PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SIGMA 4.5mm F2.8 EX DC CIRCULAR FISHEYE HSM
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
APS-Cサイズ向けの円周魚眼レンズ。ソニー純正のラインナップには円周魚眼レンズがないため、こちらのレンズの存在は貴重なものとなっています。それにしてもガツンとインパクトある独特の描写。一般的な写真というイメージとは異なる、まるい撮像ですが、レンズを通した視界であるということをすごく意識させられるから不思議です。ここまでぐにゅっとやられると、もうトイカメラのノリですよね。しかし結ぶ像はキリッとクリアで、開放値は明るいF2.8。目の前の光景を丸呑みしてしまう広い視界ですから屋外での使用時は太陽が入りやすいので、スーパーマルチレイヤーコートを施しフレアやゴーストの発生を軽減しています。ギミックフルな表現についつい目が行きがちですが、光学系に妥協のない描写力。これはもう本気で遊ぶしかありません。きっと、はまるはずですよ(笑)。
( Photography : M.Ito / Text : KIMURAX )
下に大きく膨らんだ人の影が、笑った口の形みたいですよね。実はこのカットを撮る前は、ガード下の閉鎖的な空間をぐるりと写し込んだら面白いかなぁ、くらいに軽く考えていたのですが。その場で実際にレンズを向けてみることで、こんな風に見えるんだ!という発見も多々あるものですからホント楽しいものです。魚の瞳でどんどん歩き回ってみましょう。
空間を丸ごと撮るのはお手のもの。絞り開放では周辺の画質が少々甘く、光量も落ちますが、もし気になるようであれば絞っていくと改善していきます。今回は天井の四隅が若干暗くなっているので、それに合わせるようにあえて光量落ちを活かしてみました。いい感じですよね。
動物のオブジェが無造作に並んでいる公園にて。カメラを上向きに配置して、自分自身が写り込まないように気をつけながらシャッターを切りました。円周魚眼効果で、動物たちがぐるっと取り囲んだような画になりました。円周上を闊歩する動物たち。サファリパーク、一丁上がりです。
中央のビルから、にゅ~っと繰り出された曲線みたいです。ステンレスの手すりを少しだけ入れたことで、レールのように見えるのも面白いですよね。どんな具合に歪んでくれるかなと想像しながらの被写体探しは、ついつい夢中になってしまうものです。そして実際に構えてからも、あれこれと工夫ができるレンズですから、これ1本でどっぷりと1日過ごしてみると、頭も随分と柔らかくなるのでは?!乞うご期待。
APS-C用の円周魚眼、貴重です。