PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO HSM
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
できるだけ身軽に済ませたい旅行や遠出の時などに重宝するズームレンズ。カバーする焦点域が広いに越したことはありませんが、できるだけいい画で残したいという思いとは裏腹な関係にあります。コンパクトな鏡胴で高倍率化をするほどに、光学系への負担も大きくなるからです。そこで本レンズは、特殊低分散ガラスをはじめ、非球面/両面非球面レンズを贅沢に組むことで、ズーム全域に渡り良好な描写をしっかりキープ。しかもコンパクトながらズーム倍率は約13.8倍というのですから、実に頼もしいばかりです。広角27mmから375mmの望遠撮影まで(いずれも35mm判換算での相当画角)をシームレスにこなせてしまうのですから、ついついシャッターを切る回数が増えることでしょう。せっかくいっしょに連れ出すレンズですから、気持ちよく楽しく撮れるものを選びたいですよね。
( Photography : M.Ito / Text : KIMURAX )
まずはテレ端でぐいっと引き寄せた画から。高倍率ズームながら、なかなかなしっかりとした描写を見せてくれます。F11まで絞ってみましたが、切れっ切れの撮像とまではいかないものの、決してユルくはありません。実用性は申し分なし。対象物をいつでもスパッと切り取ることが出来るのは痛快です。
じゃんけん大会?いえ、いえ、野外ステージのライヴからの1コマです(笑)。270mmに相当する画角での撮影ですが、まだまだ切り取り感が強いですね。故に写り込んでいない周りの様子を、見る側に想像させてくれるのですよね。どんな景色が見えてきましたか?
お休みの日の学生食堂。カラフルな椅子たちがじっとしているだけでも画になります。色味ひとつで食欲が湧いてくるように、私たちの身の回りには彩りが欠かせませんからね。ガラスはガラスでも、網入りガラス越しの撮影ですが、静まり返った空間を収めることができました。色乗りよし、背もたれの艶感もしっかりと再現されています。シャドーエリアもじっと見つめていると、目が慣れてくれば見えてきそうな感覚になりますよね。階調がきちんと表現されているからでしょう。
ぐいっと被写体に寄ればこのとおり。最短撮影距離はズーム全域で35cmとなっています。
遠く離れたところにも、手元の操作だけでスッと被写体にアクセスできるのはいいですね。テレ端ですがよく写ります。画面中央の、手すりにとまった鳩の瞳が、しっかりと見えてきそうな解像感です。
ワイド端でのスケール感が効いていますね。漢字にカタカナ、アルファベット。きっちりと写し込んでいます。
本格的なテレマクロ撮影にも対応しています。緻密に描き出した稲穂のディテールを、さらに際出させるボケ。高倍率ズームということを考えれば、十分なボケ量だと思うのです。
かなり距離はあるものの、波の隆起がよくわかる見事な描写です。ワイド端18mmの画としては、歪曲もかなりよく抑えられています。
( 2014.11.07 )
コンパクトでリーズナブルなレンズですが、フルサイズ換算27-375mmと常用域を超えてカバーするスーパーレンズ。荷物を減らしたい時には最高ですね。
プロテクトフィルターはスタイリッシュな薄枠タイプをどうぞ。