SIGMA 20mm F1.8 EX DG ASPHERICAL RF

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

20mmという超広角レンズにF1.8という大口径とあって、一般的な超広角レンズとはひと味違った画が撮れる面白いレンズです。非球面レンズを2枚使用し、描写は十分にシャープな解像を見せてくれます。最短撮影距離は20cmと短いので、前玉にぶつかるくらいまで寄っての超広角マクロ的な撮影もいいでしょう。浅い被写界深度を活かして、ダイナミックに寄ったポートレート撮影は痛快そのもの。また、風景撮影など、近景にアクセントとして置いた被写体にピント面を合わせ、開放で撮影すると独特な画が得られるので、本レンズを手にした際はぜひお試しください。

( Photography : K & M.Ishizuka / Text : KIMURAX )

明るい開放値あればこそ、ムードを出すために露出を若干アンダーに。表情にピントピークを合わせれば、浅い被写界深度で前後の空間は柔らかい描写となり、人の温もりが伝わってくるようです。

開放でも超広角ならではのシャープさ。露出を下げても、この豊かな色調再現性はなかなかのものです。

殺風景な路に彩りを添える一輪の花を、露出アンダー気味で切り取りました。点光源は円形を描き、硬めに出たボケ味は、花のたおやかな姿を引き立てています。他の超広角レンズではあまりお目にかかれない面白い描写ではないでしょうか。

周辺落ちを活用することで、重厚感と奥行き感がさらに増しました。

APS-Cサイズのカメラでは30mmレンズの画角に相当します。すりガラス越しの半逆光気味での試みですが、ソフトというかハイライト部分がにじんでいるせいもあって、なんだか不思議な描写です。なんでもかんでも、くっきりはっきり撮ればいいというものでもないような...。そう、自分なりに崩すということを意図的にやってみると、新たな表現にばったり出会えるかも知れませんよ。遊びましょう。