キヤノンEOS Rシステム特集
Chapter 5:とことん広がる
個性溢れるオールドレンズとの融合
キヤノンEOS Rシステムはミラーをなくすことで、センサーとレンズとの距離を短く設計できるようになり、これまで実現が難しかったハイスペックレンズや、高画質に特化したレンズ、小さくて便利なレンズの設計が可能になりました。つまりEOS Rシステムのボディはさらなる高画質を追求する中で、レンズの性能を極限まで引き出すために作られたボディと言っても過言ではないのです。さてそこで気になるのは、そんなEOS Rシステムに、これまで苦楽を共に過ごした愛着のあるレンズ資産たちをマウントすると、いったいどんな写りになるのか気になるところ。もちろん、最新の技術でボディに対して最適化されたRFレンズの描写性能にはかなわないでしょうが、レンズ特有の味や癖などは感じられるはずです。今回はそんな特徴的な味や癖の強いレンズをピックアップ。マンウントアダプターを介すとどんな写りを見せてくれるのか?小さくて軽いボディがどう活かされるのか?EOS Rシステムが広げてくれる楽しみ方を探ってみました。
EOS RP + Canon FL50mm F1.8
Canon FL50mm F1.8は1964年にCanon FXの標準レンズとして発売された My Favorites Lensです。特徴的な柔らかい写りや、私が小学生の頃からこのレンズで撮られていたことを思い返すと特別な感情が湧いてきます。逆光で露出をオーバーにして撮ると昭和にタイムスリップしたかのようです。(A.Inden)
注:KIPONのマウントアダプターを使用の際は絞りを制御するネジがマウントアダプターに干渉します。取り付けの際に、はまりにくいようでしたら、ネジを外してお使いください。
EOS R + RICOH GR 28mm F2.8
リコーのGRといえば、現在のAPS-Cセンサー搭載のコンパクトカメラ「GR III」を思い浮かべる方が多いと思いますが、長く続くGRシリーズの礎となったのが35mmフィルムのコンパクトカメラ「GR1」です。そのレンズエレメントをライカL39(LTM)マウント化したものが本レンズ。対称型に近いレンズ構成でバックフォーカスも短いため、センサーへの入射角がきつく、EOS Rでは周辺にマゼンダ被りを起こしました。そのため、このカットではモノクロとして撮影。現代のレンズほど高い解像力はありませんが、開放から十分にシャープに感じます。アンダー調に撮影すると力強い「黒」が得られるレンズです。(Naz)
EOS R + Konica M-Hexanon 50mm F1.2 Limited
フィルムの時代にはコニカ(現コニカミノルタ)はフィルムやカメラを製造していました。こちらは、ライカMマウント互換カメラであった「Hexer-RF Limited」に付属するレンズとして2001年に2001本生産されたF1.2のハイスピード標準レンズ。高感度に強くなった現在のデジタルカメラではF1.2の明るさを必要とすることは夜間でもほとんどありませんが、F1.4より明るいレンズの写りには何かしら特別な世界を持っているような気がしています。その写りこそが大きくて重い標準レンズを使いたくなる原動力に繫がっているのではないでしょうか。(Naz)
EOS RP + OLYMPUS ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2
ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2は、1972年に発売された小型軽量が売りのOM-1シリーズ用に登場したマクロレンズです。本レンズの一番の特徴は被写体の周りを黒く締めていくようなボケ味ですね、本当に美しいです。中古市場ではいまだに人気が高く、手に入れた方が必ず「やっと」をつけてブログなどで紹介されるレンズです。決して自慢ではありません(笑)。(A.Inden)
EOS RP + Canon FL50mm F3.5 MACRO
「Canon FL50mm F3.5 MACRO」は1965年に発売されたキヤノンのFLマウントのマクロレンズです。キヤノンの一眼レフのマウントはR(1959-1963)、FL/FD/NewFD(1964-1989)、EF(1987-)、RF(2018-)とを大きく3度変えています。FLレンズは、マウントアダプターで使用できる一番古いマウントなのです。流石に古いレンズらしく逆光で派手なハレーションが入ります。EOS Rシリーズのデジタルファインダーで確認しながら撮影すると、幻想的な世界に引きずり込まれますね。(A.Inden)
EOS RP + Canon FL50mm F1.8
発売から50年以上経ったオールドレンズで、柔らかなトーンが特徴です。露出を切り詰めて、建物の中の丸い電灯を月のように撮ってみました。今のレンズのようにとろけていくようなボケ味ではありませんが、輪郭を残しつつ控えめにボケている様子は、昭和の頃のアルバムに貼ってあった写真の雰囲気のようで、しみじみとよいですね。(A.Inden)
EOS R + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4 SL IIN
クラシックレンズのような味わいのある描写が得られながらも、実際はモダンなレンズですので本当のクラシックレンズよりもたいへん扱いやすい。そんなところが人気の理由でしょうか。レンズ構成はダブルガウスタイプで、開放付近では、とろけるようなボケと、その場の臨場感を纏いつつも、薄いヴェールを一枚被せたような柔らかな描写が魅力です。今回初めてキヤノンのカメラにマウントさせて撮影してみましたが使い心地も良かったです。EOS Rシリーズによって遊びの幅が広がるのはとても嬉しいですね。(TA)
EOS R + Leitz Elmar 5cm F3.5
ドイツ製で1951年に作られたオールドレンズのエルマー5cm F3.5。PYで連載していた「ライカデビュー日記 Vol.9」で登場したレンズです。私が初めて購入したオールドレンズなので是非ともフルサイズミラーレスになったキヤノン製カメラに着けたかった一本。まずは最短撮影距離で陶器製のビーグル犬を狙ってみました。柔らかな描写ながら、表面のつるりとした質感は十分出ていて、埃ひとつ見えませんね。前ボケもとても自然です。気をつけなければいけないのは、沈胴式のレンズを沈胴させると、ボディの中でセンサーやセンサー外側のフレームに当たってしまうので、沈胴は絶対しないようにしましょう。(Z II)
EOS R + Carl Zeiss Biogon 2.8/28
2009年に発売され、ワイド単焦点としてライカ用に愛用してきました。フランジバックが短いため、これまでのEOSなどの一眼レフカメラには装着が不可能だったのですが、ミラーレスになったEOS Rには着くということでどんな写りか試してみました。作例をモノクロにした訳は、撮ってみるとマゼンタの色収差が強く出るという特徴が見られたので現像する段階でモノクロにしました。レンジファインダー用に設計されたレンズですのでそんなこともあるでしょう。それも含めて楽しんでみました。写りは、ピントピークはとてもシャープでくっきりとした線を描いてくれます。手前の葉はしっかりとボケて遠近感を感じさせますね。周辺減光もこのレンズの特徴です。この味を出したい方にはオススメしたい一本です。(Z II)
EOS RP + OLYMPUS ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2
ロートーンでもコントラストを維持しながら溶けていくボケ味が素晴らしいです。ピントピークもシャープですね。発売当時に開放値Fが2のマクロレンズは類のない存在でした。しかし大口径のためズイコーレンズの中ではサイズが大きく、三脚につけるとヘリコイドが回らないといったトラブルも(ボディーが本当に小さかったので)。このサイズでも大きいと言われるほどOMシステムはコンパクトに作られていたのですね。(A.Inden)
EOS RP + Canon FL50mm F3.5 MACRO
「Canon FL50mm F3.5 MACRO」は、3群4枚のシンプルなレンズ構成。コーティング技術が進んでいなかった時代では、レンズ枚数が少ない方がクリアな描写でした。コントラストは低めですが、渋い発色が独特の世界観を作り出しています。かなり暗い条件でしたがEOS RPのファインダーは見やすく、思ったところにピントを送れました。(A.Inden)
EOS R + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4 SL IIN
「NOKTON 58mm F1.4 SL IIN」の特徴は、とろけるようなボケと、薄いヴェールを一枚纏ったかのような柔らかい描写ですが、実は鉄やガラスといった硬質なものとの相性もとても良く、ゾクゾクするような艶かしい写りを見せてくれます。もともとクラシックレンズを模した比較的新しいレンズですが、光学設計自体は少し古いので収差はそれなりに出ます。その収差を特徴として逆に利用してみるというのも面白いかもしれません。モノクロで撮影してみたりすると、なんともいえない味わいが感じられて面白いですよ。(TA)
EOS R + Konica M-Hexanon 50mm F1.2 Limited
Konica HEXER RFとセットで2001台限定で販売されていた大口径標準レンズ。デジタルになってISO感度を自由に上げられるようになった今となってはここまで明るいレンズは必要ではなくなりましたが、発売された当時はまだフィルムカメラの時代で、ISO 100〜400の常用感度のフィルムを夜間使うにはF1.4以上の明るいレンズが必要でした。独特の柔らかい描写と50mmレンズとしては薄い被写界深度がこのレンズのおいしいところ。しっとりとしたウェットな描写は最近のレンズにはないもののような気がします。(Naz)
EOS R + Lomography New Petzval 85 Art Lens F2.2
9世紀に開発されたペッツバール型レンズの血統を受け継ぐ「Lomography New Petzval 85 Art Lens F2.2」。本レンズのピント合わせは、鏡胴脇に突き出した直径2㎝ほどのつまみを回すという操作方法で、顕微鏡のそれと似ています。特徴的なボケ量MAXの絞り開放で、ピント位置をゆっくり動かしていくと見る見る画が変わるのですから、ファインダーを覗いている段階から楽しいこと楽しいこと。何を撮るのか?というよりも、何が写ってくるのか?が面白い。撮影意図がありそうで、偶然の産物でもある。このライブ感が本レンズの醍醐味ではないでしょうか。(KIMURAX)
EOS R + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4 SL IIN
昔はフランジバックの長さの関係で焦点距離を短くすることは設計上難しく、標準レンズといえば55mmや58mmが主流でした。「Nokton 58mm F1.4 SL IIN」は、かつての名レンズを復刻させたレンズ「Auto-Topcor 58mm F1.4」の後継となります。この58mmという焦点距離と、開放F値1.4。そして最短撮影距離は45cmというスペック。それに加えて、レンズの質量は320gと、日常的に持ち歩くことができ、また日常的なシーンを切り取るのに絶妙で、たいへん使いでに富んだ大口径標準レンズだと思います。開放値もF1.4ですので、屋内でも、またどんな状況下でも諦めることなく撮影出来るのはもちろんのこと、EOS Rでしたら拡大してピントピークを詰めるのも確実かつ楽です。前後ともに美しい量感たっぷりのボケと、開放付近の柔らかい描写で、日頃の愛しい時間をたっぷり残していきたいですね。(TA)
EOS R + Carl Zeiss Biogon 2.8/28
2009年に発売され、ワイド単焦点としてライカ用に愛用してきました。フランジバックが短いため、これまでのEOSなどの一眼レフカメラには装着が不可能だったのですが、ミラーレスになったEOS Rには着くということでどんな写りか試してみました。モノクロにしても階調が素晴らしく黒いタイヤの質感や立体感を見事に描いてます。ピント合わせもEOS RシリーズではMFピーキング設定がありワイドレンズでも、ピントピークがとても見やすくなっています。周辺減光や、若干の歪曲収差もこのレンズの特徴です。大いに生かして作品に生かしましょう。(Z II)
EOS RP + Canon FL50mm F3.5 MACRO
撮影倍率1:2のほぼ最短距離で撮影しました。太陽の直射光ををレンズに入れると派手なハレーションが出てしまいますが、レンズに当たる直射光を切ってあげると途端にクリアな描写になります。50年以上前に発売された本レンズは現代のレンズには出せない、しっとりとした描写で撮影条件を選んであげると独特の世界を見せてくれます。(A.Inden)
EOS R + Leitz Elmar 5cm F3.5
1951年式のオールドレンズのエルマー5cm f3.5は昭和で言えば昭和26年でまさに戦後を生き抜いたレンズです。お昼過ぎの日差しが強い条件で撮ってみました。被写体まで少し距離があり、絞り開放でも被写界深度はそこそこ幅がありますので、動いている被写体にもファインダーを覗きながらピントを合わせることができました。この時重宝するのがEOS Rシリーズのピントピーク表示機能です。このレンズはそれほどピントピークを見るのに苦労はしませんが、ワイドレンズや大口径レンズの極薄のピントピークを見る際にはなくてはならない機能です。(Z II)
EOS RP + Canon FL50mm F1.8
昭和39年に発売されたこのレンズを持つと、つい昭和の匂いのするものを狙ってしまいますね。地元の公民館では夏祭りの山車に飾るカラフルな飾りを梁から垂らしているところでした。この下で小学生が夏祭りまでの約2ヶ月間、太鼓や踊りの練習に励みます。都会では地域のつながりが希薄になってきたと言われていますが、この地域ではお祭りを中心にしたコミュニティーは今も尚健在です。今年の夏祭りはこのレンズで狙うと心に決めました。(A.Inden)
EOS R + LEICA SUMMILUX-M 50mm F1.4 ASPH.
現行のズミルックス50mm、非球面化されたことにより非常に高い光学性能を手に入れました。ご覧の通りピントピークの切れ味の良さは目を見張るものがありますね。フィルム時代に登場した本レンズではありますが、デジタルカメラとの相性もよく、M型ライカに限らず様々なミラーレスカメラとの組み合わせでも使いでがある一本だと思います。キングオブ50mm F1.4であると個人的には思っています。機会があればぜひ手にしてみてください。(Naz)
EOS R + Nikon Ai Nikkor 20mm f/2.8S
全長42.5mmにして、重さはなんと260gという超コンパクトな超広角レンズです。ぶんぶん振り回すというよりは、ひょひょいっと軽快にアングルが変えられ、スナップ感覚で大胆なフレームを得ることができます。これだけの焦点距離ながら開放F値は2.8ですから、深度はそれなりに浅くなることがおわかりいただけるでしょう。後ボケは少々二線気味。今どきの超広角レンズからするとヌケのよさに物足りなさを感じるでしょうが、この雰囲気が一発で出てきてくれるのがこれまた楽しいのであります。リリースから30年を過ぎても新品で手に入れられる、根強いファンがいるレンズで遊びましょう。(KIMURAX)
EOS R + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4 SL IIN
オールドレンズのような味わいと、現代のレンズの描写の旨味を一本で手軽に楽しみたいなら「NOKTON 58mm F1.4 SL IIN」はおすすめです。絞っていくことによって表情はみるみると変化し、凛としたシャープな描写もまた楽しめます。現代のレンズは開放からシャープで隅々まで解像するレンズも多いのですが、だからこそ、このようなコンセプトを持ったレンズも所有したくなるものです。絞っても立体感や艶かしさを損なわないのも、本レンズの魅力の一つでしょうか。(TA)
EOS R + Leitz Elmar 50mm F3.5
1951年式のオールドレンズのエルマー5cm f3.5は、昭和で言えば昭和26年でまさに戦後の復興時期を生き抜いたレンズです。写りは柔らかく優しい印象。後ボケに滲むようなクセがありますね。元号が令和になっても昭和を感じさせる喫茶店は都内にもまだまだあります。そんな雰囲気にもエルマー5cm f3.5はしっくりとハマりますね。どこか寂しげな昭和な男性も、懐かしいように感じてしまうのは私が昭和の人だからでしょう。(Z II)
EOS RP + Canon FL50mm F1.8
このレンズを使ってモノクロで撮られた家族写真のトーンが好きで、フィルム時代はモノクロで撮影しました。若干コントラストが低いと感じたのでイエローのY2フィルター(少しコントラストが上がるモノクロ用フィルター)がいつも付けられていました。アトムレンズと呼ばれているFL 50mm F1.8は、経年変化でレンズが黄色く変色してきます。そのため、カラーフィルムで撮影すると色被りがあり、カラー写真には向かないと思っていました。今回EOS RPに装着して初めてカラーで撮ってみたのですが、黄色くなったレンズとは思えないぐらい落ち着いた自然な発色に驚きました。最近のレンズとは違った、しっとりとしたトーンとこの発色は梅雨の雰囲気を写し撮るのに、いい武器になりそうです。(A.Inden)
※アトムレンズとは、高屈折率の効果を得るために放射能のあるトリウムを含有した硝材が使われていることからそう呼ばれたレンズ。アトムレンズで有名なものとしては「空気さえも写る」と言われたSummicron 5cm F2がある。
EOS R + LEICA ELMARIT-M 28mm F2.8
歴代のエルマリート28mmでいうと第四世代目となる本レンズ。現行の非球面化された直前の、球面構成のものです。非球面化による画質の向上は著しいものがありましたが、鋭さは劣るもののピントピークからアウトフォーカスへのなだらかさやボケの柔らかさなど、現代的な写りに球面のレンズらしい特徴を合わせ持っているのが第四世代。これはこれで味があってよいですよね。製造年は1994年とのことで、既に四半世紀が経っているようです。EOS Rでは残念ながら周辺のマゼンダ被りが出てしまいましたので、モノクロ化したものをご紹介させていただきました。(Naz)
EOS R + Leitz Elmar 5cm F3.5
私がライカ用に買った初めてのオールドレンズのエルマー5cm f3.5は60年以上前に作られたレンズです。見た目も写りも超レトロ。最新のEOS Rに着けてみると意外にもマッチしているように見えます。さて写りですが、初夏の時期に咲くニワナナカマドの花を最短距離で撮影しました。絞りはもちろん開放。被写体をレンズの中心付近に配置すればかなりの描写性能を発揮します。眩しく輝くように咲く小さくて白い花を繊細に描き切っているのがわかります。EOS Rのセンサーや映像エンジンがレンズの性能を引き出してくれてるものと思います。四隅の周辺がブレているように見えるのはまさにこのレンズのクセですね。このサイズ、このルックスでこの写りなら私は大満足です。ちょっとした屋外イベントなどに連れ出せば、会話のきっかけになったり注目度満点でしょう。(Z II)
EOS R + Voigtlander NOKTON 58mm F1.4 SL IIN
かつて一眼レフ用レンズとして人気の高かった「Auto-Topcor 58mm F1.4」の光学系を受け継ぎ、少しづつモデルチェンジをして生まれたのが「Nokton 58mm F1.4 II」シリーズです。クラシックレンズのような味わいと現代のレンズの使い勝手が特徴のレンズ。描写は薄いヴェールを纏ったかのような柔らかさを見せつつも、ピント面はとてもシャープで実際に手で触れているかのようなリアルな質感を再現できます。またEOS RシリーズのMFピーキング機能がこのレンズをさらに使いやすく楽しくさせてくれます。(TA)
EOS R + AI Nikkor 20mm f/2.8S
絞り開放では四隅がかなり流れますね。とはいえ軽量コンパクト(重さ260g、全長42.5mm)な超広角レンズですから、そんな細かいことに目くじらを立てるのは、少々厳しすぎるというものではないでしょうか(笑)。ならば絞りなさいよという話しですが、背景の盛大なボケも捨てがたく・・・。超広角レンズでありながら、こんなにもボケが添えられるわけです。それなりにコントラストも適度に高く、奥行きだって十分に感じられる。このレンズだからこそ得られるエモーショナルがあるような気がします。(KIMURAX)
EOS RP + ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2
窓際で栽培している豆苗です。撮影倍率1:2の最高倍率で撮影しました。画面中央付近の水滴を見てください、素晴らしい写りですよね。「宇宙からバクテリアまで」こんなキャッチコピーで紹介されていたOMシステム。一枚のマウントアダプターを手に入れるだけで、その豊富なレンズ群をEOS RPで楽しめる。いい時代になりましたね。(A.Inden)
EOS R + Lomography New Petzval 85 Art Lens F2.2
現代レンズではなかなかお目にかかれない“ぐるぐるボケ”で人気を博す「Lomography New Petzval 85 Art Lens F2.2」。背景がさほどごちゃごちゃしていなければ、このような端正な画をものにすることもできます。子供の動きはなかなかな難しいもので置きピンで撮影、絞り開放です。ピントを置いた位置に来たぞ!と思ったら一気にシャッターを切るのみ。百発百中というスゴ腕はありませんが、ズバッとはまる瞬間が来ました(笑)。そんなことができるものデジタル時代のおかげですね。スマートなミラーレス一眼のRシステムで果敢に狙ってみましょう。(KIMURAX)
EOS R + Lomography New Petzval 85 Art Lens F2.2
本レンズの真骨頂ともいうべきか、その特徴的な描写を世に知らしめたのが周辺の“ぐるぐるボケ”でしょう。パッツバール!ペッツバール!名前の響きからしてもうすでに楽しいのであります(笑)。絞りは開放F2.2で。このレンズだからこそ描ける画。ただそれだけで存在価値があるというものです。周辺画質? そこそこ、解像感? 少々物足りません・・・レンズとして常に語られる評価なんてどこ吹く風。これでいいのだ、開放でいいのだ。その潔さと不思議な世界観で、このレンズの虜になってしまう人が後を絶たないのでしょう。(KIMURAX)
EOS R + LEICA SUMMILUX-M 50mm F1.4 APSH.
M型ライカ向けの“標準レンズ”と言うべき「LEICA SUMMILUX-M 50mm F1.4 APSH.」。誕生はフィルムカメラ時代の2006年と13年も前となります。しかも昨今の高画素機にも耐えうる解像力を持っていますので、ご覧の通りリネンのシャツの軽さのある乾いた質感の再現や立体感が素晴らしいですね。見方を変えれば、このレンズを通して撮った写真は何でも「それっぽく写ってしまう」という麻薬のようなレンズでもあります。(Naz)
EOS R + Konica M-Hexanon 50mm F1.2 Limited
HEXER-RF用として2001本の限定で発売された本レンズ。F1.2という明るさを誇り、微光量下での撮影や浅い被写界深度を活かしたポートレートなどで活躍してくれます。現代のレンズと比べると柔らかい描写で、ピントピークの繊細な描写は、なんとも上品なものがありますよね。写真の木の幹も現物はもっとカサカサと乾き固い印象ではありましたが、ご覧の通り本レズを通した写りはしっとりとしています。身近な女性をいつもより美しく撮れそうな気がしてきます。(Naz)
EOS R + Carl Zeiss Biogon 2.8/28
大変シャープな写りで2009年の発売当初から人気の高いレンズです。Biogonシリーズはフランジバックが短いために一眼レフカメラにはミラーが干渉してしまうなどの理由から装着ができなかったのですが、ミラーの無いEOS Rシステムにはちゃんと着きます。ただ、マゼンタの色収差が出てしまうために作例はモノクロにしています。絞り開放の描写ですが非常にシャープで気持ちの良い線を描いてくれました。手前のボケも綺麗で自然ですね。お気づきかと思いますが、かなりのローアングルで撮っています。EOS Rシリーズのバリアングル式モニターを使えばローアングルで無理なく狙えます。尚且つMFピーキング設定によりピントが合わせやすくなっています。もう腹這いになって撮影しなくてもよいのです。(Z II)
EOS R + LEICA SUMMILUX-M 50mm F1.4 ASPH.
発売されたのはフィルム時代でしたが、デジタル時代になって登場した多くの高性能50mmレンズにも負けない光学性能を誇る「LEICA SUMMILUX-M 50mm F1.4 ASPH.」。キレのよさとボケの美しさを両立させたピント面が浮き上がるような独特の描写は定評がありますね。撮影はほぼ最短。非常にシャープなレンズですが、カチカチに硬くないところがポートレートやこのような花の写真でも使いやすく感じるところです。(Naz)
EOS R + AI Nikkor 20mm f/2.8S
絞って撮るようなシチュエーションでしょうがあえて開放で。目的はこの周辺落ちです。広角系レンズはどちらかといえば写りが平面的になりがちなものです。それは広い範囲が写り込むために構図が大味にななりやすいという側面もあるからです。そこで立体感が乏しくなりそうな画に、周辺落ちがいい味付けになるのでは?と遊んでみたわけです。周辺落ちと聞いて思いつく、あるいはわかりやすいのがバーンと空を入れたカットでしょうが、こんなのもありかと(笑)。超コンパクトな超広角レンズは、機動力に優れたミラレースカメラのRシステムにはうってつけ。現役で手に入るオールドレンズでNとCのコラボレーションを楽しみましょう。(KIMURAX)
EOS R + LEICA ELMARIT-M 28mm F2.8
球面のエルマリート28mmでは最終型となる第四世代の「LEICA ELMARIT-M 28mm F2.8」。現行型に比べると大きなレンズですが、角形のフードが非常に格好いいビジュアルです。EOS RにコンパクトなM型ライカ用のレンズをつけるとアンバランスになってしまうものですが、このレンズはボディとの大きさのバランスがよく、惚れ惚れしてきます(笑)。木版の「神池」の文字が潰れない露出としたため空は飛んでしまいましたが、奥に写る水面や木々の葉たちがざわざわしないのは球面レンズらしいボケ味である証拠。周辺減光はいい感じにトンネル効果を演出してくれています。(Naz)
EOS R + AI Nikkor 20mm f/2.8S
20㎜超広角レンズならではのパース感ですね。「Ai Nikkor 20mm F2.8S」は今も新品が購入できる一本ですが、発売から30数年が経っていることもあり、絞りを変えると面白いように描写に変化がもたらされます。ま、絞ってしまえばどんなレンズでも、それなりにきっちり写るものだと言われていますがね(笑)。本レンズも然りで、F8 まで絞ってみましたがコントラストも十分。超広角レンズですから絞って使うのがスタンダードと考えれば、今どきのレンズとしても十分に通用する描写ではないでしょうか。(KIMURAX)
マウントアダプターのご使用について
純正以外のレンズやマウントアダプターをご使用の際は、以下の点にご注意の上、事前によく情報を収集・確認した後にお試しください。
- 万が一の事故または故障の際に、メーカー保証が受けられなくなります。
- レンズをマウントすることとは関係のない故障等についても保証が受けられなくなる可能性があります。
- レンズをマウントした際に、レンズまたはカメラボディを破損または傷つけることがあります。
- 当サイトで試用した際に、できる限りマウント可否または問題点等を記載しますが、お客様が問題なくご利用いただけることを保証するものではありません。
- マウント可否・故障等に関する情報を、ヨドバシカメラ店頭にて、または、www.yodobashi.comお客様サポートセンター等にお問い合わせいただいてもお答えしかねます。問題が発生した場合はマウントアダプターのメーカーにご相談ください(マウントアダプターのパッケージまたはパッケージ内ドキュメントに記載された事項をご確認ください)。
( 2019.06.14 )