SONY α7R II, SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM, 1/8000, F2.2, ISO 100, Photo by Naz

SONY SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率 [単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

ソニー・フルサイズ用Eマウントレンズに誕生しました「G Master」シリーズ。「G」レンズといえば、古くはミノルタ時代から高性能レンズに与えられてきた歴史ある称号です。αマウントがソニーに移管して10年となるこの春、そのGレンズの上位となる「G Master」シリーズのレンズが3本発表されました。F2.8通しのズームレンズが2本(24-70mm・70-200mm)、そして単焦点望遠レンズの85mm F1.4。このレビューでは、3本の中で唯一の単焦点となる「SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM」をご紹介したいと思います。「Eマウント最高峰」を謳い、両立が難しい高い解像力と美しいボケ味を高次元にバランスさせるべく、ソニーが持つ光学技術を惜しみなく投入した意欲作とのこと。実写して感じたのは、開放からたいへんシャープで線が細くボケ味も美しい「品のある描写」。85mmレンズといえば、誰もがポートレートレンズをイメージすると思いますが、恐らくソニーは数多く存在する85mmレンズの頂点を目指したのではないでしょうか。実際にそう感じさせてくれる仕上がりです。では早速、作例をご覧ください。

( 写真 / 文 : Naz )

SONY α7R II, SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM, 1/2500, F1.4, ISO 100, Photo by Naz

開花宣言が出たばかりの東京。西日があたる早咲きの桜の下に多くの人が集まっていました。被写界深度の浅いレンズですから、ワーキングディスタンスを大きくとっても画に十分な奥行きを作ってくれます。開放からこれだけしっかり写ってしまうと、画質のために絞る必要を感じません。EVFの拡大画面では、開放でわずかにふわっとしているのを感じ取れますが、1段絞ればコントラストも上がりキリッと線が立ってきます。そしてこのレンズの特筆すべきところは、絞っても線が太くならないところでしょう。

SONY α7R II, SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM, 1/2000, F1.4, ISO 100, Photo by Naz

川沿いの並木道、川面を背景に蕾が開いたばかりの枝先を撮ってみました。85mmレンズは50mmレンズより画角も狭く、ボケ量も大きいため、スナップ撮影でも画面の整理や抽象化をしやすいですね。少し大胆なフレーミングをしてみると標準レンズとは異なる結果を導き出せると思います。

SONY α7R II, SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM, 1/5000, F1.4, ISO 100, Photo by Naz

ひとつ前の桜を撮った翌日、富士山に近い神社ではみぞれ混じりの冷たい雨が降っていました。こんな天気でも防塵防滴仕様だと安心して撮影が行えますね。作例では前ボケに紙垂(しで)を入れることで、濡れた屋根との間にある空間に存在感を出しています。ざらついた屋根瓦の濡れた質感やシャドウ部の描写など実に緻密に描き上げてくれました。前ボケも嫌みのない素直な描写で、かつ存在感もありといったところでしょうか。

SONY α7R II, SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM, 1/800, F1.4, ISO 100, Photo by Naz

松の葉についた雫が光る角度を探して撮影してみました。画像のクリックで倍のサイズを表示します。横幅960pxに縮小した画像では、小さな雫までは感じとりにくいですが、倍のサイズではこのレンズが持つ実力の片鱗を感じとっていただけるのではないでしょうか。エッジの強調がないので、硬さを感じず実にナチュラルです。背景の玉ボケもたまねぎのような同心円状の模様を一切感じません。ボケ玉の輪郭にエッジがほぼないため、結果としてボケ味が柔らかく上品に感じられます。これは非球面レンズの研磨の精度を極限まで高めた技術「超高度非球面XAレンズ」によるもの。巧みなレンズ設計に加え、円形絞りの採用やレンズ研磨の精度もボケの美しさに大きく貢献しています。色収差も徹底的に排除され、気になることはほぼありませんでした。

SONY α7R II, SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM, 1/200, F1.4, ISO 400, Photo by Naz

F1.4のハイスピードレンズですから、夜にも持ち出してみたいですよね。右側のグラスにピントを置いてみましたが、数メートルの撮影距離でもピントはごく薄く、手前にある左側のグラスはアウトフォーカスに。甘美で柔らかな雰囲気ある1枚となってくれました。

SONY α7R II, SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM, 1/80, F1.4, ISO 800, Photo by Naz

こちらは街灯に照らされた生け垣の葉を最短付近で。最短撮影距離はAF時0.85m、MF時0.8mとのことです。α7 IIシリーズのボディには強力な手ブレ補正があるため、中望遠レンズでの低速シャッターで安心して挑むことができますね。

SONY α7R II, SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM, 1/2500, F2, ISO 100, Photo by Naz

今度はハイキーで桜を。線の細い柔らかな描写が、春らしい優しい雰囲気の1枚となりました。

SONY α7R II, SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM, 1/3200, F2, ISO 100, Photo by Naz

レンズの性格上、後ボケの美しさに重点を置いた設計でしょうから、条件によっては前ボケが二線になることがあるようです。この写真ではゴールのネットが二線ボケになってしまいましたが、ボケに芯を感じさせないせいか、うるさく感じないですね。

SONY α7R II, SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM, 1/400, F1.4, ISO 100, Photo by Naz

SONY α7R II, SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM, 1/2500, F1.4, ISO 100, Photo by Naz

自転車のサドルにピントを置きました。光のあたるガードレールの質感がすごいですね。センサーの優秀さもあるでしょうが、このレンズの雰囲気ある光の捉え方は実に素晴らしい印象です。ウェットな描写がそそります。

SONY α7R II, SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM, 1/1600, F2.8, ISO 100, Photo by Naz

わずか約2段絞っただけで、解像力はピークに近いレベルとなります。それは「ここまで写るのか」と驚きを覚えるレベル。本レンズの解像力は4240万画素の超高画素センサーを搭載したα7R IIの実力をしっかりと引き出しています。より高画素化されるであろう次世代のセンサーをも見越していることは間違いないでしょう。(画像のクリックで原寸画像のクロップを表示します)

SONY α7R II, SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM, 1/4000, F1.4, ISO 100, Photo by Naz

ピントはフレーム下端ぎりぎりのところへ。誇張のないなだらかで美しいボケのレンズだからこそ、アウトフォーカスに溶けていく光景を写してみたいと思わせてくれました。

SONY α7R II, SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM, 1/8000, F2, ISO 100, Photo by Naz

PHOTO YODOBASHI

大きな投資を裏切らない、一級品の写り

85mm F1.4というスペックからすれば存在感のあるサイズと重量で、手にしてみるとかなり大柄に感じるレンズです。しかし、α7R IIのボディと組み合わせたサイズは、フルサイズ一眼レフボディのシステムに比べコンパクト。重心を感じるずっしりとした重さではなく、意外なほどに軽快さも感じられるレベルに収まっているようでした。AFも十分に高速。インナーフォーカスを採用したことで、全群繰り出し式の85mmレンズとは次元の違う速度で合焦します。超音波モーターの動作音も低くは抑えられていますが、α7R IIにに静音シャッターがあるせいか、時々ではありますが少し気になることがありました。鏡胴にはフォーカスリングに加え、1/3段ステップの絞りリングも備えられ、積極的な絞りのコントロールを意識させてくれる存在になっています。その絞りリングのクリックは鏡胴のスイッチで解除可能。動画撮影時は無段階に調整が可能です。そしてαレンズとしては初となる11枚羽根の円形絞りも採用。開けても絞ってもその美しい描写をお楽しみいただけます。

昨今の超高性能レンズと同様にクリアでヌケのよい描写傾向ではありますが、レンズの存在を淡く感じさせる描写が本レンズの特徴であるといえます。撮影を始めてすぐはメリハリが効いた描写ではないせいか、カメラの小さなモニター越しではあまり大きな手応えを感じませんでした。しかしそれは描写に誇張がない証拠でもあります。大きなモニターを通して子細に見ていくと、なだらかなボケの変化や美しいトーン、繊細な描写等、このレンズの頭ひとつ抜けた実力に終始驚くばかりでした。撮影データの素材性は高く、現像時にほんの少しトーンを起こすだけで、ぐっと画が引き立ってきます。ポートレートレンズらしく開放付近に柔らかさを残し、女性を撮るなら開放で、男性を撮るなら1〜2段絞って…というような使い方もいいでしょう。望遠ズームでカバーしがちな焦点距離、加えて勇気を伴うプライスではありますが、その投資をした者だけが手にできる一級品の写りを多くの方にご堪能いただきたい、そう思わせてくれる1本でした。

( 2016.05.01 )




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高価な硝材を用い、ソニーが持つ技術の粋を集めて生まれた自信作の1本、いよいよ登場です。いろいろと遠回りをするのも楽しいものですが、最短距離でゴールしてしまえば、その先には幸せしかありません。

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作例を撮影しましたα7R II。たいへん高価なカメラですが、このレンズのベストマッチングといえば、このカメラしかないでしょう。

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一級品のレンズには一級品の保護フィルターを。ソニーの純正フィルターはCarl Zeiss T*コーティング。

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