Tokina AT-X 17-35 F4 PRO FX 17-35mm F4

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

フルサイズにも対応した広角ズームとして17mmというワイド端を擁することで、非常に使い出のあるレンズになっています。最近では17mm前後からのスタートで標準域はもとより望遠域までカバーしてしまうレンズもあります。そんな中、敢えて広角域に留めておくことで、SDガラスや非球面レンズの性能がよりいっそう引き出され、全域で良好なパフォーマンスを発揮する仕上がりになっています。テレ端の35mm付近で家族や友人たち、あるいは街中でのスナップを抑えたり、20mm代の焦点距離でワイド感のある描写を楽しんだりといった広角ズームの用途はもちろんカバー。そして思いもよらぬ広大な景色が眼前に広がったときに、あと少しワイド端が広ければと悔しい思いをせずにすむのがこのレンズです。対角で100°を超す画角があれば様々なシーンにも対応可能でしょう。解放値がF4のまま固定なのも嬉しいところ。その解放で使用したときのボケの描写もなかなか楽しませてくれます。旅行のお供にも、凝った作品作りにも。幅広いフィールドに応えてくれます。

( Photography : M.Ito / Text : Y.Moriki )

こんなにも建物に寄り添い見上げた状態、しかもワイド端（17mm）での撮影という悪条件にも見事に応えてくれています。よほどの粗捜しでもしないと歪曲を見て取ることができません。フレーミングの際にさらに一歩前へ出て、違った世界を見つけるという楽しみ方ができそうです。

開放で遊ぶ。広角ズームでもその楽しさを忘れなくても良いようです。テレ端で、しかも近接撮影のカットですが、盤面のピントピークとその前後のボケ、さらに向こう側の景色へと、徐々に溶けていく様な描写は、いろいろ遊べそうです。28cmという最短撮影距離も楽しめる要素のひとつですね。

もちろん、遠景の描写を楽しむのも基本中の基本。ちょっと鈍い光の中でも、数m先からはるか向こうの景色まで、キッチリと捉えてくれました。