PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
ライカSL3 / 外観プレビュー
2024年3月7日23時にライカジャパンより「ライカSL3」が発表されました。ライカSLシリーズはスチルとムービーの垣根を越える機能が搭載されたマルチロールカメラです。前モデルのライカSL2は4700万画素のスチルメインのムービーも扱えるカメラ、ライカSL2-Sは2400万画素と画素数を抑えAF性能とムービーに注力したカメラという、それぞれ特徴がありました。これらを経た3世代目ということでどんな新機能が盛り込まれたのか気になるところです。まずは前モデルのライカSL2からの主な変更点を以下にご紹介いたします。また、発表の翌日にグランドハイアット東京にて発表会イベントが行われ、取材してまいりましたのでそちらの様子も併せてお届けいたします。
- ボディの幅と高さは5.2mmと3mmそれぞれ縮小（W 141.2 × H 108.05 × D 84.6 mm、突起含まず）
- 重量は約70g軽量化し約769g（バッテリー、SDカード、ボディキャップ含まず）
- 画像処理エンジンがマエストロIIIからIVへ
- センサーは4730万画素から6030万画素へ、トリプルレゾリューションテクノロジーも採用（撮影時の記録画素数をJPEGだけでなくRAWでも60/36/18MPから選択可能）
- バッファメモリーは4GBから8GBへ倍増
- 記録メディアはUHS-IIに対応のSD/SDHC/SDXCとCFexpress Type-Bの2スロット
- 8K動画（C8K＝8192×4320、8K=7680×4320）はフレームレートは29.97fpsに対応
- ISO感度は高感度側が一段分拡大されISO 50〜100000に
- 3.2型のチルト式モニターが搭載され、解像度は210万ドットから233万2800ドットに刷新
- AFは像面位相差AFが新たに加わり、コントラスト検出方式、物体認識AFを組み合わせたハイブリッドAFに
- フォーカスエリアは225点から315点に
- Bluetooth は4.2から5.0LEへ
- メニュー画面のすべてのアイコンを刷新
チルト式になった背面モニターは上向きに90度、下向きには45度まで可動し、ハイアングルやローアングルの手持ち撮影や三脚を用いた撮影に大きく役立ちます。またメニュー画面内のアイコンは全て新しいデザインに刷新され、使用頻度の高いアイコンをメニュー表示の任意の位置に配置できるなどカスタマイズが可能です。
電源スイッチはライカカメラで初のボタン式を採用。軍艦部左の新たなダイヤルはデフォルトでISO感度設定に割り当てられていますが、カスタマイズにより他機能の割り当てが可能。
SDカードに加えCFexpress TypeBに対応したことで6000万画素を超える高画素の処理や8K動画を処理する際にストレスのない動作に大きく寄与します。背面の操作ボタンやダイヤル類、メニュー操作はシンプルな操作体系を維持しながら機能アップにも対応。
ボディとグリップ部の厚みが少し増したことで指が余ることはなく、がっちりと掴める印象です。高品質な金属外装と高い剛性感はSL3でも変わりません。
プロフェッショナルからミドルクラスまで幅広く所有欲を満たしてくれるカメラ
ライカといえばクラシカルな操作性を楽しむM型をイメージする方もいらっしゃると思います。もちろんそれも一つの楽しみ方ですが、一方で現代的なニーズや幅広い撮影シーンにフィットするカメラを求める方にはSLシリーズは有望な選択肢だと思います。そして新しくなった「ライカSL3」はあらゆる面で撮り手の要求を満たしてくれそうな仕上がりです。例えば6030万画素は描写性能において大きな武器になりますが、その反面ストレージを圧迫することが懸念されます。そんな時に活かされるのがトリプルレゾリューションテクノロジー。ウェブ用画像など、そこまで画素数を必要としない際は1800万画素を選択することで目的に合う画質を担保しながら、処理作業の効率化やデータのハンドリング性が向上します。動画性能でも本格的な8K動画の撮影が可能になりましたし、防塵防滴にも配慮された仕様ですから、過酷なプロフェッショナルのニーズにもしっかりと応えてくれます。コンパクトなMシリーズやQシリーズを愛用の方にも「ライカSL3」のホールド感のあるグリップのよさや、SLレンズの高い光学性能をより感じられるカメラへと進化そして深化を感じられると思います。もちろん、これからフルサイズのミラーレスカメラを手にしたいという方にも、ひとつの頂としてお勧めしたいカメラです。今回は外観プレビューをお届けしましたが、後日実写レポートをお届けしたいと思いますので、ご期待ください。
Leica SL3 LAUNCH EVENT Report
8 March 2024, ROPPONGI
2024年3月8日16時、グランドハイアット東京にてライカSL3発表会イベントが開催されました。コロナ禍が明けて久しぶりの対面での発表会であることや、前夜にスペックの公式発表があったことで招待されたお客様は皆、興奮気味で会場はとても盛り上がっていました。ライカの母国ドイツでも同時に発表があったわけですが、ライカカメラ部門プロダクトマネージメント部長イェスコ・フォン・エーンハウゼン氏は、日本での市場をとても大切にしているとのことで日本での発表会のために来日されたそうです。そのほか、写真と映像のクリエイティブスタジオ「bird and insect」のクリエイター阿部大輔氏と桜屋敷知直氏によるトークショーでは興味深い生のお話が聞けたり、タッチアンドトライでは、あちらこちらで熱のこもったライカ談義が繰り広げられていました。それでは会場の雰囲気をお届けいたします。
レセプション開始直前の様子。ライブ会場さながらの演出です。
ライカカメラジャパン株式会社代表取締役社長福家一哲（ふけかずのり）氏の挨拶からスタート。
タッチアンドトライでは各々、使い勝手やメニュー画面の操作を熱心に聞いていました。
夕刻からの開催ということもあり、味わいのあるおもてなしのお陰でライカ談義に花が咲きます。
この日のためのオリジナルカクテルをその場でバーテンダーが作ってくれました。その名も「ライカダイキリ」。
エーンハウゼン氏いわく、6030万画素、8K動画、ハイブリッドAF、トリプルレゾリューションなどの処理が快適なスピードで行えるのは新型画像処理エンジン「マエストロ IV」の存在が大きいとのこと。その処理速度はIIIから2倍以上になり、それにより電子部品を削減でき、軽量化にも繋がったと語っいました。触る機会がありましたら、その恩恵を実感できるはず。そして思わず欲しくなってしまうことでしょう。私も完全に魅了されてしまった1人です。
ライカ社からもライカSL3を紹介する動画が多数アップされています。こちらに並べておきますので、どうぞご覧ください。
( 2024.03.11 )
現代的なニーズや撮影シーンにあったパフォーマンスを追求したSLシリーズの決定版といえます。
キズや汚れを効果的に防ぐだけでなく、光の反射を防ぎ、高コントラストでクリアに表示できます。ライカSL3にも対応しています。
ボディが軽くなり持ち出すことが増えることが想像できます。軽快に動画を撮る際にも予備電池があると心強いです。
長時間の撮影や動画撮影を行う際にはこちらをお勧めします。従来の充電式バッテリーの代わりに本体に装着し、USB-C接続によってカメラの連続動作を可能にします。バッテリー残量を気にすることなく被写体に集中することが可能に。
ライカSL3専用に設計されたマルチファンクションハンドグリップ。縦位置でも横位置でも最適なハンドリングを提供します。
街撮りスナップに持ち出すなら、軽快に振り回せる35mmあたりがおすすめです。