SIGMA APO 300mm F2.8 EX DG HSM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

レンズには色々なスペックの違い、価格の違い、様々な違いがあるものですが、焦点距離＋F値はこの中でも絶対的なものです。300mm F2.8だけの世界というのが間違いなくあります。大きく重く高価なサンニッパを手に入れる理由とは、つまりこの世界が必要であるか否かでしょうけれど、だからこそちょっとした転機を期待するときに、こんなレンズを手に入れるというのもありですよね。サンニッパを一般的な用途とは違う理由で手にすると、少し違ったアプローチでファインダーを覗くことだろうと思います。開放でボケ味を活かした、ひと味違う風景写真。雑然とした都市光景の中で、背景を大胆にホリゾントに変えてしまう浮き世離れしたポートレート。考えるとちょっと楽しくありませんか？ こんなことを考えられるのは、シグマの相変わらず抜群なコストパフォーマンスのおかげです。随分リーズナブルですが、画は一級品。開放から極めてシャープでボケ味も美しい。手ブレ補正機構が搭載されていないことが少し残念ですが、それは望みすぎというもの。一般的なサンニッパの用途でも勿論期待に応えてくれる画を叩き出してくれますが、このリーズナブルさで、ちょっと違う使い方にトライして欲しいなあ、なんて思うのであります。

( Photography : M.Ito / Text : K )

晴天でしたがヘイズの強い日。そんな中でもクリアに高コントラストに捉えるのは大したものです。開放から抜群の切れ味。

300mmとなると、かなりの圧縮効果に、この浅い被写界深度。さて、これで何を撮るか。スナップに用いると強烈な切り取り感が新鮮。なかなか楽しいのです。

F8まで絞り込んでみました。開放も随分シャープな印象ですが、F8あたりでそれがマックスに。300mmとなると、F値で色々とドラスティックに画が変わってきます（被写界深度の関係上ですが）デジタル時代になって、あれこれとイージーに試すことができるのですから、手にしたら色々と試行錯誤しつつ、使い込んでいって欲しいですね。