PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
全長はたったの15mmという、Kマウント対応のパンケーキレンズ。先代のsmc版の発売からおよそ8年の歳月を経て、HDを冠した「HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited」へとリニューアルされました。以前から望外のヌケのよさを見せつけていましたが、HDコーティングの採用により透過率が高められており、耐逆光性能も強化されています。ミニマムな4群5枚のレンズ構成としながら、DA Limitedシリーズの中でも群を抜く全長の短さと軽さが最大の特徴。35mm判換算で61mm相当の画角となるので、中望遠寄りの標準レンズです。そう言われるとなんだか中途半端な画角のようにも聞こえるかもしれませんが、開放F値は2.8。明るいレンズなので、スナップ撮影はもちろんのことポートレートや室内撮影にと、とても守備範囲の広い1本なのです。そしてなんといってもこの薄さと軽さ。常用レンズとして普段からカメラに付けっぱなしにしておけば、とびっきりの画をものにできるわけです。
( Photography : Z II / Text : KIMURAX )
奥行きを感じさせる描写は先代同様。むしろヌケがよくなった分、さらに立体感が増したという印象です。メリハリの効いたコントラストも手伝って、表情豊かな雲のレイヤーを余すことなく写し込んでいます。霞んだ遠くの建物のエッジもしっかりと出ており、避雷針までトレースするほどの解像力です。
ガラスへの水滴を捉えてみました。半段ほど絞っていますが、丸みを感じる柔らかなボケ味は、なるほど円形絞りのお陰だと感じさせるものです。周辺の画質も申し分なしですね。
素直な撮り方というのもなんですが(笑)、こうしてみると前ボケ、後ボケ共に、実に自然なボケ味であることがよくお分かりただけると思います。そこからすっと立ち上がってくるフォーカスエリアの解像感あふれる描写。紙のマットな風合いや、リボンの艶感まで忠実に再現しています。
質感の描写もさることながら、しっかりとした色乗りにも好感がもてますね。
F8まで絞り込むと解像感のピークに達するという印象です。かなり複雑に入り組んだ枝ぶりを、きっちり丁寧に捉えています。
誰も座ってはいないのに、なぜだか温もりを感じさせるカットです。開放からこれだけ情緒のある描写をしてくれるなんて、恐るべしパンケーキレンズ。いや、ホントに。
( 2015.07.01 )
35mm判フルサイズ換算で61mm相当の画角となる、極薄パンケーキ・リミテッドレンズ。まさに普段使いにもピッタリな一本です。
こちらはシルバーモデル。着けっぱなしにするレンズです。2色からお好みにあわせてお選びください。