PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SIGMA fp, 30mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary

シグマのContemporaryラインからLマウント用DC DNレンズ3本が同時リリースされました。DC DN の「DC」はAPS-Cサイズ相当のイメージサークルに合わせて設計されたレンズを意味し、ミラーレスカメラのショートフランジバックに最適な設計が行われた製品として「DN」が記されています。今回レビューをお届けするのは「SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary」。本レンズは、先日フォトヨドバシのレビューでご紹介した「SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art」と同様、レンズの光学補正だけでなくカメラボディの補正を有効に利用しています。それにより、高い描写性能を有した軽量コンパクトなレンズに仕上がっています。フルサイズ換算で45mm相当の標準域の画角は、望遠的にも広角的にも使える万能さがあり、そしてなんと言ってもF1.4という開放F値。明るいレンズはそれだけで日常に彩りを添えてくれそうです。使い勝手を含め、じっくりとその写りの方も見ていきましょう。

( Photography & Text : TA )

SIGMA fp, 30mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

どうフレームしても、直線を真っ直ぐ描く気持ちの良い写りをします。開放から十分にシャープですが、1段絞りこむと画面全体が切れるかのような解像力を見せます。以降絞り込んでも描写の傾向は変わらず。開放付近の描写との描きわけが楽しめるレンズと思います。

SIGMA fp, 30mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

広角感を演出したかったので振り回して縦位置で構えてみました。標準域の画角は広角的に使っても広角のようなパースがつきません。一方で望遠のような圧縮感も出ないので、その両方を演じられる万能さがあります。標準域の画角はやはり使っていて面白いですね。

SIGMA fp, 30mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA


SIGMA fp, 30mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

茂みの中にカメラを持った手を滑り込ませ、レンズ先端を上向きに振る。引くのではなく、あえて踏み込むことで広角レンズのような広がりを持たせたような遊びができるのも標準域の画角ならではの面白さかもしれません。コンパクトなシステムなので、コンデジを扱っているかのごとくカジュアルな撮影が可能。ややこしい被写体なうえに、大胆に光を入れるといった無茶振りをしましたが、目を三角にして粗探しをすれば色収差があるかなあという程度。その色収差も高い次元で抑えられている印象です。ボケもざわついたりせず、終始なだらかなボケが得られます。

SIGMA fp, 30mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

ミッドレンジからハイエストライトまでのトーンの連なりも自然で好感が持てます。もう少しカツカツになるかと思っていたのですが。ボディのポテンシャルを最大限引き出せるレンズの性能があってこその描写でしょう。

SIGMA fp, 30mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

ボケ味が美しい大口径レンズですので、かたっぱしから絞りを開け被写体に寄り切った撮影がしたくなります。フラットで乏しい光の下での撮影でしたが、抜けとコントラストのバランスがよいですね。ピント面はシャープですが、どことなくしっとりとした柔らかさを感じる写りです。

SIGMA fp, 30mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

標準域の画角は素直なパースのつきかたをするので日常のワンシーンを切り取るのにもうってつけです。特にこういったテーブルフォトなどで扱いやすさを感じられると思います。ピント面は繊細に結像し、質感を克明に再現しています。

SIGMA fp, 30mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

カジュアルに扱えるシステムは、こういった撮影もお手のものです。右手でカメラを持ち左手を撮るという自作自演劇場、いや自撮りも。それにしてもピント面はシャープで、前後に量感を伴ったボケが美しい。


SIGMA fp, 30mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

SIGMA fp のDCクロップモードを「切」にしてフルサイズで撮影してみました。(焦点距離そのものの30mmの画角になります。)本レンズはAPS-Cのイメージサークルに合わせて設計されたレンズ(DC)ですので、フルサイズで撮影すると四隅がケラレます。ですが絞り開放での撮影は、周辺部ががつんと落ちる対称型広角レンズのような光量落ちのように見えなくもない。私的には面白くてアリと思うのですが、このような遊びもできます。

SIGMA fp, 30mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by TA

今度はDCクロップモード「切」のまま、アスペクト比率は1:1を選択。四隅のケラレはクロップされ、なんら遜色のない写りになります。DCクロップをしないでスクエアクロップ前提であれば、普通に焦点距離30mmのレンズとして使えるということですね。SIGMA fpには他にも16:9(ワイド)や、映画でよく使われる21:9(シネマスコープ)の比率も用意されているので、機会がありましたら是非色々と試してみてください。


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コンパクトながら至極の写り。日常に彩りを添えてくれる大口径単焦点標準レンズ

PHOTO YODOBASHI見せたいものだけを抽出したい時には、ぐっと踏み込んで望遠的な使い方をしてみる。一方で画に広がりを持たせたければ、一歩も二歩も動いて落とし所を探ってみる。標準域の画角は何でも撮れてしまうというよりは、何でも撮ろう撮りたいと思える、やはりなんだかんだと潰しの利く画角であることを再確認しました。そして開放値F1.4の大きなボケ描写が写欲をより掻き立てるのです。いつでもどこへでも持ち歩ける気軽さがある軽量コンパクトなレンズとカメラは、その写欲を削ぐことがありません。また高い描写性能がそれを後押ししてくれます。日常使いによし。旅に持ち出すにもよし。全方位によし!の「SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary」。このコンパクトな1本が日常により彩りを添えてくれるでしょう。是非。

( 2020.10.29 )

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フルサイズ換算45mm相当のLマウント用大口径標準レンズ。日常に彩りを添えてくれる万能レンズの登場です。

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