Tokina AT-X 17-35 F4 PRO FX 17-35mm F4

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

開放F値4通しのフルサイズ対応超広角ズーム。広角も17mmとなれば大変伸びやかな描写が楽しめます。トーンが豊富で、真逆光のような厳しいシチュエーションでもハイエストライトからディープシャドーまでなだらかに美しく階調を再現してくれるとあって、少しアンダー気味に切り詰めればグッとくる描写に。トーンが豊富なレンズで無ければこのようなアプローチはなかなか難しいでしょう。ズームレンズでありながらクリアでコントラストも高く、ヌケのよさが印象的。目が痛くなるようなシャープさは無いものの、十分なシャープさが得られます。風景や空間の撮影からスナップ、ポートレートにと幅広く使いでのある1本です。

( Photography : A.Inden / Text : K )

建物で挟まれた路地をベースにして画角を広げてみました。人間の視覚では起こり得ない、超広角となるワイド端のダイナミックな表現は、ファインダーを覗いているそばから楽しいものです。絞り開放ですが、画面全体でみればバランスよく解像しているのではないでしょうか。

超広角のワイド端なら、吹き抜けがより広く抜けてくれます。F8あたりがシャープさのピークでしょうか、隅々に渡ってキリっと描写しています。

APS-Cサイズではテレ端はフルサイズ換算56mmに相当。夕暮れ、一気に絞り込み、ローキーで追い込んでみました。プレスラインが描き出す陰影を、豊かな階調で美しく再現。表現の難しいヘッドライトのメッキ部分も緻密な解像感で忠実に描き切っています。それでいて画質はカリカリではなく、しっとりとしたし仕上がり。いいですよね。

前ボケはもしかするとフェンス自体ではなく、影なのでは？と思ってしまうほどの自然なボケ味。足から頭へと伸びる影の階調の豊かさには目を見張るものがあります。