Canon EF400mm F4 DO IS USM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

キヤノンが他社よりも一歩先を行くDOレンズ（＝diffractive optics 積層型回折素子を利用したレンズ）を組み込んだ400mm。蛍石レンズと非球面レンズの性質を併せ持つDOレンズ一 枚だけで、色収差を低減できるので、望遠ながらコンパクトサイズにまとめられています。その恩恵と引き換えなのか、暗めのシーンでクルマのヘッドライトなどの光源がフレームインすると、光源を中心としたリング状の像が出るようです（カタログやメーカーサイトにも注記があります）。ボケ味も距離によっては多少のクセが見え隠れしますが、こちらは背景さえ気にしていれば問題にはならないでしょう。描写は、絞り開放から単焦点らしいシャープでクリアな像を結び、絞り込めば抜群の切れ味に。手ブレ補正機構も搭載しているので、手持ちで攻めていける頼もしい望遠レンズとして、切り取り感の強いズバッと射抜いたような画をものにするには打ってつけです。

( Photography : T.Nakanishi / Text : KIMURAX )

400mmクラス独特の圧縮効果が面白くてフレームしたカット。寒空の中で真っ裸になっていたはずの落葉樹が、ぬくぬく、ふわふわした衣装をまとっているようです。

さすがは単焦点、細かい花の輪郭もくっきりシャープに描き出しています。背景ボケも柔らかく、発色は自然でかなり良好です。

バックが抜けていれば大変綺麗なボケ味です。いろいろ計算する楽しみがあるのも、このレンズの個性と言えるでしょう。

樹の一本一本から枝先までを精細に写し込むと、冬の眠りについているとは思えない、みなぎる生命の息吹を感じます。