SONY SAL18135 DT 18-135mm F3.5-5.6 SAM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

フルサイズ換算で27-202.5mm相当の画角になる、APS-C専用の7.5倍ズームレンズ。広角から望遠域に渡る幅広い画角をカバーするとあって、すこぶる使いでに富んだ1本なのです。描写は全域においてシャープな像を結ぶという印象。テレ端でも画面中央はしっかりと解像し、冒頭の薔薇のカットがまさしくその中の1枚。素直なボケ味が可憐な姿をよりいっそう際立たせています。テレ端が300mm前後の超高倍率ズームほど遠くまでは届かないものの、200mm程度あれば普段使いに十分な画角。あえてテレ側を欲張らなかったことで、これだけの高画質が可能となったのでしょう。レンズ交換の手間を考えれば守備範囲は広いほうがいいわけですが、仕上がりの細部にこだわれば、こういった焦点距離のズームレンズの存在感がいっそう増してくるというものです。キットズームレンズからのステップアップをお考えの際には、ぜひ候補に加えてみてはいかがでしょうか。

( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )

暗がりからすっと伸びる竹を優しく描き込みながら、その質感までもしっかりと描写。シャドーエリアの粘りもなかなかのもので、奥の木壁もべたっと黒潰れすることなく解像しているのが見てとれます。

コントラストが強くなりすぎずに、閑散とした工場の佇まいを余すことなく捉えています。トーンのつながりが良いからこそ、空間の奥行きも十分に感じることができるのでしょう。

手摺が反射するちょっと意地悪なシチュエーションでの撮影ですが、光が飽和することもなく、シャドーエリアとのバランスを巧く保っていますね。頼もしい描写です。

F9あたりまで絞ればシャープさも最高潮に。カリカリにはならないものの、実に自然なエッジラインで無機質な人工物を描き出しています。

( 2014.05.12 )