PENTAX 01 STANDARD PRIME

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

ペンタックスQシリーズ用の短焦点標準レンズ。フルサイズ換算にすると47mm相当の画角となります。カメラボディのイメージセンサーが小さいにも関わらず、開放F値が1.9と明るいレンズとなっているお陰で、ちゃんとボケ味を添えられるという１本。いやむしろ1個と言った方がしっくりするような直径約45mm、全長約23mmのコンパクトさです。なのにどうして、これがまたよく写るのです。なるほど単焦点、と感じてしまうよく切れる果物ナイフと言ったら怒られてしまいそうですが、しっかりとした描写。このサイズのカメラへの「期待値」からは、いい意味で大きく裏切られる画像をたたき出してくれるのです。キットレンズとしても用意されている本レンズからは、メーカーさんのQシリーズに対する本気度がひしひしと伝わってきます。

( Photography : T.Yuzawa & S.Zets / Text : KIMURAX )

徐々に影が伸びだしてきた、おやつ時の撮影。カリカリなシャープさはないものの、画面全体に渡ってまずまずの解像感ではないでしょうか。シャドー部もぺたんとはならずに、しっかりねばって描き込んでいるのがわかります。これはなかなかのものです。

手作りの団子らしいいびつなフォルムとまだらな焦げ具合が食欲をそそります。タレの照りも大げさにならずに、忠実に再現しており、香ばしいい匂いが伝わってくるようです。被写体に寄ればそこそこぼけてくれますし、これなら絞り開放から積極的に使っていきたくなる描写ですよね。

さすがはF値の明るいレンズだけあって、夜景にも安心して持ち出せます（裏面照射型のCMOSセンサーの恩恵もありますが）。絞り開放ながら十分なシャープさがあり、イルミネーションが映り込んだ水面の表情もよく捉えています。