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SIGMA fp, 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary

今回レビューをお届けするのは「SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary」。35mm判換算で85mm相当の画角となるAPS-C用中望遠レンズです。最大径66.5mm、全長57.5mm、そして重さはわずか285g。開放値F1.4の中望遠レンズと考えると、極めて軽量でコンパクトなレンズに仕上がっています。中望遠の画角は撮り手が印象的に感じた要素のみを抽出することができ、浅い被写界深度によって画面の整理もしやすい。また被写体から適度に距離を保つことができます。適度に距離を保てるということは、そこに時間軸さえも写し込むことができるかもしれない。こんなことから、ポートレートのみならず、広い用途で、標準域の画角とはまた違った面白さを感じられると思います。その辺りを含め、その写りや使い勝手を見ていきましょう。

( Photography & Text : TA )

SIGMA fp, 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

まずはスナップ撮影に持ち出してみました。スケーターがスケートボードからスルッと降りたかと思ったら、ひょいとそのボードを手にした瞬間。 慌ててシャッターを切ったのですが意図したところにしっかりピントを置くことができました。動きの早い被写体も撮り漏らさず捉えられることが多かったです。システムとしての機動性の高さ、fpとの相性の良さを感じました。

SIGMA fp, 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

被写界深度は極薄。ですが、ばっちり合った時のピント面のシャープさは目をみはるものがあります。シャツとジャケット生地の織りの違い、そして仕立ての良さまでわかる写りです。

SIGMA fp, 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

ピントを端の方に置いてみる。こういった遊びも楽しいのです。

SIGMA fp, 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

都会を表現するにしても硬質になりすぎない写り。しかしながら被写体のメインとなる部分はしっかり描くと同時に、被写体を前面に押し出す力強ささえも感じる立体感のある描写です。都会でのポートレート撮影にも威力を発揮してくれそうです。

SIGMA fp, 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

光の条件を変えて一枚。輪郭が丸く優美なボケ味。アウトフォーカスになった部分にも量感が伴っています。このレンズでポートレート撮影すると楽しいだろうなと感じたカットです。エッジに気になるような色の滲みもなく、撮影条件を選ばないといった扱いやすさも。


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中望遠大口径レンズとしてはかなりコンパクトなフルサイズ用 SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art(Lマウント)も、本レンズと並べてみると親子ほどの大きさの違いがあります。本レンズはAPS-C用になりますが、気軽に振り回せる中望遠の第一の選択肢として、このコンパクトネスは大いにアリではないでしょうか。


SIGMA fp, 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

開放での撮影が続いたのでF8まで絞ってみました。撮影画像を拡大してみても、一体どこまで写っているんだ?と思うほどのシグマの解像力は本レンズにおいても例に漏れずといった印象。DCクロップでボディの画素数は900万画素程度になりますが、必要にして十分の写りでしょう。

SIGMA fp, 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

最短撮影距離は50cm。意外と寄れます。近接付近・開放でのカットですが、流石は単焦点といった写りで終始安定した描写を得ることができます。被写体から距離を置くことも、また近づくこともできるので、本当に使い勝手が良いです。パースを嫌う撮影も難なくこなしますよ。

SIGMA fp, 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

かなりイージーに撮影した一枚です。85mm相当の画角の切り取り感が面白く、また大きなボケが気持ち良いので、つい。

SIGMA fp, 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

ボケ味の参考に。


SIGMA fp, 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

SIGMA fp, 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

SIGMA fp, 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

上の2枚は、完全に陽が落ちてしまう直前、残照の乏しい光の中で撮影したカット。コントラストは若干低下しますが、抜けの良さは変わらず。あらためて本レンズのポテンシャルの高さを感じたカットです。


SIGMA fp, 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

気軽に振り回せる大口径中望遠レンズ

優美なボケに、必要十分のシャープネス。被写体を前面に押し出すような力強ささえも感じる立体感のある描写と、写りに関しては申し分なし。おまけに大口径中望遠としては破格とも言えるコンパクトネスを兼ね備え、コスト面でもとてもフレンドリーな一本。ポートレート撮影のみならず、スナップに日常の撮影にと使わない手はないと強く思いました。冒頭に記した通り中望遠の画角はなかなか面白く、使い道も多岐にわたります。普段85mmは使わないのだけど、、という方にとっても、入門者にも、とっつきやすいレンズではないかと思います。気軽に振り回せる大口径中望遠レンズ。おすすめです。 さて、本レビューでシグマのContemporaryラインから同時にリリースされた16mm30mm、56mm(Lマウント用)のDC DNシリーズ、全てのご紹介が終了しました。それぞれフルサイズ換算で24mm、45mm、85mm相当の画角にあたり、開放値はいずれも大口径のF1.4。この3本があれば、システムとしてほとんど完成するといっても過言ではありません。いずれのレンズもコンパクト・軽量でありながら高い描写性能を持ち、SIGMA fp との性能面での相性や、ボディバランスも良好。この3本のDC DNシリーズを使わない手はないと思います。普段あまり使用しない画角を色々と試せる、入門的なレンズとしても良いかもしれません。3本まとめて持ち歩いても、さほど嵩張りませんよ。是非。

( 2020.11.06 )

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