Panasonic LUMIX G X VARIO 12-35mm F2.8 ASPH. POWER O.I.S.

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

ズーム全域で絞り開放F2.8通しの大口径標準ズームレンズ。フルサイズ換算で24-70mm相当の画角となり、最もニーズの高いであろう焦点距離をカバーする1本です。Panasonicレンズの中で最高峰の証である「X」をその名に刻み、光学系には特殊超低分散レンズ、超高屈折率レンズ、非球面レンズを贅沢に組み込んだ意欲作です。絞りを選ばずに使えるという当たり前のようなことができるのは、その基本性能が高いということにほかなりません。加えてAFもかなり素早く、かつ静かに合焦。もたつくことも無いので、シャッターボタンを押す回数がついつい増えてしまいます。明るいレンズですから、少々暗めのシーンにも活用できますし、手ブレ補正も搭載していますから安心二重丸。もしまだお持ちでない方には、要チェックな1本です。

( Photography : Z II, T.Nakanishi / Text : KIMURAX )

ふと気が付くと、グラスの汗が流れ出してしまっていることもしばしば。そうなる直前をタイミングよくキャッチ。窓越しの光に艶めく汗。ほころび、くすむテーブルのエッジ。物質としてのコントラストが面白くて、テレ端の浅い被写界深度に同居させてみました。グラスがブルー系だから、年季の入ったテーブルが活きるのです。お店のオーナーさんのセンスを感じますよね。テレ端の解像感は、画面の隅々に行き渡っています。

ゾクッとするような立体感のある描写が見事です。差し色の赤も破綻することなくしっかり再現しています。

夜景撮影は、カメラボディ側の高感度特性のよさに負うところもありますが、レンズが光の情報をセンサーに余すことなくきちんと届けられなければ成立しないのですよね。絞り開放のギスギスしない描写が、いい雰囲気を出しています。掲載カットはRAWデータを使用しているので歪曲が大きく出ておりますが、JPEGですとカメラ側で自動的に補正されるので問題は無いでしょう。

気分で半段絞っていますが、テレ端でも絞り開放から解像ある描写を見せてくれます。対岸の建物の輪郭から、幾重にも重なる雲の表情まで丁寧に捉えているあたり流石です。