PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Panasonic LUMIX DC-S1R, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, 1/8000, F1.4, ISO 100, Photo by NB

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary

シグマのAPS-Cミラーレスカメラ用単焦点レンズ「 23mm F1.4 DC DN | Contemporary」です。Eマウント版のシューティングレポートはすでにお届けしていますが、お待たせしました! こちらはLマウントです。フルサイズ判換算でおよそ35mmとなる焦点距離。どんな場面でも使いやすい35mmを「マイ標準」にされている方も多いと思いますが、このレンズはF1.4という明るさにもかかわらず、重さ340g、長さ76.9mm、フィルター径52mmという小型軽量。それだけでもじゅうぶんに魅力的なレンズですが、このレポートで肝心の写りをご覧になった後には、あなたの「マイ標準」の椅子を乗っ取る最有力候補となっているに違いありません。オール開放です。じっくりご覧ください。

( Photography & Text : NB )

Panasonic LUMIX DC-S1R, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, 1/60, F1.4, ISO 125, Photo by NB

ピントは1.5mほど離れた左の木に合わせています。背景のボケ味が距離に応じてどのように変化していくかが分かると思います。APS-Cフォーマットですからフルサイズに比べればボケの大きさ/量は控えめのはずですが、それでもじゅうぶんなボケが得られます。

Panasonic LUMIX DC-S1R, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, 1/1250, F1.4, ISO 100, Photo by NB

最短撮影距離あたりです。背景のボケもさることながら、ピント面からほんの少しずれたところのボケ味は、「絶品」と言ってもいい美しさだと思います。花びらがだんだん「溶けて」いくさまは、なまめかしさすら感じます。

Panasonic LUMIX DC-S1R, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, 1/1250, F1.4, ISO 100, Photo by NB

花の中心付近や、茎から生えたうぶ毛(?)の豊かな解像感。そしてこちらも、そこから少しだけズレたところのボケ味が美しいですね。一転して、背景は筆でさらさらっと描いたような、絵画的とも言える描写。この特性の違いを上手に使うと、表現の幅がさらに広がりそうです。

Panasonic LUMIX DC-S1R, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, 1/1250, F1.4, ISO 100, Photo by NB

「色味」という意味では変化の乏しい被写体のように見えますが、もちろんそんなことはありません。ダークグレーから純白に至る、複雑かつ微妙なグラデーション。1枚の葉っぱだけを見てもそれは当てはまります。そのさまを仔細に、正確に、そしてほんの少しだけ甘美な味付けをして見せてくれます。近接の描写が美し過ぎて3連発。

Panasonic LUMIX DC-S1R, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, 1/400, F1.4, ISO 100, Photo by NB

いわゆる「高周波」もこの通り。解像感は豊かです。


Panasonic LUMIX DC-S1R, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, 1/320, F1.4, ISO 100, Photo by NB

被写体に対してカメラを構えた時、50mmだとちょっと後ずさり。28mmだと一歩前へ。そんな経験がありませんか。要するに「瞬間的に頭の中に描いた、画面に対する被写体の大きさ」が、実際のそれとズレているわけですが、そのズレが無いのが35mmだと(個人的には)思います。それがこの焦点距離の使いやすさなのでしょう。発色やシャドーの描写も、わざとらしくない。かと言って控えめでもない。しかし深みがある。・・・実に上手くコントロールされています。

Panasonic LUMIX DC-S1R, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, 1/500, F1.4, ISO 100, Photo by NB

光が金属に反射したハイエストから、エスカレーターの下のあたりのローエストまで、自然かつ見事な描写です。ハイライト、シャドーとも、よく粘ってくれる印象です。

Panasonic LUMIX DC-S1R, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, 1/2000, F1.4, ISO 100, Photo by NB

もちろんカメラ内の補正はONですが、歪曲はまったくと言っていいほど感じられません。どこまでも真っ直ぐに。どこまでも伸びやかに。

Panasonic LUMIX DC-S1R, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, 1/5000, F1.4, ISO 100, Photo by NB

こちらもダイナミックレンジの広さが感じられる1枚。そしてことスナップシューティングに限って言えば、ボディにしろ、レンズにしろ、小型軽量であることがもっとも重要な「性能」であると思います。

Panasonic LUMIX DC-S1R, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, 1/8000, F1.4, ISO 100, Photo by NB

真正面の、低い位置からの太陽光。これ以外にも今回は太陽を画面に入れたカットをたくさん撮ってみましたが、ゴーストの出にくさは拍子抜けするほど。逆光耐性は極めて高いと感じました。そしてこのシャドー。絞り開放のまま、シャッタースピードを最速にして露出を切り詰めてみましたが、ビルの陰になった部分の妖しさにゾクゾクします。

Panasonic LUMIX DC-S1R, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, 1/200, F1.4, ISO 100, Photo by NB


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あらためて「常用レンズ」を考えてみる

「常用レンズ」という呼び方をよく耳にします。常に用いるレンズ、つまり「もっとも使用頻度が高いレンズ」のこと。フォトヨドバシをご覧いただいているみなさんの中には、レンズをたくさんお持ちの方が大勢おられるでしょう。しかし、です。レンズをたくさん持っていても、どれも満遍なく使っているわけではないという事実に、うすうす(あるいはとっくに)気づいておられるはずです。そう、使うレンズには、実はかなりの偏りがあるのです。言い換えると、「気づくといつもコレがついている」というレンズがあるはず。撮影に出かける前に想いを巡らせて色々と付け替えてみるけれど、結局一周回って戻ってくるレンズ。それが「常用レンズ」。

ではなぜ常用するのでしょうか。それは、ひとことで言えば「使っていて気持ちがいい」を、最大公約数的に満たしてくれるからだと思います。もちろん、自分好みの写りをしてくれることがいちばん大事。でも強烈なクセがあるレンズは、常用にはちとしづらい。かといって無個性なレンズじゃ嫌だ。重くて大きいのを持ち歩くのは疲れる。操作性が良くないとダメ。ルックスも重要。どうせなら周りから一目置かれたい。・・・写真を撮る人たちは実にワガママです。でもそのワガママを、できるだけ高い次元で叶えてくれるレンズが「常用」になり得るのでしょう。

前置きが長くなりましたが結論を申し上げると、「SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary」は常用レンズに必要な、すべての要件を満たしています。実によく写る。実に快適な使い心地。常用として使えるレンズを探している方はもちろん、すでに常用レンズがある方にもぜひ使っていただきたい。でもいちばんオススメしたいのは、「初めての単焦点レンズ」を買おうとしている方。お買い求めやすい価格なのに、この写り。そしてSIGMA ContemporaryラインにはAPS-Cフォーマットの小型軽量なF1.4単焦点レンズが複数ラインアップされているので、これから買い揃えていく楽しみがあります。つまり単焦点レンズのスタートとして、これ以上のものはないのです。

( 2023.07.07 )

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標準レンズとしても付けっぱなしでお使いいただける、汎用性の高い35mm相当。きっと重宝しますよ。

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フィルター径は52mmです。帯電防止、撥水、防汚タイプで扱いやすくなっております。

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