PHOTO YODOBASHI

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2日目
愛知県岡崎市から静岡県沼津市へ向けて、約209kmの走行。

2日目は大きな上りもなくほぼ平坦なルートとなります。景色は単調気味となりますが、上りが無いというだけで気分はとても楽なものです。東海道を制覇する自転車乗りの感想で「静岡は長い!」と耳目に触れますが、おそらく単調な景色のせいではないかなと想像します。実際走ってみてどんな印象を受けるのか楽しみです。

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ルートの概要

国道1号線ではなく、海沿い近くを走る国道150号線を使っておおよそ209km先の静岡県沼津市を目指します。国道150号線を使うとそれなりに距離は伸びてしまいますが、バイパス回避で右往左往するよりはシンプルなルートとなります。


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出発準備

距離を考えれば朝6〜7時頃に出発すべきですが、3時間ほど遅く午前9時頃の出発です。これは初日を走った後のコンディションと手応えが良く「こりゃ思いの外イケるな」と、私が少し遅めの出発を提案。朝8時に出る予定でしたが準備をしていたら結局朝の9時に。これが案の定な結果になるのですが・・・。


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ニュートラルな心持ちで、2日目スタート。

単発で200kmを走行することはあっても、連日同様の距離を走るなんてことは10年以上経験がありません。思いの外リセットして朝を迎えられ拍子抜けしました。さて、2日目スタートです。

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自転車のナビゲーション事情

2日目の最初の目的地は豊橋市にある「岩屋キャノンボール」というボーリング場。国道1号線沿いにあります。24時間で大阪〜東京間を走りきることを「キャノンボール」と呼ぶようですが、どうやらそのボーリング場が名前の由来らしいのです(定かではない)。せっかくだから寄っていこうというわけです。予め引いたルート上に「岩屋キャノンボール」があるのかよくわからず路上で話し込んでいるのが上の画面。自転車のサイクルコンピューターに予め引いたルートを入れ込み、地図上のルートを走行中見ながら走ります。車のナビ画面のように曲がり角に差し掛かれば拡大表示もしてくれるし、ルートを逸れればリルートもしてくれます。ただ車のそれと比べればとても洗練されているとは言い難いもので、情報量の少なさと扱いづらさで要は「見通しづらい」というわけです。「岩屋キャノンボール」が国道1号沿いにあるということはわかっていたため予め引いていたルートではなく、とりあえず国道1号を走っていくことにしました。自転車で土地勘のない場所を横断的に走る場合に一番大きな問題は車中心に作られた道路事情の中で、自転車が走りやすいルートを作ってくれる信頼性の高いメソッドが存在しないこと。それ故に決定的なナビゲーションサービスが存在しないことです。まず下調べを丹念に行い、端末を現場で使いやすいように下準備します。自転車におけるルート設定は本当に面倒です。ワンストップで車のナビゲーションのクオリティに到達しているものが出て欲しいものです。

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距離感がおかしくなる?

100km超のロングライドに出かけると、いろいろと距離感がおかしくなってきます。岡崎市から豊橋市の岩屋キャノンボールは40km近くあるのですが、40kmぐらいの距離は「すぐ着いちゃう」ぐらいに感覚が麻痺してしまいます。時間にして2時間はかかる距離ですが・・・。200km近く走ると、そのうちの2時間は「ついで」ぐらいな感覚に陥りますが、1日が24時間しかないことが頭から抜け落ちるのです(笑)

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岩屋キャノンボール前で、気分だけを味わう。

そんなわけで、愛知県豊橋市岩屋のボーリング場「岩屋キャノンボール」に到着。大阪〜東京間を二泊三日で走ってみて感じることですが、次は一泊二日なら走れそうかなと。1日あたり275km。緩く平均時速を17km/hで考えれば、1日あたり16時間程度走ることになります。こんな思考に至るのは、あまりに長い時間を走る故に飽きてくるからです。24時間で走り切るみなさんは、ひょっとするとさっさと終わらせたいだけじゃないかと思いますが違うでしょうね(笑)実際走り切るとなると休憩も含めて正味で平均時速で23km/h程度が必要になります。なかなか過酷で走り切る皆さんに敬服します。まったくクリアできる気がしないため、気分だけ味わうべく記念撮影。

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何を食べてもよい許可証を取得・・・との勘違い。

本来のルートから逸脱して静岡県湖西市の方へ向かいます。目的は静岡県内だけで展開しているハンバーグ店「さわやか」に立ち寄ること。凄まじい人気ぶりで、お店のホームページにはリアルタイムな待ち時間が表示されているほど。とにかく並びます。店舗にもよると思いますが、待ち時間はざっくり1時間以上。ただでさえ時間のかかるロングライド中に立ち寄るべきお店ではないかもしれませんが、どうしても寄りたい(笑)「カロリー消費しているから少々はOK」と安直な考えも手伝っての話です。減量は消費と摂取の和で決まりますよね、ハイ。

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走り始めて55km、浜名湖に到着。

大阪住まいの友人は、道中いろいろと景色を見て新鮮だと思います。知らない場所を走るのは距離を感じさせないものですが、日頃車で通るような場所を自転車で走る私もそれは同様です。いつもなら東名高速で通る場所で、交通手段が違えば景色も違って見えますから。しばし胃袋の中のハンバーグを消化しながら、歓談。

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ようやく、半分を走り切る。

昼食に時間を使い過ぎて随分なスローペース。静岡県袋井市に入ったところで全行程の半分を走ったことになります。「まだ半分か」「そんなに走ったかな」そんなどっちつかずな気分。ハッキリしているのは、余力はあり、ずっと走っていたいとの思い。街から街へ、自分の足で進んでいくロングライドの楽しさを味わっています。

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実はいちばん大変なのがサポートカー&カメラマン

我々が持ち運んでいるGPS端末の軌跡を追い、現在地をリアルタイムでウォッチしながら駐車場所と背景の抜けを探りつつ我々の到着を待ってレンズを向ける。その上で常に50〜100km程度先行して走り、トラブルの際の駆けつけ保守も務めます。その他に当日の具合を見ながらホテルの手配などの作業も。何気に大忙しなのです。オッサン達のお遊戯にお付き合いいただき本当に恐縮です!

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案の定な展開、目的地を変更。

予定していた走行距離は200km程度でしたが、スタートで3時間、昼食で2時間程度ロスしたことで、この日の目的地を静岡県沼津市から静岡県静岡市に変更。約50km程度のショートです。走れなくもないのですが、睡眠時間を考慮すると変更が無難。体力よりもむしろ時間のほうが大事になってくるのがロングライドというもの。結果として箱根を通過する最終日に200km近くの距離を残すことになりました。少しナメてかかっていました。

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真っ暗闇の峠道

焼津市に入ってから間もなく、大崩海岸の上を走る峠道に入りました。三重の亀山・鈴鹿近辺と神奈川の箱根近辺のヒルクライムぐらいしか頭になかった中で、この日最後に上らされるのは堪えました。ほぼ真っ暗闇で「こんなところに置いて行かんでくれ!」と必死に友人の背中を追いかけます。また暗闇の中の下りほど怖いものはありません。長いブランクの間、初日終了後のコンディションの良さに気を良くしてルートをしっかりと確認していませんでした。反省。

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静岡県静岡市まで約158km、約12時間半のライド。無事ゴール。

先に記した通り初日のライドに気を良くした私が、スタート時間を遅らせる提案をしました。ブランクのある私に友人は終始付き合ってくれているようなもの。まあ「さわやか」でノーテンキに並んでハンバーグを食べたのは、お互い悪ノリではありましたが。翌日は最終日、気を引き締めなければなりません。1人で走れば、お互いペースはもっと早いはずです。また、1人の場合は自分で自分を追い込んでしまうか、逆に「今日はもういいや」と簡単に投げてしまうか。そのどちらかだったりします。こうして仲間と走るのも良いもんだなと思います。よい意味で、追い込みすぎず甘えすぎず。さて、明日は最終日です。

2023.10.18
愛知県岡崎市〜静岡県静岡市
走行距離 158km (累計 356km) / 獲得標高 615m / 走行時間 6時間40分 / 経過時間 12時間24分 / 消費カロリー 2,867Kcal

( 2023.12.22 )