Panasonic LUMIX G VARIO 35-100mm F4-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

35mm判換算で70-200mm相当の画角をカバーする望遠ズームレンズです。取り回しのよいミニマムなシステムがマイクロフォーサーズ規格のアドバンテージ。しかも本レンズは沈胴式となっており、収納時の全長はなんと約50mm（テレ端撮影時に最長となり+30mm程度）という小ささ。200mm相当の画角で切り取れるレンズを、バッグの隅やジャンパーのポケットに忍ばせることができるなんて凄いですよね。なんならこのレンズ1本付けっぱなしで、望遠スナップに繰り出すというのも全然楽勝。光学系には「非球面レンズ」や「EDレンズ」を組み込み、ズーム倍率も約2.8倍と控えめなためか、ズーム全域において良好な像を結びます。テレ端での開放F値の暗さを気にされる方がいるかもしれませんが、高感度特性に優れた昨今のカメラボディであれば、さほど心配することもないでしょう。AFは小気味よく、手ブレ補正機構まで内蔵しており、軽快かつ気軽に望遠撮影を楽しめる1本です。

( Photography : Z II / Text : KIMURAX )

繊細な一滴のポチャリを撮ろうと思ったら結構神経を使う撮影になりますが、こんな土砂降りの中ならもう取り放題です（笑）。雨よけから落ちてきて雨水が横一線で跳ねているのですが、一度たりとも同じ形に出会えるわけではないので、こういうシチュエーションでの撮影もなかなか楽しいものです。ワイド端で1段絞っての撮影ですが、背景はいい塩梅にぼけてくれました。活き活きと踊り弾ける水の姿が、くっきり際立っています。

雨のシーンが続きますが本レンズは防滴仕様ではありません、一応念のため（笑）。雨合羽を着ての作業は不自由そうなものですが、あまりにもテキパキと手際がいいのでついつい見入ってしまいます。そんな一連の作業を追う中で、するするっと解いたロープの毛先から勢いよく飛び出した水滴を、思いがけず写し止めることができました。

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F10まで絞っての撮影。回折の影響が心配になってくるあたりでしょうがシャープさは十分に保たれており、ここまでいっても大丈夫でしょう。光が強く当っている枝を細かく見てみても、色収差はしっかり抑えられているようす。

ほぼテレ端、絞り開放で撮影。ピントピークは、ギターストラップの毛羽立ちをきっちりと捉えるほどに十分なシャープさがあります。背景にある玉ボケの輪郭が少々強めにでてはいますが、さりげなくいいアクセントになっていますね。

望遠での圧縮効果が、いい距離感を生み出していますね。

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こちらもテレ端ですが、開放からなかなかの描写を見せてくれます。被写界深度はそれなりに浅いものの、開放F値やセンサーサイズの兼ね合いもあって背景のボケ量は控えめ。とはいえ前後ともに自然なぼけ方をしており、周辺の画質もしっかり。好感がもてます。

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常に持ち歩けるレンズこそ、活躍してくれる。

散歩を楽しみつつ、ふと気になったシーンを切り取っていきたいという時には、標準～広角系の出番が多くなることでしょう。しかし時として、望遠があたっらなぁ…という場面にばったり出会ってしまうこともあります。そんな時のためにも、気兼ねなく携帯できるコンパクトな望遠ズームがあると心強いものです。35mm判換算で200mm相当の画角までを、これだけしっかりとした画質で残せるのですから実にありがたいことです。応急対応的な妥協は一切無用。今回掲載した作例カットでは、低速シャッターで撮影したものがありませんでしたが、手ブレ補正の効きはなかなかのものでした。加えて、金属製の鏡胴というところも個人的にはかなりポイントが高かったです。兎にも角にも、これだけ使い勝手に富む望遠ズームレンズですから、是非とも入手しておきたいところですよね。

( 2015.08.20 )