Tokina AT-X M35 PRO DX 35mm F2.8 MACRO

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

APS-Cサイズ専用の等倍マクロレンズ。ワーキングディスタンスはなんと14.3mmになるため、ほぼレンズ前玉に当たってしまいそうなぐらいに寄れてしまいます。引きのきかないマクロ撮影にはうってつけです。絞り羽根は多めの9枚を使用し、光源のボケはなめらかな円形を描きます。描写傾向はマクロレンズということもあり、さすがのシャープさ。ボケ味も良好で、無限遠あたりでも画質が落ちないのはなかなかのもの。大変コンパクトであり、35mm判換算で標準相当ということもあって、寄れてしまう常用レンズとして活躍する1本です。今回の作例は、フルサイズのNikon D3Sで撮影していますが、クロップ機能を使いAPS-Cサイズと同様の画角になっています。もしこの機能を使わずにフルサイズ機で撮影すると、画面の四隅がケラれてしまうのでご注意を。あくまで、APS-Cサイズ専用レンズということですので。

( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )

浅い被写界深度で立体的な奥行きのある花を捉えてみました。マクロ的な生々しい写実より、ボケ味による絵画的イメージが増幅されています。後ボケは少々固い印象ですが、各人好みが分かれるところ。背景との距離や明るさとの関係でボケ味は変化するので試してみるのもいいでしょう。

露出をアンダーにして、余計な背景をしっかり潰しました。通常撮影でも実にシャープな描写。雫の艶感も大変よく出ており、ボケ味も自然です。単焦点とはいえ守備範囲が広いと、おのずと起用する場面も増えます。

逆光気味のシチュエーションですが、破綻はしておらずコントラストも十分。ピント面では、織り目や繊維の毛羽立ちまでもをシャープに描き出しており、精細な描写が画角の隅々にまで行き渡っています。