PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Canon EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
EOS Mシリーズ用の標準ズームレンズ「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」は35mm判換算で24-72mm相当の画角をカバー。EOS M10と同時期にリリースされ、キットレンズにも採用されています。EF-Mマウント向けの標準ズームレンズには「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」が存在しますが、それに比べ本レンズは広角側が手厚くなっているのが特徴。同じく沈胴式を採用していますが、レンズ収納時の全長は44.5mmと大変コンパクトにまとめられており、なんと重さは約130g。マウント部にもプラスチック素材を使用するなど、徹底的な軽量化が図られていることが伺えます。使用頻度の高いズーム域をカバーしながら機動性も高いことから、EOS Mシリーズユーザーにとっては外せない一本となることでしょう。絞り開放から、画面中央では良好な解像力を見せてくれます。もし周辺の画質にまで気を配る必要がある際には、2段ほど絞ってあげればOK。画面全域にシャープさが行き渡ります。安心の手ブレ補正も内蔵しているので、軽快なスナップ撮影を楽しむにはもってこいです。
( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )
テレ端での開放値がF6.3とその暗さが少々気になるという方もいるかもしれませんが、そこはボディ側で高感度にシフトすれば十分にカバーできるスペックです。ISO 1600まで引き上げていますが、分厚いガラス越しという条件ながらシャドー部の粘りもなかなかです。手すりの丸みもきちんと表現されていますね。
カサカサのドライフラワーと錆の浮いた窓枠。そして僅かに艶めく不均一なガラス。マットとグロス、対極をなす双方の質感をきっちり丁寧に描き分けているのがわかります。
ピーカンの反射光ですから角度によってはゴーストが現れることもありますが、工夫次第で如何様にもできます。反射部はさすがに飛びきっていますが、その周辺部では大きな影響を受けることも無くガラス面を再現。F11まで絞ってもバッチリです。
太陽とヘリコプターとボールと人。きれいな弧を描くように宙に並んだところでパチリ。のびやかなワイド端にて、余白を贅沢に使いながら写し止めました。縦使い云々を試す時間すらありませんでしたが、結果オーライですね、爽快感が段違いです。
ガラス越しですが、グラスの艶・映り込みの再現も良好。コントラストもしっかり。拡大して見ると紙ナフキンに施されたエンボス模様まで確認できます。
こちらもガラス越しにずらりと並んだガラス瓶。発色も派手になるようなことはなく、かといって沈むでもなく、これまたなかなか自然な仕上がりです。
本レンズの最短撮影距離は25cmになります。かなり近距離での撮影ですがランプシェードの生地を精細に表現しており、質感もよく伝わってくる描写です。
絞り込んでの遠景もいいですね。
ふわっと柔らかそうな毛の一本一本までをスッキリと解像。ボケ味も素直な傾向で、画全体として好感のもてる仕上がりです。
普段使いには何かと便利な画角をカバーしており、EOS M10との組み合わせで軽快に撮影が進みました。AFもスピードは十分で、とにかく静か。まさに小気味よいという言葉がピッタリです。冒頭でキットレンズとしても用意されていると触れましたが、肝心な写りは必要充分であり、むしろそれ以上のものを感じました。周辺の画像の流れはほとんど見られず、歪曲に関してはワイド側で感じられる程度。焦点距離からすればよく抑えられているのではないでしょうか。きりっとシャープな像を結びますし、テレ側で背景との距離があればボケを添えることができるのはご覧の通りです。ちょっとしたお出かけから旅行等のお供にと重宝するリーズナブルな一本。すでにEOS M、M2、M3を使っているという方も、この際に買い揃えておくとかなり役立つと思いますので、ぜひどうぞ。
( 2015.10.05 )
軽量・コンパクト、そしてリーズナブル。頭抜けた性能はありませんが、写りのよさはご覧の通り。こちらはブラックに近いグラファイトカラー。
ワイド側を少し欲張った標準ズームレンズ。こちらはシルバー。ボディカラーに合わせてお選びください。
レンズ性能をしっかり出すならフードは必需品。レンズ先端の保護にもおすすめです。
地味な存在ですが、しっかりと作られたプロテクトフィルターです。純正レンズには純正品をいかがでしょうか。