PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SAMYANG AF 85mm F1.4 EF
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
韓国のレンズメーカーSAMYANG(サムヤン)はラインナップの多くをMFレンズが占めていますが、近頃AFレンズを意欲的に投入してきています。今回レビューをお届けする「SAMYANG AF 85mm F1.4 EF」もそのうちの1本で、今年の8月下旬に登場したばかりのニューフェイスです。フルサイズ(キヤノンEFマウント)対応の大口径レンズながら全長は88mm、重量485gとかなり軽量かつコンパクトな躯体に仕立てられています。キヤノン純正レンズの「Canon EF85mm F1.4L IS USM」(全長105.4mm、重量950g)と比べても、十分小さく重さはほぼ半分となっています。純正の方には手ブレ補正機構が搭載されており一概には比較できないものの、その差にはインパクトがあります。ポートレート撮影にちょうどいい大口径の85mm。人物を中心に撮影してきましたので、その実力のほど早速ご覧いただきましょう。
( Photography & Text : KIMURAX )
アクティブな気分
頭部にフォーカスしての撮影。拡大して見ると手元はすでにデフォーカスに。ペタンと平面的にならずに立体感が得られています。
AFは的確にまつ毛の辺り(両手も)を捉えました。動きは激しくないものの、不意な動作をするものですから、ピントを外したくはないと思い開放から2段絞って撮影していたのですがナーバスになりすぎましたね(笑)。
ボケは前後共になめらか。色乗りも上々です。
なんか用かい?とでも言いたげな表情が、すっと浮かび上がってきます。
穏やかな眺め
逆光チェック。光芒にフレアが出ているぐらいで、まったく問題ないですね。フレアがまったく出ないよりは、それなりに出てくれた方がジリッとした眩しさが伝わると個人的には思うわけで。これはこれで雰囲気があっていいと思います。
伝えそびれていましたが後半のロケ地は、静岡県伊東市にある大室山。火山なので山頂にはすり鉢状の噴火口跡あり、なんとそこでアーチェリー体験ができるのです。ご覧のようにかなり距離があったのでF8まで絞り込んでの撮影。隅から隅までビシッと解像しています。
標高580mの山頂への途中にはお地蔵様が祀られています。自然なボケ味が、その凛とした佇まいを見事に引き立ててくれていますね。
大口径中望遠の描写力と表現力をギュギュッと。
フォトヨドバシのポートレート撮影というと、毎度のように全カット絞り開放が当たり前のようになっておりますが(笑)、今回は絞ったカットもちゃんと織り込みました。この「SAMYANG AF 85mm F1.4 EF」は開放から実によく写るものですから、しつこくなっちゃうかなぁと。あとは、F1.4がもたらすボケ量もたっぷりなので、そのボリューム調整のために絞って撮ったという本音もありますがね。ご覧いただいたようにボケ味は前後共に至ってなめらかです。あらゆるシチュエーションで脇役に徹し、主役をしっかりと引き立ててくれる。キリッとしたピント面がより生き生きとするわけです。傾向としてはカリカリになりすぎない適度なシャープさとでも申しましょうか、緩くならずにキレ過ぎずといういい匙加減。ポートレート撮影などには打ってつけの描写だと思います。フルサイズ向けの大口径ながら軽量コンパクトにまとめつつも、描写&表現力にぬかりは無いという印象。また、プライス的にもかなり抑えられていることもあり、はじめての単焦点大口径中望遠レンズとして有力な候補になることは間違いありません。日頃から気軽に持ち出しやすい、こんなレンズを持っているとホント重宝しますからね。いいですよこれ。
( 2018.11.30 )
軽量コンパクトにしてよく写る。しかも価格はリーズナブルとくれば文句のつけようが無いですね。いい仕事が光るMADE IN KOREA。使った人からハッピーに。
マルチコートを施したベーシックタイプのレンズ保護フィルター。ちゃんと保護しておけば安心ですよね。