Kenko Mirror Lens 500mm F6.3 DX

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

レンズ内に鏡を使うことで色収差を抑えられたり、全長を大幅に短縮できるなどいろいろとメリットのあるミラー（反射望遠）レンズ。少なからずミラーレンズファンはいるはずなのですが、最近では随分とラインアップが減りカメラメーカー純正は皆無に。そんな絶滅危惧種を、ありがたいことにKenkoが何本かリリースしてくれています。そのうちの一本、500mm F6.3 DXをご紹介しましょう。ちなみに商品名にDXとありますが対応フォーマットのことではなく「デラックス」というネーミングとのこと。イメージサークルは35mm判フルサイズをカバーしています。汎用のTマウントが採用されているので、アダプターを用いることでニコンFマウントのボディにも装着可能。柔らかな描写とミラーレンズ独特の表現を手軽に楽しむには、おあつらえ向きの一本です。

( Photography : M.Ito / Text : 4beats )

前ボケを大胆に入れて、切り取り方も大胆に。ミラーレンズということを意識せずに、500mmとしてきちんと使いこなせばこの通りです。むしろ軽量でサイズもコンパクトなので、振り回すには有利と言えます。

点光源をボカすと、このように独特のリングボケを楽しめるのがミラーレンズ。夜景ばかりでなく日中でも光るものを探すことがクセになりそうですね。

やはり500mmとなると浅いピントや圧縮感など、超望遠独特の画作りが楽しめますね。二線ボケになるのは、ミラーレンズの性質の一つです。

細い線もしっかりと解像しているのが判ります。なかなか頼りになりますね。

正直なところ描写は若干甘めです。ですが現像ソフトなどであとからある程度は整えられますし、甘さを気にするよりはこのレンズの楽しさを思い切り堪能するべきでしょう。この独特のボケ方と超望遠レンズの画角はとても魅力的ですから。そして焦点距離500mmながら重さはわずか705g、本体の全長122mm（アダプター含まず）というコンパクトさ・取り回しの良さも嬉しいですよね。絞り固定、マニュアルフォーカスといったミラーレンズの泣き所すら、使いこなす悦びとして楽しめそうです。そして、それほど懐を痛めず済むというのも本レンズの有り難いところ。一度は使ってみたいですよね、ミラーレンズって。

( 2015.12.07 )