OLYMPUS ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

素早く静かなAFを可能にする超音波駆動方式を採用した、標準5倍ズームレンズ。フルサイズ換算で24-120mm相当の画角をカバーし、最短撮影距離はズーム全域で25cmとなっています。ワイド端でのパースペクティブ表現から、テレ端でのクローズアップ撮影にと、様々な表現を楽しむにはもってこいの焦点距離をカバー。EDガラスモールド非球面レンズをはじめとする特殊硝材を贅沢に使用しているとあって、非常にキレのある素晴らしい描写を見せてくれます。特にワイド側では、絞り開放から猛烈にシャープな像を結び、気持ちのいいものです。テレ側が甘いというわけではありませんが、1段ほど絞ってやれば不満の無いキリッとした画になります。絞り開放では周辺光量落ちもありますので、趣きある味付けに是非とも活用したいところ。もし不要なシーンでしたら、1段絞れば解消しますので、まさしく使い方は自由自在。ビシビシ、サクサク決まるAFに加え、MFへのシームレスな切り換えが常時可能な「フルタイム・マニュアルフォーカス」を採用。メカニカル直結のMF機構なので、自然なフィーリングでピントの追い込みもスムーズにできます。

( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )

そおっと、そおっと近づいて、テレ端にて撮影。立派なハサミ越しにニョキッと突き出した目は、確かにこちらの様子を伺っていました。海水をたっぷりと含んだ砂や巻貝から、しっかりと踏ん張る艶やかな脚まで、みずみずしく鮮明に捉えています。いい塩梅の前後のボケとも相まって、見事な立体感です。

直線が気持ちよく出ており充分にシャープですが、カリカリという印象ではありません。目に優しい、自然なシャープさ（笑）。シャドーエリアもしっかりとした階調で表現されており、フラットにならずにそれぞれの位置関係が分かる描写です。

実に繊細な像を結び、光の情報を余すことなくセンサーに伝えるレンズといった印象です。金属製の天井や床、両サイドのガラス壁の、ひんやりとした感触まで伝わってくるようです。

色の再現も申し分なし。それにしてもこの解像感にはドキッとさせられます。