PHOTO YODOBASHI
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SIGMA 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary
シグマから登場したLマウント向け広角ズームレンズ「16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary」のレビューをお届けします。本レンズはF2.8通しの大口径超広角ズームながら軽量コンパクト。肝心の写りも妥協無しというシグマが放つ期待の一本です。サイズは全長100.6mm、最大径77.2mm、重量はわずか450g。光学系は大口径非球面レンズとFLDガラス（超低分散ガラス）を効果的に配置し、コンパクトネスと高い光学性能を両立しているとのことです。気軽にどこへでも持ち出せるF2.8の超広角ズームレンズがどんな写りなのか大変気になるところでしょう。今回撮影に使用したカメラボディはSIGMA fp LとPanasonic LUMIX S1R。では早速ご覧いただきましょう。
( Photography : Z II & K / Text : Z II )
まずは絞り開放にて。焦点距離はズーム域中間の22mm付近です。超広角レンズともなれば少しズーミングするだけで随分画角が変わるので、約1.6倍の控えめなズーム域でも物足りなさを感じることはないでしょう。
超広角レンズが本領発揮するのはこのようなシーンではないでしょうか。JPEG撮って出しですが、歪みはかなり抑えられている印象。惜しむらくはレンズを若干下に向けてしまったことでパースがついて下細りになったことです。
テレ端28mm最短距離での撮影です。絞り開放により生地の柔らかな質感が表現されています。この距離ではボケたところも形状が程よくわかり不自然さは感じません。
広角端で水平を意識しながらレンズを少しだけ上に向けてみました。柱を垂直に撮ったカットもありましたが、16mmの迫力は断然こちらです。
28mmの画角は人がふと眺めた視界に近く、街の雰囲気を視界そのままに切り取る際にちょうどいい広さです。F9まで絞ることで周辺減光がなくなり画面全域にわたってキリッとした描写になります。
ボケの傾向を確認してみましょう。多少クセがありますが28mmでもしっかりボケを得られます。
広角端16mmの歪みを感じさせない、思わずハッとさせられたカット。絞り開放でもここまで距離があれば大変シャープな写りを見せてくれます。ビルと空の分離も見事です。
周辺光量補正をあえてOFFに設定して撮影しており、広角レンズで得やすい周辺減光が強調されています。こちらのカットはPanasonic LUMIX S1Rで撮影したものですが、同じレンズでもボディにより設定可能項目が違いますし、もちろん画作りそのものが異なります。そんな変化を楽しんでみるのもいいでしょう。
コンパクトがもたらすインパクト
シグマのレンズの中でコンテンポラリーラインは軽量コンパクトを追求したシリーズです。ここ近年シグマから登場した同ラインのレンズをみていると、コンパクトだけではなく写りもかなりよくなっているように思います。本レンズも例外なく「おや！」と、目を引くインパクトのある写りに、正直驚きを隠せませんでした。超広角ながらほとんど歪みが無く、線は細くキレのある描写。さらには色のりもよく、広角のズームレンズながらボケまでも得られて、作品を撮りたくなる写りだと実感しました。ズーム域を控えめに、広角特有の歪みや収差をボディ内の補正に委ねることでコンパクト化し、さらにはこの描写です。もう感心するばかり。写欲をかき立てるインパクトのあるこれだけの画力があることを考えれば、随分と控えめなお値段ですから、広角レンズの世界に興味があってもなかなか一歩を踏み出せない方や、キットズームレンズから超広角側へ一歩踏み込もうとしている方におすすめの一本。本レンズを加えることで、寄った画や引いた画など、表現のバリエーションが増えること間違いなしです。
( 2022.10.17 )
コンパクトで高性能なのはもちろんですが、F2.8通しの響きはそれだけである種の風格があります。
ワイドレンズには超薄枠タイプの保護フィルターがおすすめです。シグマ純正品なら間違いなし。