SIGMA dp0 Quattro | SHOOTING REPORT

dp0 Quattro SHOOTING REPORT 01 | dp0 Quattro SHOOTING REPORT 02

SIGMA dp0 Quattroの2ndレビューをお届けします。発売開始から少し経ち、すでにこのカメラの独特の世界観を体感された方もいらっしゃることでしょう。筆者もその一人。35mm判換算で21mm相当という超広角のみで、どんな画が撮れ、どれほどの新しい刺激を感じることが出来るのか、朝に昼に夜にと連れ出してきました。カメラの詳細は1stレビューでも解説していますからそちらをご覧いただくとして、本レビューでは、その類い稀な解像感や独特の画をたっぷりご堪能いただければ幸いです。

( 写真/文：T.Nakanishi )

この2ndレビューでは高感度撮影での作例もご覧いただきましょう。ISO640にしてはノイズは感じられる印象ですが、それでもしっかり撮れます。Quattroシリーズになり、こういった夜のシーンでもSIGMAカメラの高い画質を体感できるようになったことは、大いなる進化といえるでしょう。

このカメラにしか描けない世界がある。

これまで筆者がSIGMAのカメラに抱いていた印象は「ハマれば凄い」でした。言い換えれば、ハマるシチュエーションでは他の追従を許さない孤高の存在である反面、そうでないシーンではちょっと扱いに苦労する「じゃじゃ馬」的なカメラ。しかしdp0 Quattroはどうでしょう。ゼロディストーションや超解像感という、他のカメラでは味わえない孤高の存在感を放ちつつ、扱いやすさまで取り込んでしまった印象です。これは、純粋に良い画が撮れるカメラを世に送り出したいというSIGMAの思いが結実した結果なのではないでしょうか。そのカメラデザインにしてもしかり。決して奇をてらったものではなく、良い画を生み出すための必然的なデザインだということが、撮り進めていくうちにわかってきました。ダイヤルの配置や操作性もよく練られており、手によく馴染むのです。これは個人的な感覚なのですが、カメラの大きさはこれくらいが丁度良いのではないでしょうか。そして、生み出される画に関しては作例をご覧いただいたとおり。そのリアリティ感溢れる画からは凄みさえ感じさせ、無駄に絞り込む必要なんて無いほどに素晴らしいキレ味で、一枚撮るごとに思わず唸ってしまいました。そして、特筆すべきはダイナミックレンジの広さです。黒の中の黒をしっかりと描きつつ、ハイライトも粘る。RAW現像時に微調整をしてあげるだけで、細やかな部分に至るまで緻密に再現されているのには驚きを隠せませんでした。筆者がこのカメラを約1ヶ月使ってみての感想。それは「このカメラにしか描けない世界がある」ということ。唯一無二のカメラとしての存在価値。SIGMAというメーカーがこれから目指す方向性を、このカメラが示しているように思います。

( 2015.08.07 )