物たちのポートレートと初めての飛行機撮影を行ってもらいました。ではご覧ください。


Canon EOS 5D Mark III, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035

モフモフ・フカフカ。

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035

超望遠ズームのダークホース。

TAMRON。私にとってこのブランドネームは非常に信頼性の高いものです。これまでPHOTO YODOBASHIでもさまざまなTAMRONのレンズをレビューしてきましたが、いずれもバシっと手ブレ補正が効き、ナチュラルで嫌味のない描写で心を満たしてくれました。今回は100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035という望遠域のズームレンズ。長い間300mm以上の望遠レンズが欲しいと思いながらも未だ購入に至っていない私は、ぜひ撮ってみたいとレビューを買って出た次第です。超望遠域400mmを含む本レンズでまず撮りたかったのは動物。もちろん、ネイチャー系のプロカメラマンのように野生動物を撮影することは難しいですが、幼いころから慣れ親しんだ動物公園の動物たちを撮ろうと心に決めていました。数え切れないほど足を運んでいる場所なのですが、普段はある程度の距離からしか動物たちを見ることはできません。でも、100-400mmという焦点距離域を持つレンズをカメラに装着すれば、ググっと動物たちに迫ることができます。鹿やラマ、小さなリス、大好きなペンギンにフラミンゴ。シャッターを押す前にこのレンズを通してじっくりと観察して楽しみました。ちょっとした拡大鏡代わりです。描写はご覧の通り。硬すぎず、線も太すぎず、とても自然です。動物たちのモフモフ、フカフカとした毛、キラリと光るガラス玉のような目、水をはじく羽など、毛の硬さの違いなども含め、その質感の描き分けはとても素直で豊かな写りではないでしょうか。ピントピークのシャープさもなかなかのもので、望遠レンズならではの芳醇なボケとのマッチングにより見せたいところに自然に視線を誘導してくれます。また、望遠レンズというのは自分の撮りたいものだけにフォーカスすることができるので、撮った写真を見たとき非常に気分がアガるものです。これも写真を撮る上でとても大事なポイントだと思うんですよね。あがりを見てガッカリし続けるより、たとえ錯覚でもなんだかうまくなったような気持ちになれたら、また撮ろうという気持ちになりますから。(Rica)


Canon EOS 5D Mark III, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035

憧れの飛行機撮影

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD Model A035

タムロンの手ブレ補正はパーフェクト!

次のお題は「飛行機」。飛行機は乗るよりも見る方が好きなので、空港にはよく遊びに行きます。各ターミナルでおいしいものを食べ歩いたり、旅にも出ていないのにお土産を買ったり。もちろん、展望デッキで飛行機の離着陸を眺めるのがいちばんの目的。何時間でも飽きずに見ています。普段は超望遠レンズを持っていないので、標準域のレンズでなんとなくスナップを楽しむ程度なのですが、今回は絶対に飛行機が撮りたい!という明確な意思を持って空港や飛行機が近くを通る場所に出かけました。実は、超望遠ズームで飛行機を撮影するのは初めてなので、何をどうしたらいいのか分からないことだらけ。とにかく、動いているものなのでシャッタースピード優先での撮影に切り替え、見よう見まねでトライしてみました。飛行機の外装がヌルりと光る感じも、しっかりと再現してくれています。ほぼ終日空を見上げる状態での撮影となるため、すべてのカットを三脚なしの手持ちで撮影しましたが、この焦点距離域のズームレンズとしては1,135gと比較的軽量で想像していたよりラクに取り回すことができました。また、最高で最強の手ブレ補正がバッチリ効いてくれ、非力な私が腕をプルプルさせながら日陰で撮影してもブレを心配する必要がないので、気付けば初めての飛行機撮影に夢中になり撮ることだけに集中していました。AFもピピっと素速く正確。そして本当に静かなので、ピント合わせをしているのかどうか屋外だと分からないほどでした。ピントを合わせたいところにスっと合焦した後はファインダー像がしっかり止まっているので、動いている飛行機を撮影する際にも安心してシャッターを切ることができます。ここが、私がタムロンを愛する最高のポイントであり、全幅の信頼を置いています。100-400mmというズーム域は、空港では駐機している飛行機に思い切り寄ることができ、離着陸する飛行機を撮影することもできます。また、400mmあれば飛び立った後の飛行機を追尾して撮影が可能ですから、さまざまな飛行機の姿を撮ることができ、本当に楽しい撮影でした。重すぎず、よく写り、しかも財布にも優しい。控えめに言って最高です。次はモータースポーツの撮影にもチャレンジしてみたい! 正直言って、お値段以上の価値のある一本だと思いますよ。(Rica)


  • PHOTO YODOBASHI
    幼いころから、この動物公園にいるフラミンゴたちが本当に大好きです。時間帯によるのですが、こうして眠る直前の姿を見ることもできます。羽の質感、そして小さな目もしっかりと描き分けてくれました。金網越しで、背景が木の葉や土などフラットではないためボケがざわついていますが、これはこれでクラシカルな雰囲気になってよかった気がします。
  • PHOTO YODOBASHI
    鹿はかなりの数が飼育されているので、いろいろな表情をファインダー越しに追いかけながら撮影しました。すると、撮ろうとしていた鹿の隣にもう一頭が不意に入ってきました。急なことであわててシャッターを切ったため、若干ブレているのですが、金網に反射した光がキレイな玉ボケになってくれ、このカットに素敵な彩りを添えてくれました。
  • PHOTO YODOBASHI
    この双発のビジネスジェット的な飛行機はなんだろう…ガルフストリーム?と思いつつ撮影しました。飛行機は後ろ姿もかっこいいものですよね。真っ青な空に溶けていく真っ白な飛行機を撮影していると、なんともいい気分になります。グっと寄っても、こうして引いても絵になる数少ない被写体ではないでしょうか。
  • PHOTO YODOBASHI
    テレ端400mmで遠くで離陸した飛行機を撮ってみました。空も若干霞んでいたため400mmでの超遠景撮影は少し甘い描写になりますが、大きく空を入れ飛行機をフレーミングした風景写真というのもまた一興。飛行機を撮る際には写真の基本的なこと(空模様や光の向き)が普段以上に大切になってくるものだなと学びました。

(サムネイル画像のクリックで大きな画像をご覧いただけます)


PHOTO YODOBASHI

プライスを考えれば破格の写り。入門用ではもったいない。

いかがでしたでしょうか。想像以上にキレのある描写、驚きました。頭に入れていたスペックからして期待できるレンズとは思ってはいましたが、プライスを考えれば「そうはいっても、まあこんなものだろう」と勝手にイメージしているんですね。それを大きく裏切られました。少し硬さのある描写に感じましたが、全体的に見れば非常に優秀。リアリティある力強い描写はこのレンズの優れたところだと言っていいでしょう。背景のボケ味は被写体との距離によっては少し煩く感じることもありましたが、しっかりと距離を撮ればさすが超望遠といった溶けるボケも存分に味わえます。前ボケもいいですね。また飛行機のような動きの速い被写体にもしっかりと追従する速いAFに安定した手持ち撮影が行える手ブレ補正により、フットワークのよいパートナーとなってくれるでしょう。

レンズ単体の重量は1,135g、撮影に使用したEOS 5D Mark IIIと組み合わせると約2kgという400mmまで届くレンズとしては軽量な仕上がり。フードを外せば全長は199mmと普段お使いのカメラバッグにもしっかり収められます。またズーミングでも鏡胴の伸びは7cm程度ですから、手持ちでの重量バランスの変化も気にならないレベルに抑えられ、振り回すのが実に楽しい1本だと思います。望遠域のズームレンズとして比較検討される方が多いであろう、70-200mmや70-300mmよりぐっと長い焦点距離を持ちながら、150-600mmよりだいぶコンパクトで、70-300mmよりひとまわり大きい程度にまとめられていますから、実に使い勝手のいい1本になっていると思います。

このテキストの下にあるお値段をご覧いただければおわかりの通り、このプライスからしたら破格の写り、価格帯から「超望遠レンズの入門用」と思ってしまってはもったいない。普段から撮影を楽しまれている中・上級者の方こそ、このレンズのパフォーマンスの高さを実感していただけるのではないかと思います。本レンズはフルサイズ対応ですが、APS-Cカメラをお使いの方なら、160-640mm相当としてお使いいただけますので、将来のフルサイズへの移行も踏まえつつお選びいただくのもよいのではないかと思います。

( 2018.02.19 )

Loading..
Loading..

この写りがこのプライスで手に入るのが嬉しいですよね。ゴールドポイントお持ちの方はさらにお手頃です(羨ましい)。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

専用の三脚座は別売となっています。三脚に据える時だけでなく、レンズを構えたままズーミングやフォーカシングを頻繁に使う方は、三脚座があった方が構えやすい方もいらっしゃると思います。そして見た目もカッコイイ!

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..