PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
TAMRON 18-200mm F/3.5-6.3 Di III VC Model B011
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
タムロンのミラーレス専用高倍率ズームレンズにキヤノン用が仲間入りしました。高倍率ズームレンズを多彩にラインナップするタムロンですが、キヤノンEF-Mマウントにもいよいよ参入ということでしょう。コンパクトが売りのミラーレス用なわけですから、そのデザインはもちろんコンパクト。35mm判換算で約28.8mm~320mm相当の画角をカバーするとは思えないほどです。AFには昨今のレンズでよく使われることが多くなったステッピングモーターを採用し、静粛性を高めることに成功。同時に、動画撮影時のAF性能にも貢献しています。手ブレ補正「VC」も当然のごとく搭載されていますから、ミラーレスの機動性を活かして、あらゆるシーンをシャープに切り撮ってくれるレンズと言えますね。それでは、早速作例をご覧いただきましょう。
( Photography & Text : T.Nakanishi )
等倍でお見せできないのが残念ですが、非常に細やかな部分まで描写しており、解像力が高いことがわかります。色乗りのよさ、背景のボケの美しさは言うまでもありませんね。
思いきりハイキーにして、白の描写を確認してみました。さすがに最も明るい部分はヒストグラム上では飛んでいますが、全体の白の描き方はとてもヌケがよく好感が持てます。木漏れ日が丸くボケていますが、こちらも美しいですね。
ミラーレスカメラとコンパクトなレンズの組み合わせで、床に置いた撮影も気兼ねなく出来ます。しかもご覧のとおり重厚でしっかりした画を描くのですから、言うことなしです。
ハイコントラストな表現もお手のもの。ハイエストライトに合わせて露出を選択しているため、ディープシャドーは潰れていますが、メリハリのある中にもトーンの繋がりをしっかり感じとれます。
320mm相当まで届くというのは非常に重宝します。ふと気になったシーンって、少し離れた場所で見つけることも多いもの。そんなとき、スッとズーム出来るレンズだと便利なのです。
最短0.5mまで寄れるため、小さな被写体も撮り逃しません。ダイレクトマニュアルフォーカスが使えるので、ピント微調整の自由度が高く、こうした寄った被写体を撮影する際にも便利です。
雨の中、ちょっと公園までお散歩。そんな時にもこの一本があれば大丈夫。大げさなカメラなんて持ち出さなくてもいいんです。
開放から十分にシャープなレンズですが、僅かに絞り込めば、解像感はより高くなります。葉っぱに乗った雨粒までしっかりと描写している上、雨の森の空気感まで写し込んでいるようです。
高倍率ズームレンズの設計に相当の自信がうかがえるタムロン。一眼レフ時代から培われてきたその設計技術が、このコンパクトな筐体にも凝縮されているようです。時には広々とした風景を、そして時には小さな小さな被写体を。私達が普段撮りたいと思う、ほとんどのシーンをこの一本で切り撮ることができるでしょう。高倍率ズームと聞くとエントリーモデルかとお考えの方も多いかと思いますが、内容は決してエントリーではありません。初めての一本としてはもちろんですが、現在EOS Mシリーズをお使いで、次のレンズを検討中の方にもぜひとも使ってみてほしいレンズです。
( 2015.07.23 )
EOS M用として貴重なサードパーティー製交換レンズ。しかもタムロンお得意の高倍率ズームが登場です。
こちらはシルバー鏡胴でより軽快に。ホワイトのEOS Mにおすすめです。
デジタルに最適化されたコーティングを施しています。いつもつけておきたいスタンダードな保護フィルターです。