Nikon AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

35mmフルサイズ換算で約24mm〜127mm相当となる本レンズは、最初の一本にうってつけのレンズ。かなり効く印象の手ブレ補正機構を搭載している点も、手ブレが目立ちやすい高画素機が増えた昨今、心強いと言えるでしょう。ぱっと視界に飛び込んで、明確にその状況を視認できる範囲が28mm相当の画角とするならば、その周辺まで込みで写し込めるのが24mm。そして85mm付近止まりが多い標準ズームの中で、バストアップで引き寄せるほどのポートレートや、風景撮影において中距離の被写体を切り取りやすい120mm付近。この1本で多種多様のシーンを捉えられるわけですから、重宝すること間違いなしです。

( Photography : M.Ito / Text : K )

新しい世代のレンズということもあり、四隅まで大変安定した実にシャープな描写。また線が細く緻密な印象のレンズです。たとえば線の太いレンズであれば男性のポートレートなどには向きますが、女性にはちょっと。線が細い分にはオールマイティなのですね。

ボケ味は角がよく丸められた印象で、輪郭が際立つようなことはありません。素直で使いやすいといった印象。
フォーカス面の描写もクセが感じられず大変素直な印象で、かつ緻密です。柔らかな物を撮るのにも向いたレンズでしょう。

F8まで絞り込んで撮影。画面隅々まで本当にシャープ。特筆すべきは、紫陽花の花弁そして葉の一枚一枚までクッキリと浮き上がるかのようなこの描写。価格帯からしても普段使いにピッタリなレンズですが、ここまで写るとある種望外の写りかもしれませんね。手ブレ補正機構も良く効く印象で、低速シャッターでもかなりの確率で救済してくれます。フラッグシップのようにF2.8通しである必要が無ければ、佳い選択でしょう。