Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, 1/800, F4, ISO 100, Photo by NB

Canon EF50mm F1.8 STM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率 [単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ | シフト

先代の「II」について、改めて説明の必要はないでしょう。発売以来25年間、現役であり続けた超ロングセラー。ある意味、EOS用としてもっとも有名なレンズと言ってもいいと思います。買いやすい価格ゆえ、一般的には「入門用」という位置づけですが(私も2回買いました)、侮れない性能でこれのファンだというベテランも沢山おられます。使ったことがある人は決して悪く言わない。そんな名物レンズが、25年ぶり2回目となるリニューアルをしたのが今年の5月。変更点はステッピングモーターの採用、絞り羽の枚数変更、最短撮影距離の短縮、レンズコーティングの変更、金属製マウントの採用です。そう、つまりレンズ構成は「変更なし」なのです。キヤノンとしては、これを今後も重要なレンズと考えているでしょう。レンズ構成を変える必要があるなら、迷わずそうしたはず。ところが、その必要はなかった。代わりに欠点をしっかり手当てして、さらに「成長」させる。とても良識的でまっとうなやり方だと思います。

( 写真 / 文 : NB )

Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, 1/50, F5.6, ISO 200, Photo by NB

まず最初はF5.6の遠景から。色乗り、微妙な濃淡の描き分け、曇り空ならではの陰影のつき方や光の回り方、周辺の解像、立体感。どこをとっても気になるところはありません。まったく不満なく写っています。特に書くことが無くて困っちゃうぐらいです。これを書いている時点でのヨドバシ価格、2万円払っておつりでちゃんとした食事ができます。

Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, 1/50, F1.8, ISO 100, Photo by NB

「このへんに小学校を作るから先生やってくれって、2年間の約束でふもとの町から連れて来られたらアンタ、そのまま50年経っちゃったわよ」と笑いながら去って行かれました。山村の静かな朝に、熊よけの鈴の音が響きます。AF駆動がマイクロモーターからステッピングモーターに変更され、スピード、精度、静粛性が格段に向上しました。びっくりするほど速い、とまではいいませんが、「おっせえなぁ」と毒づくことはもうないでしょう。動く被写体にも素早く追随して(と言ってもここではお婆ちゃんの歩行速度ですが)、開放F1.8のこの立体感。特徴的な背景のボケは先代譲り。

Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, 1/4000, F1.8, ISO 100, Photo by NB

これも開放。上に伸びる電線、さすがに画面が切れる直前ではわずかに結像が甘くなって、エッジが滲んだようになっています。あと、この画像は現像時に少しいじったので強調されていますが、周辺落ちもそれなりにあります(一つ上の画像の右上隅を見ると分かりやすいでしょうか)。まぁ、だからどうした?って話ではあります。

Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, 1/320, F1.8, ISO 100, Photo by NB

ぐーっと寄ってみました。最短撮影距離が45cmから35cmに変更になりましたが、ここが10cmも短くなると撮れる画もまったく変わってくるわけで、これは大きな変化です。フルタイムマニュアルフォーカス機構も搭載されて(ワンショットAF設定時のみ)、AFでピントを合わせた後にAFモードのままマニュアルで微調整が可能。寄りで苦労する微妙なピント合わせもしやすくなりました。それにしてもふわーっと柔らかい、いい写りしてますなあ。

Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, 1/500, F11, ISO 100, Photo by NB

一転して絞った描写。F11です。発色、コントラスト、線の細さ。スコーン!と抜けた、気持ちのいい写り。

Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, 1/500, F2.8, ISO 100, Photo by NB

明暗の描き分け。陽が当たっている部分は抑制が効き、日陰の部分はさらにその中で自然な階調を保ち、ディテールをしっかり見せています。

Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, 1/160, F5.6, ISO 100, Photo by NB

イスの座面はごく淡いグリーン。そこに低い角度で陽が当たっている。撮影した時、ボディの背面液晶ではここが真っ白に見えたので「あーあ」と思ったのですが、なんのなんの。きちんと微妙な色再現がされていました。他の画像でもよーく観察すると分かるかも知れませんが、わずかに樽型のディストーションがあります。

Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, 1/400, F1.8, ISO 100, Photo by NB

モノクロが大好きなので、モノクロにしてみました。特にこんな被写体はモノクロに限ります。色という表現要素を捨てたぶん、レンズの素性(もちろん発色以外)がよく分かるという効果も副次的にあります。ヘタクソな写真を撮った時、モノクロにすると構図や露出の詰めの甘さが如実に表れてヘコむという効果(?)もあります。いらんですが。

Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, 1/50, F8, ISO 1000, Photo by NB

Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, 1/250, F1.8, ISO 100, Photo by NB

Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, 1/320, F1.8, ISO 100, Photo by NB

Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, 1/100, F11, ISO 100, Photo by NB

PHOTO YODOBASHI

交換レンズへのいざない、その最初の一本。

釣りの世界には「鮒に始まり、鮒に終わる」という言葉がありますが、これを写真の世界に当てはめれば、「50mmに始まり、50mmに終わる」でしょうか。とにかくこの50mm、「標準レンズ」なんて呼ばれて初心者向けの顔をしているクセに、実はすごく難しい。奥が深い。「一番簡単だけど、一番難しい」。それが50mmだと個人的には思います。だからこそ、ピタッとはまった時の嬉しさは他の画角では味わえないもの。極めるにはまだまだ道のりが長そうですが、私はこの画角が大好きです。

今回ご紹介した「EF50mm F1.8 STM」。立ち位置としては「初心者向け交換レンズへのいざない、その最初の一本」です。初めてレンズ交換式のカメラを買う時、今は多くの方が標準ズームつきを選ばれますが、その後、交換レンズを買い足す人って、実は意外に少ない。つまり標準ズームで満足しちゃってるわけです。PYを熱心にご覧になっている方(あなたですね)から見たら、「その方が幸せですよぉ」となるのでしょうが、これは実にもったいないこと。だから、ぐっと敷居を下げて「次の世界」へご招待する、その切符がこのレンズなのです。まだ単焦点の50mmを持っていない方。悪いことは言いません、今すぐ買いましょう。今すぐ買える価格になっております。新たな世界が待ってます。よろしくお願いいたします。

一方、長いこと写真をやってきて、高価な機材だっていっぱい持ってるし、腕にも自信があるというベテランの方。実はそういう方にこそ、このレンズを使っていただきたい。いくらいい写真を撮っても、「いやあ、やっぱり高いレンズはいいですなあ」なんて、写真仲間の田中さん(仮名)に妬み半分の皮肉を言われるわけですよ。悔しいじゃないですか。だから敢えてこれで、傑作をばんばん撮りましょう。今こそ田中さん(仮名)を黙らせる時です。貯まってるゴールドポイントで買えちゃいますでしょ。よろしくお願いいたします。



( 2015.09.09 )




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初代は1987年の発売。これは25年ぶりにリニューアルされた三代目。もとより定評のあった基本性能はそのままに、AFを始めとする数々のリファインでさらに使い易くなりました。

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純正の専用フードです。一緒にお買い求めください。

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