Nikon Ai AF Nikkor 20mm f/2.8D

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

軽量コンパクトな20mmの超広角レンズです。遠近感を誇張したい時、スペースに余裕がない屋内、風景撮影などで活躍してくれます。一般的に広角系レンズには、ピントを合わせた時に近距離側で像面湾曲が増加するという特性があります。そこで、この現象を解消するために近距離補正方式（Close-Range Correction System）を採用したことで、近距離撮影においても画像が平坦になるように設計されています。この20mmは水平垂直をきちんと出して、奇をてらわず、光景と対峙して撮影すれば、ピタッと時を止められるレンズです。逆に、ダイナミックに振り回して撮れば、見る人の意識にテンポの良いスピード感を与えることができるので、止める・振り回すという二面性を常に意識して臨むと、なかなか面白い撮影が可能になります。

( Photography : S.Zets & K / Text : KIMURAX & K )

子供達の嬉々とした表情を見ると、きっと彼らの視野は20mmのそれに近いのだと思います。大人の私たちの視野はどうでしょうか。最前列に陣取って、じっと景色を眺める彼らを見て、そんな風に思うのでした。・・・歪曲はよく押さえられていて、さすがに単焦点といったところです。

水平垂直を出して動く電車の中から撮影。遠景は止まっているのに、足下は流れるという面白い画になりました。

大胆に振り回してみれば、周りの景色が、俺も入れろ、俺も入れろと言わんばかりにビルがフレームの中に集まって来る感じです。

遠近感を活かした撮影でもピントピークはシャープに捉えられており、ボケも自然な感じで表現されています。

幅にして8mほどの場所ですが、スケール感がかなり増幅されています。少々おどろおどろしい空の表情も手伝ってか、どこかの要塞の滑走路から見わたしているかのような気になります。