PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

LEICA SL2-S, SUMMICRON-SL f2/50mm ASPH., Photo by Z II

LEICA SUMMICRON-SL f2/50mm ASPH.

ライカからLマウントの単焦点レンズ「SUMMICRON-SL f2/50mm ASPH.」が登場しました。同マウントの50mm F2にはすでに「LEICA APO-SUMMICRON-SL f2/50mm ASPH.」があります。こちらは色収差をはじめとする各収差を徹底的に抑えた、APOの名にふさわしい非の打ちどころのないレンズですが、一方でサイズや重さ、そして価格もやはりそれにふさわしいもの。今回登場した「SUMMICRON-SL f2/50mm ASPH.」は8群9枚のレンズ構成に3枚の非球面レンズや異常分散ガラスなどを効果的に配置し、APOとは大きく設計を変えながらも高い描写性能を実現しました。AFにはインナーダイレクトドライブモーターを使用し、静粛かつ高精度な動作は動画撮影にも配慮。全長83mm、重量402g(いずれもレンズフードなしの場合)はAPOと比べるといずれもおよそ半分。そしてわれわれ庶民にとって最大の懸案事項である価格は、現時点でライカSLレンズの中で最もお求め易いものとなっています。「ボディはなんとか買ったけど、レンズまでは予算が回らず他社のを・・・」という方、意外に多いんじゃないでしょうか。ボディもレンズもライカで揃えた、名実ともに「ライカSLシステム」を構築するチャンスが、いよいよやってきたかもしれません。とにかく、まずは写りをご覧になってこのレンズを自分のものにするイメージを膨らませてください。

( Photography & Text : Z II )

LEICA SL2-S, SUMMICRON-SL f2/50mm ASPH., Photo by Z II

LEICA SL2-S, SUMMICRON-SL f2/50mm ASPH., Photo by Z II

LEICA SL2-S, SUMMICRON-SL f2/50mm ASPH., Photo by Z II

聞こえてくるのは野鳥のさえずりと参拝客の足音。静かな境内の雰囲気を感じたままに収めることができました。50mmレンズは古くから「標準」と呼ばれ、万能なレンズとされてきましたが、それは構図の足し算、引き算にアタマを使うことでもあります。でも、それこそが写真を撮ることの最大の面白さですよね。本当に奥が深い焦点距離だと思います。


LEICA SL2-S, SUMMICRON-SL f2/50mm ASPH., Photo by Z II

LEICA SL2-S, SUMMICRON-SL f2/50mm ASPH., Photo by Z II

フォーカスを置いた花びらの繊細な描写と、まさに「とろけて」いくようなボケ。思わずため息が出ます。じっと息を止めてご覧になってください。そして思う存分、ため息をついていただきたいと思います。


LEICA SL2-S, SUMMICRON-SL f2/50mm ASPH., Photo by Z II

LEICA SL2-S, SUMMICRON-SL f2/50mm ASPH., Photo by Z II


PHOTO YODOBASHI

生まれ変わった、というよりむしろ原点に回帰したズミクロン50mm

ライカで写真を撮ることの意味を考えてみます。今、各社から性能のいいカメラがたくさん出ています。いずれも素晴らしい写りで、使っていて大きな不満を感じることなど、まずありません。それでもなお、ライカで写真を撮るということは特別なことなのでしょうか? 答えは「Yes」です。特にレンズが50mmの場合は。

「ライカ」という名前のカメラが初めて世に出たのは1925年。これが世界で最初に製品化された、35mm判フィルムを使ったカメラです。その35mm判フィルムの大きさが、いまなお「フルサイズ」と呼ばれて現代に続いているのはご存知の通り。そしてこの時のライカはまだレンズ交換式ではなく、レンズはボディに固定されていましたが、それが50mm。つまり、ライカが作った36mm × 24mmのフォーマットに50mmという焦点距離の組み合わせが、現代にまで脈々と続くハンドヘルドカメラの「歴史の源流」なのです。これを「特別」と言わずして何と言えばいいのでしょう。

今回ご覧いただいた「SUMMICRON-SL f2/50mm ASPH.」はとても軽量でコンパクトなレンズですが、そもそも「軽くて小さい」のがライカだったのですから、これこそライカの正常進化。肝心の写りに関しても、歪みや滲みは徹底的に抑えられ、質感や色のり、階調表現の豊かさと上質なボケが織りなす写りは、まさに「特別」の名にふさわしいもの。これほどの写りでありながらライカレンズとしてはお求めやすい価格なのが魅力的です。ライカがどう特別なのか、それを作例とテキストで可能な限り説明を試みましたが、これ以上はもう無理。あなたが「ああ、ライカってやっぱり特別なんだ」と実感するために残された方法は、あと一つしかありません。毎度ありがとうございます。

( 2023.04.14 )

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ライカらしい写りに、軽量コンパクトな標準単焦点レンズ。まさにSLシステムのスタンダードレンズです。

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これからライカSLシステムをお考えならセットで購入が断然お買い得です。

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コンパクトな標準レンズですから出番が多くなることが予想されます。しっかり保護しておきましょう。

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