SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

18-250mm F3.5-6.3 DC OS HSM の後継として2012年の夏にリリース。光学系や機構の見直しによって最短撮影距離を短縮。さらなるコンパクト化を図りながら、鏡筒には新素材を使用したというシグマの意欲作です。フルサイズ換算で27-375mmの画角に相当し、これ一本さえ付けておけば何にでも対応してしまいそうな守備範囲の広さ。しかも手ぶれ補正機構を搭載し、マクロ撮影（最大撮影倍率1：2.9）も可能と、至れり尽くせり感たっぷりです。となると気になるのは描写ですが、約14倍となる高倍率ズームながら、なかなか安定感のある描写を見せてくれます。標準から中望遠域のシャープな撮像と比較すると、テレ側で若干の甘さは感じるものの気にするほどではありません。望遠でのＦ値はかなり暗くなりますが、高感度にシフトすれば十分カバーできるでしょう。レンズ交換の手間が無い分、絞りや露出などを吟味するゆとりが生まれるのもいいですよね。

( Photography : M.Ito / Text : KIMRAX )

20mほど離れた所から中間域で撮影。スーツの皺から、生地の織りまでハイライトエリアではしっかりと捉えているのがわかります。前後のボケの量は控えめなものの、程よいやわらかさが感じられます

絞り開放ながらピントピークのシャープさは良好。カボチャのマットな質感も忠実に再現しています。点光源のボケは、輪郭がはっきりと出やすいようですが、これはこれでいいアクセントになっていますよね。

最短撮影距離は35cmと、旧型から比べ10cmも短縮されました。この写真は最短撮影距離までは寄っていませんが、フードの先端付近まで寄れるなんて標準ズームとかわらない接近性能。ボケはたまに二線ボケ傾向が見られますが、距離などを工夫すればこのように素直なボケ味を添えることができます。リアルに表現している瓶への映り込みが、よりクリアに浮かび上がってくるようです。

テレ端にて撮影。発色の鮮やかさがひときわ目を惹きます。細かく見ていけば甘さはあるものの、絞り開放でこの描写ですから実用性は十分。いざとなればフルサイズ換算375mmの画角で切り取れるというという算段がついているだけでも、このレンズを連れ出す価値は十二分にあるでしょう。