PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Nikon NIKKOR Z 24mm f/1.8 S
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
ニコンZマウント用の広角単焦点レンズ「NIKKOR Z 24mm f/1.8 S」がリリースされました。本レンズもS-Lineでのラインナップとなっています。S-Lineは、これまでニコンが培ってきた独自の設計指針と品質管理をさらに厳格化し、Zマウントレンズのなかでもひときわ高い基準を満たすレンズにつけられる称号です。Zマウント用レンズとしては初の広角単焦点レンズですから、その描写力への期待も高まるというもの。開放値はF1.8。広角レンズでありながら、ボケを生かした撮影もできそうです。EDレンズ1枚、非球面レンズ4枚を採用した10群12枚構成。ナノクリスタルコートも施されていますから、フレーム内にさまざまな光源が入り込む広角レンズでも、ゴースト、フレアの少ないクリアな描写が得られるのではないでしょうか。さっそくその実力を作例でご確認いただきましょう。
( Photography : Z II / Text : Rica )
まずは高周波な被写体の写りを試してみました。F4に絞っての撮影です。葉の一枚一枚を細密に描写するのはもちろんのこと、すみずみまで滲みなく、とてもシャープに描いています。
あえて太陽をフレームに入れるというレンズにとっては厳しい条件で撮影しました。猫の顎の下に軽微なゴーストが見られますが、高次元の光学設計とナノクリスタルコートによりしっかりと抑え込まれている印象です。
ワイド単焦点の楽しみ方は自ら寄ったり引いたりすることにありますが、目の前に広がる風景の中で主となる被写体をどう表現するのかが大切になります。手前の柵を前ボケとして画面に入れることで、幼い頃に見た景色のような懐かしい雰囲気に仕上げました。
最短撮影距離の25cmまでグッと寄って撮影すれば、ダイナミックな構図、ズームレンズではなかなか出せないボケ、キレのあるピント面を同時に堪能できます。
きれいな線を描いているのがわかるカットです。質感の再現力と真っ直ぐな線を描ける力こそ、ワイド単焦点レンズの真骨頂ではないでしょうか。
スナップ撮影ではAFの精度と速さが肝となりますが、マルチフォーカス方式、ステッピングモーターの採用で精度は抜群。ほぼ無音で、狙った通りの瞬間を切り取ることができました。
24mm特有のパース感は被写体を真ん中に置くシンプルな日の丸構図でも、良い雰囲気の写真に仕上がります。その上、F1.8以上に感じられるボリュームのあるボケが人物と背景を見事に分離させ、とてもクリアな画になりました。
子どもは疲れたとき、正直に疲れた顔をしますよね。背景と子どもの表情がアンバランスで若干シュールな画になりましたが、本レンズはポートレートレンズとしても使い勝手が良さそうです。
スキのない描写はさすがのひと言！
一見して地味に感じる写真でも、全体をくまなく見渡すことでハッとさせられる瞬間があります。インパクトのある1カットを撮るよりも、実は噛めば噛むほど味が出るような写真を撮ることの方が難しいかもしれません。何気ないシーンでも、本レンズが捉えた画にはすみからすみまで力があります。クリアかつシャープな描写、言葉にするとどのレンズにも当てはまりそうなシンプルな言葉にしかならないのですが、クリア、そしてシャープの基準がワンランク上がっているように感じられます。これがNIKKOR Zマウントレンズ「S-Line」の底力ではないでしょうか。贅沢なレンズ構成、収差を改善するマルチフォーカス方式のAF、ナノクリスタルコートの採用など、ニコンのさまざまな技術がこの描写力を支えています。非常に完成度の高いワイド単焦点レンズで、ウィークポイントのひとつも感じません。スペックや言葉をここにたくさん並べるよりも、とにかくこのレンズで撮ってみて欲しい。そう強く感じさせる一本です。
( 2019.10.18 )
開放値はF1.8。広角レンズでボケを生かした撮影ができます。マルチフォーカス方式を採用しており、すべての撮影距離で高い結像性能を発揮。EDレンズ1枚と非球面レンズ4枚を採用し、すみずみまでシャープでクリアな描写が得られます。風景はもちろん、広角スナップやポートレートから星景、夜景撮影まで、幅広いシーンで活躍する一本です。
描写にこだわるフォトグラファーのための超低反射ARコート「ゼロワンARコート」を採用。NIKKORレンズにも採用している品質の高い光学ガラスを採用し、高い精度での研磨技術により高い平面精度を実現しました。防汚性能を備えた撥水・撥油コートをガラス両面に施し、水滴、油、指紋などの汚れが付着しにくくメンテナンスも容易です。